カテナチオ 18

ここに座ってもよろしいでしょうか？
女性に丁寧に聞いたとしても、あなたの容姿が気持ち悪ければ、
女性の隣にアルゼンチンのような広大な敷地があろうと、

「ごめんなさい。先客がおります。顔気持ち悪いですね」

と切り返してくるものです。

しかし、日陰者として日々の圧力に耐え続けた私にとって、
気持ち悪いは誉め言葉となりました。

女性が「気持ち悪い」という言葉を発したならば、気軽に罵倒をさせてくれる貴方って寛大で素敵。という意味が込められているか、偏頭痛持ちのどちらかだと相場が決まっているものなのです。
ですから、気持ち悪い容姿だからといって、単純な言葉の暴力に落胆することはありませんし、本質をとらえることができれば貴方の未来は輝きだすのです。

そんな私も生まれてすいませんという太宰治の言葉を胸に、女性と対峙し
続け、漸く涅槃とも言える次元へと達することが出来たのです。

ただ、一つ勘違いしてはいけないのは、だからといって貴方に抱かれたいかというとそれはまた別次元のお話ということです。
女性の脳と心とお股は、有機生命体として繋がっているように見えて
全くの別生命体なのです。
脳では、差別なく規律に準じた言を並べますが、イケメンを眼前にすると、心はアミーゴ、お股はカーニバル。
私の前では心はシベリア、お股はカテナチオ。
慇懃無礼なのです。

何が言いたいのかというと、
私は女性のことを何も理解できていない亀頭野郎だと言うことです。
生まれてすいません。

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