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【表千家同門会】同門 令和6年5月号
千家十職 塗師 中村宗哲[二]
当代十三代による千家十職としての思いを語る。
「千家の職家として肝に命じているのは、私自身の作品ではなく、お家元のお道具をつくらせていただいているということに尽きます」
「お家元のご意向に叶う道具を、つくり手の感性を通して表現するにはどうすればよいかをとことんまで考え、常に自分を一歩引いて見る客観性が大切であると思っております」
千家十職は、作家であり職人でもある職家なのだと理解することができ、それは非常に複雑な立場のように思う。
代々続いてきた形を伝えていきつつ、新しい時代の変化に合わせた道具をつくっていくことも容易ではないこともわかる。
当代は「意識してはいませんが、今の時代の流行を取り込んでいるところがあるのかもしれません」と語られるように、時代に合わせたものづくりというのは、無理やりに新しいものを造ろうとするのではなく、今という時代に向き合って生きていることで、時代の変化が現れるのだろう。