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【米崎りんご】サンふじ②

その一言に、ぼくは衝撃を受けました。単純に、思ったより美味しかったというのもありますが、地元のりんごの質がここまで高いことに驚きます。他にも、いただいてあった青森産や長野産といったトップブランドのりんごと比べても、当時は米崎りんごの方が美味しいとさえ感じました(鮮度の差はあったと思いますが)。海産物が特産品というイメージが強いこの三陸沿岸で、こんなに美味しいりんごがあるなんて。震災で学んだことの一つ「生きるとは、食べること」というワードが自分の未来にぐぐっと響いた瞬間です。

季節36

晩生種のサンふじは、内陸だと霜が降りる前に収穫を終わらせる必要があるため、まだ暗いうちの朝方から、夜はヘッドライトを装着してまで収穫を行います。内陸のりんごの美味しさは、農家さんたちの努力の結晶なんですね。一方陸前高田は東北の中でも比較的温暖な地域で、雪もあまり降らないというのもあり、焦って収穫する必要がないんです。寒暖差も緩やかで、11月という遅い時期に完成するサンふじとの相性は抜群。明治時代から始まった陸前高田のりんごという産業を、先輩農家さんたちが「地域が誇れる特産品」にまで築いていきました。「三陸の風土の結晶」と言っても過言ではありません。蜜が入って酸味と甘みのバランスが良く、皮まで味がのっているりんご。更に長期保存も効き、農家としては一番高値で売れるので、まさに王者。生産量もダントツで世界一なので、簡単に王者の座は明け渡さないでしょう。

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ちなみにイドバダアップルの畑は2か所に点在していて、いずれも園主が亡くなったのちお借りすることになりました。陸前高田ではサンふじの生産量がが7割以上を占める農家さんがほとんどだと思います。新たな感染症で制限される生活や異常気象と向き合いながら、ぼくたちは農業という働き方を進化させ、次の世代へ繋いでいくことが責務です。サンふじの収獲時期になると、亡くなった園主が残していったプライドというか、歴史を切り開いた先人の魂と、りんごを囲んだ家族の笑顔が畑に残っている気がして、いつも心の中で思います。

今年も無事、収穫できましたよ。
あなたが守ってきた「米崎りんご」が。

集合写真 (2)

それではみなさま、素敵な1日をお過ごしください。
イドバダアップル 吉田司でした。


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