【感想】ピクサー『あの夏のルカ』
子供の頃、「困ったらディズニーのCDかDVDを流す」という教育方針のもと育てられてきたので、ディズニー/ピクサーについては「なんとなく、いつもそばにあるもの」という認識で大人になりました。
ただ、思い返してみるとそんなに映画を真剣に観た記憶が無かったので、「語るには観ないといけないのでは!?」と反省の念にかられている今日この頃です。
さて、本日鑑賞したのはピクサーの『あの夏のルカ』。
Twitterのディズニー公式アカウントに貼られていたイラストが可愛く、ずっと興味を持っていたのですが、ずるずると先延ばしになりやっと観ることができました。
公開は2021年6月。コロナ禍ということもあってか、劇場公開ではなくDisney+での配信となっています。
舞台は北イタリアの海と港町。人間とは異なる存在である「シー・モンスター」の男の子ルカが、人間の世界への憧れを抱き、同じシー・モンスターである少年アルベルトに引っ張られるようなかたちで人間の世界を冒険し、夢を見、成長する物語です。
物語序盤は海の中のシーンが多いですが、中盤くらいからは北イタリアの港町の様子がやわらかいタッチのCGであたたかく描かれます。(筆者はイタリア気分を味わいながら鑑賞するため、ボロネーゼを作ってフォークをくるくる回しながら画面を観ていましたが、映画の中にもパスタの出てくるシーンがあるので、豊かな体験ができました。)
以下、若干ネタバレも含みますが、視聴直後の直感的な感想です!
ポジティブ→ネガティブの順に記載します。
【ポジティブな感想】
① ルカが可愛い!
いや〜、これに尽きます。主人公が可愛いと途中で飽きずに最後まで観れます。
筆者は映画を感情移入しながら観るタイプなので、主人公が苦手なタイプ/共感できないタイプだとイマイチ乗れません。ルカは最初から最後まで健気で、親の言いつけに逆らう罪悪感、友達を見捨てた罪悪感にも彼の心根の優しさが溢れています。応援できる主人公は素晴らしいです。
また主人公の仲間たちも可愛いので、「みんな良い子だねぇ。。😭」と勝手に保護者感覚に浸ってしまいました。
② わかりやすいストーリーと主人公の感情
ストーリーや感情描写にわかりやすさを求めるか否かは、かなり人によって分かれるのではないかと思いますが、筆者はわかりやすいのが大好きなのでとても助かりました。
主人公の自我・アイデンティティを他者との関わりの中で削り上げていくストーリーは、王道ではありますが、王道ゆえに愛される展開だと思っています。
【ネガティブな感想】
① 空想シーン多め?
主人公が12歳くらいの想定、かつ外の世界を知らない子なので仕方がないといえば仕方がないのですが、現実から突然空想の世界に入る描写がいくつかあります。
可愛いと言えば可愛いのですが、大人になってしまった自分はイマイチ乗れず。。
② アルベルトの父親が気になる…
何でも「伏線!?回収しなきゃ」と思う己が悪いのですが、何度か会話に出てきたアルベルトの父親が何物なのか、すごく気になってしまったので特に種明かしが無かったのには「あ、これは特に回収されないのか」とちょっと拍子抜けしてしまいました。
(余談ですが、ファンサイトのヴィランズwikiにアルベルトの父親がヴィラン登録されているのを見つけ、苦笑いをしています。ヴィランタイプは「Unseen Neglectful Parent」とのこと。そうだよね、ネグレクトだよね……。)
アルベルトが父親を恋しがる描写がそこまで強くなかったので、友人ジュリアの父親であるマッシモとの関係性(終盤のアルベルトの選択)にもあまり納得感がありませんでした。
……でも人と人との関係なんて部外者がはかり知れるものではないもんなぁ……。
以上、色々と書かせていただきましたが、「優しい気持ちで観られるハートフルムービー」というのが大きな印象です。
強い刺激が欲しくない、綺麗な絵と可愛い主人公達に癒されたい……という方にオススメだと思います。
ここまでお読みいただいた方、ありがとうございました!
「こういう視点で観るともっと面白いよ」等のコメント、お待ちしております。
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