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【業務日誌】受粉開始!だが…。

今年の開花状況がおかしい。
いや、天候がおかしいと言った方が正しいか。ぼくの農業経験は2017年からはじまって今年で4年目を迎えますが、それぞれがどんな年だったか鮮明に覚えていて。例えば2017年は台風で大きな被害があって、2018年は開花は早かったものの割とまともに収穫ができて、2019年はてんてこ舞いで、2020年はとにかく暑かったし長雨だった。そして今年。開花が今までで一番早かった割には、それから気温が上がったり下がったりするせいか、未だ満開の雰囲気はない。王林、さんさが開花し、そこから一気に咲くというのがこれまでの印象でしたが、今年はさんさの前にジョナゴールドや北紅が咲いたり、いつも遅めに咲くふじやシナノスイートが先に咲いたり、というような状況。例年はゴールデンウイークを返上し、お手伝いできる方を募って「今日はこの畑、明日はあの畑」といった感じでわりふりしていたのですが、きょうの場合は「今日はこの畑とあの畑のジョナとふじから回ろう」。まさか品種別に受粉を行うことになろうとは。

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開花状況は、まだこんな感じ。

まずさっきから記している「受粉」について。りんごは自分の花粉では受粉せず、異なる品種の花粉で受粉し、結実する性質を持っています。そのため、耳かきのような「梵天(ぼんてん)」という用具のホワホワした部分に花粉増量剤(ピンク色の粉)を混ぜた花粉を付け、りんごの中心の花だけにポンポンと優しく丁寧に付けていきます。これが「人工受粉」。労力はかかりますが一番信頼性がある作業です。ちなみにLAMPの菅原久美子さんは、「おいしくなあれ、おいしくなあれ」とつぶやきながら受粉をしていきます。いつも勉強になります。

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他にも、大きな刷毛のようなもので、枝全体に一気に花粉をつける方法もあったり、防除に使用するスプレーヤーで散布したり、風やハチなど自然に全部任せるという方法もあります。近年だとドローンで液体散布というのも!ちなみに陸前高田では、ほとんどの農家さんが人工受粉を行っているのですが、暑い日に当たってしまうととにかく大変。だってずーっと手を上げての作業だから。そこで力強いお手伝いさんが”花粉の運び屋”ことミツバチにマメコバチ、クマバチさん達。なんでも米崎では地区ごとにハチの巣箱を設置したりしているとか。ただハチも年々数が減り、更に花粉を運ぶのは何もりんごの花に限ったことではありません。畑に花が咲く雑草は沢山あるので…。

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それでもハチは大事なスタッフ。
りんごではなくタンポポに行っちゃったりするところもかわいいじゃないですか。もう時給あげたいくらい。ただ気温が低い場合は仕事をしてくれません。受粉の目安はマニュアルによると「開花から3日以内」。それ以上になると花が散り、めしべが茶色になってその役目を終えます。なのに上記の画像の…たいして開花もしていないのに受粉を行ったという点ですが、それは今後の天気予報を見て、真っ青になったからでした。(続く)


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