OrgofA「父と暮せば」稽古後配信抜粋④
2024年7月4日~7日、北海道札幌市で「父と暮せば」を上演するOrgofA。
そのオンライン稽古直後に行われた、Xでのスペース配信の様子を一部ご紹介します。
-「父と暮せば」に取り組むきっかけ
松井:もともとすごい好きな台本なんです。ただ年齢がもうちょっと上の方がいいと思ってたから、あと5、6年してからやろうと思ってたんですよ。
でもロシアとウクライナの戦争があって大変だって思って、じゃあウクライナ行きますかって言われても行けないけど、でもやっぱり何かしなきゃいけないんじゃないかって思うんです。
僕のお父さんお母さんは戦争を体験せずに死んでいけるかもしれない世代で、僕もそうありたいし自分より若い人達にもそうあってほしいって思ったときに、やっぱりやった方がいいんじゃないかなと思って。
だから今回北海道でやることもいいことだと思っています。いま日本って唯一の被爆国で、これからもずっと唯一だといい、これから先そういうことがない方がいいと強く思っています。
飛世:私はこの戯曲に向き合うことがかなり怖い人間だったんですよ。経験もしていない歴史上の教科書でしか見たことがないものを実感を持ってやるっていうのがすごく覚悟のいることだなと思っていたんです。
正直まつプロのお芝居を観てなかったらこの作品をやろうっていう風には思わなかったような気がする。
今まで観た「父と暮せば」は悲惨さとか教訓めいたこととか、そっち側に焦点を当てているようなとらえ方をしちゃっていたんです。でもまつプロで観た時に、初めてこの作品を観た後に思考の余裕があったんですよ。それは多分鹿目さんの演出が、何かをこう強く押し付けるということじゃなくて託してくれる演出だったから、あの人たちと私に何の違いがあるんだろうみたいな気持ちになったというか、自分の生活と繋がってるぞというか。私、劇場出た瞬間に世界の見方が変わったみたいな感覚になれる作品がすごく好きで、まつプロで拝見させていただいた「父と暮せば」が本当にそんな感じだったんですよ。
世界の情勢とかもあって思うことがたくさんあった中で、(アフタートークの時に)鹿目さんと松井さんにやってみればいいんじゃない?ってさらっと言われて、その時のトゲみたいなものが加熱していったって感じですね。
鹿目:(アフタートークの時の)飛世さんの言葉を私もすごく覚えていて、飛世さんがやるのを見てみたい気持ちがその時芽生えたんですよね。
飛世:松井さんと鹿目さんとお会いしていなかったら今回の公演に踏み切らなかったと思います。
-アフタートーク&イベントについて
飛世:今回アフタートーク&イベントっていうのを用意させていただいます。
1日目は初日を迎えた2組のお話が聞けると思います。
2日目は北海道被爆者協会の方からお話を伺います。実際に広島で被爆の体験をなさった方です。なかなか聞ける機会ないと思いますので、さらに知りたいという方はぜひこの回を見に来ていただきたいなって思います。
そして土曜日の夜にはキャラメルボックスの大内厚雄さんがいらっしゃいます。私と同じようにトゲが刺さればいいなと思っている俳優さんをお呼びしました。俳優さんから見た話ができたらいいななんて思っています。そんなことも参考にしながら選んでいただきたいです。
このスペース配信のアーカイブ視聴はこちらから。(2024/06/10配信分)
(視聴にはXのアカウントが必要です)
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