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日本ドチャクソ嘘話

これまで誰にも話してなかったのだけど、実はサラリーマンのふりしながら、阪急沿線沿いのとある駅で喫茶店を営んでいる。

何で話してなかったのかというと、別にこれが留年した理由でも無かったし、友人や会社の人と話す中でカフェや喫茶店経営の話にならなかったから、平たく言うと特に話す機会がなかったからである。
そして何よりめちゃくちゃ嘘だからである。
ただ何となく嘘喫茶店を開いた嘘きっかけを話してみたくなったので書いてみることにする。

コーヒーを飲んだり淹れたりしていることはTwitterやInstagramでも特に隠してないけど、きっかけは高校時代にある。
部活終わり、なんとなく背伸びしたくて瓦町駅前のスターバックス友人と飛び込んで以来、ちょくちょくスタバに行くようになり、そこからの流れでコーヒーそのものに興味を持つようになった。
当たり前やけど当時は豆の知識も味の違いもわからないまま。
それでも「なんか大人な感じでカッコ良い」というありがちな思春期心理からタウン誌を立ち読みしたり、授業中にMITSUBISHI製のガラケーを弄り回しながら近くのカフェや喫茶店を探したりしては1人で色々と赴くようになる。

学食や休日にランチ代として親から支給されていた1000円をあの手この手で浮かして、週末になったら「勉強してくるわ」などと言いながら空っぽのリュックに小銭しか入ってない財布と筆記用具だけを詰めて街に出かけた。(電車通学だったため、電車賃は負担じゃなかった)
友達が居なかったわけではないのだけど、1人行動が全く苦じゃないことに加えて、喫茶店巡りにハマっているということを人に話すのは気恥ずしかったので、基本的には1人で喫茶店に行っていた。
別にフツーに「一緒にコーヒーのも」ってゆーたらええやんって話やし、背伸びをしているのは確かなので隠したところでどうすんのよって話なんやけど、そのことを知られるのってちょっと恥ずかしくなかったです?高校生の頃って。
まぁ通い始めてしばらく経ってからは、なんやかんやあって普通に友達ともコーヒー屋に行くようになるのですが。(これはこれで個人的に結構楽しかったのでどこかで話したい)

そんなミーハーな感じで始めたコーヒー屋巡りではあるものもの、色々と行っていると味の違いや自分の好みがなんとなく分かってくるもので、途中からは昔からやってそうな雰囲気の喫茶店ばかりに行くようになった。
使い古されたコーヒーミルが置いてあったり、店主が全然やる気がなさそーだったり、何時からいるか分からないけどずーっとタバコを咥えて新聞を読んでるおじいちゃんがいるような店がどうやら自分好みっぽかった。
そうやって自分好みな系統が掴めてくると、安直ではあるものの「俺もこんな店やってみたいな」などと思うのが高校生の性である。
なんの現実味も無いけど、駅を少し離れたら大量に現れる空きテナントを眺めては「この立地ならガヤガヤしなさそうで良いな」とか考えていた。
そういえば、こないだ帰省した時に丁度その付近を通りかかり「懐かし〜」と言う気持ちになった。

香川はなんだかんだ過疎地なので、相変わらず空テナントの貼り紙がベタベタの貼られており、久しぶりに喫茶店開業のことに頭を回らせてみた。しかしながらテナントたちは全て"オフィス用途"と記載されており、あの日考えていたことはいよいよ現実味を無くしてしまったのは少しだけ寂しい。

バンバン話が逸れちゃって恐縮なのですが、
俺が大学の学部を経済学部にしたきっかけはこの喫茶店巡りだったりする。
将来的にお店やりたいし、そうなったときに色々お金のことわかっといた方が良いかな〜などと考えていた。勿論めちゃくちゃ嘘である。

コーヒー巡りについては大学に入っても趣味として継続した。
京都はモダンな感じの店から昔からの銘店までコーヒー屋の守備範囲が全盛期のイチローくらい広かったのでかなりよかった。
街自体も結構コンパクトなのでエイリンで買ったママチャリ一発があれば大概のお店に行くことが出来た。
大学時代のコーヒー巡りのおかげで"スペシャルティコーヒー"とかいうイカつめのコーヒー沼に片足を突っ込みかけることにもなったのですが。
大学生になっても初見の店については基本的には1人で行くことの方が多く、行ってみて良かったら他の人と「あ〜この辺やったら〇〇ってとこがあった気がするわ〜」とか言いながら友人と一緒にコーヒーを飲んでいた。なんでやねん。

「そこまでコーヒー好きならバイトすればええやん」と思い、バイト募集を漁ったこともあったのだけど、高校時代に散々通ったスタバは履修した講義と時間の折り合いがつかず、町のちっちゃな喫茶店はそもそもバイト募集しておらず、極め付けは勇気を出して応募したタリーズの面接で散々な結果だったことから心が折れてしまい"楽しむ側"としてのスタンスを貫くことを決意した。
このタリーズの面接については"落ちた"というだけではなくて面接全体が散々だった。未だにたまにフラッシュバックしてうわあああああ!となる。

じゃあなんで"楽しむ側"としてやっていくと決めていたにも関わらず、喫茶店をやることになっていくのかという話なんやけど、ここから嘘本番である。

大学と当時の下宿との丁度真ん中のところに「鷺田珈琲店」という喫茶店があった。
今も変わらず営業しているのだろうか、嘘ででっち上げた店なので勿論存在してないのだけど、書いてるとなんか本当に懐かしくなるから不思議である。

この店は自家焙煎をウリにしてコーヒーを提供しており、コーヒー一杯400円と個人店にしてはお安め。量り売りで豆の販売もしておりこれも200gで700円とやたらと安い。
営業中に表に出しているのぼりはいつから使っているのかわからないくらい色褪せた黄色で、そこには夏でも冬でも「自家焙煎アイスコーヒー」と記載されていた。(しかも冬はアイスコーヒーを出してない)
そんくらい適当なスタイルなためか、長居しても嫌な顔をされず、味も好きだったので週3くらいのペースで通っていた。

喫煙可の店の割には煙たさこそあれど店内はまぁまぁ綺麗。入った右手にカウンター席があり、左手に向かい合わせ2人掛けのテーブルが2つ。
突き当たり左手に男女兼用のトイレがあって、カウンターの奥にはどデカい焙煎機。ザ喫茶店という感じ。
いつも奥から2つ目のカウンター席が空いているので俺はいつもそこに座っていた。
今になって気づいたけど、この席の椅子だけ高さ調整するレバーが壊れており、これがいつも空いてた理由だったんでしょうね。
そのせいで座ると机がやたら高くなってしまうのだけど、座高には定評があるので特に気になることはなかった。あとトイレも近い。座高がある人なら完璧な席。
あと焙煎機が近いので店の中でもダントツでいい匂いがする。
そういえば一限に向かうときにこの店の前を通るといつもコーヒーのいい匂いがしてて、それも好きだった。

ここまで書いて飽きてしまったので、また続き思いついたら書きます。
みんなええお盆過ごせよ!!

P.S. 
良い豆屋さんにいくと"カッピング"という豆のテイスティングをさせて貰えることがある。
挽いた豆をお湯につけてしばらく置いておき、上澄みの液体をスプーンで掬って飲む。
香りとか味を見るために「ジュルルルっ!!!!!!」と啜るように飲むのが正しいやり方なんやけど、全く知らない人からしたら多分結構なカオス空間よね。
店員も客も男も女も真顔ですごい音をたてながらコーヒー啜ってるのを見たことある?俺はある。

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