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人事データ分析に必要なのは「データや数字の扱い方を知ること」

人手不足の問題や人的資本経営への対応などを背景に、人事データ分析に取り組む企業が増えています。しかし、実際に成果につなげることができている企業は一握りに過ぎません。
 
今回は人事データ分析の大まかな流れと、見落としがちなデータ分析のポイントをお伝えしたいと思います。

人事データ分析とは


まずは、人事データ分析が具体的にどのような取り組みなのかを確認しておきましょう。人事データ分析とは、勤怠情報や人事評価、健康情報といった様々な人事データを収集・分析することで、人材育成や人員配置などに活かす取り組みのことです。
 
以前までデータ分析は実施のハードルが高い取り組みでしたが、デバイスのスペックが向上し、データ処理・分析にまつわるツールも簡単に入手できるようになったことから、ぐっと身近な施策となりました。


人事データ分析はまず「仮説設定」から


テクノロジーが進歩したとはいっても、クリックひとつで完了するほど人事データ分析は簡単ではありません。人事データ分析の流れは大きく「仮説設定」「データ収集」「データ分析・仮説の照合」の3ステップに分けられます。
 
まず仮説設定ですが、これは「人事データ分析を行う目的」を明確にする段階であり、後の取り組みの土台となります。具体的には、自社がここ数年抱えている課題と、その対応策について仮説を立てることから始めてみるとよいでしょう。
 
例えば「離職者が増加傾向にある」という課題があったとして、これを解消するための仮説として「給与を上げる」「多様なキャリアパスを選択できるようにする」といった対策を考えていきます。ここで考案された仮説(対策)が有効であるかを証明するためにデータを収集し、分析していくことが人事データ分析の取り組みとなるのです。


データの収集・分析のポイント


「データ収集」の段階では、設定した仮説を証明するためにデータを収集していきます。「社員の離職」が課題であれば、まず離職者の年齢や離職理由、所属していた部署、残業時間などのデータを収集していきましょう。
 
データ収集時のポイントは、先入観や思い込みで収集するデータを決めつけないことです。例えば「自社は風通しが良いから、人間関係による離職は少ないはずだ」と思いこんでいると、収集するデータに偏りが生じてしまいます。本当は人間関係を原因とする傾向があったとしても、データを収集していなければその真実にはたどり着けません。
 
データの収集が完了したら、いよいよ「データ分析・仮説の照合」の段階に入っていきます。ここでのポイントは「仮説に執着しないこと」です。せっかく考えた仮説が誤っているとガッカリしてしまい、「仮説ではなくデータが間違っている」と疑ってしまう人は少なくありません。
 
しかし、データは嘘をつきません。仮説が間違っていた場合は、もう一度「仮説設定」からやり直し、改めてデータを収集する必要があります。データ分析というとスタイリッシュな業務をイメージされる方もいますが、実は泥臭く根気のいる取り組みなのです。


人事データ分析の準備は「数字力」を鍛えてから!


上で解説したポイントからもわかるように、データ分析では「担当者の思い込み」が大きな落とし穴になります。人事データ分析の準備に取り掛かると、分析ツールの良し悪しや高度な分析手法ばかりに目が行きがちですが、まず必要になるのは「データや数字の扱い方を知ること」なのです。
 
実際、ビジネスにおけるデータの読み解き方を身に着けている人はごく僅かです。多くの人は学校数学の「正解が用意されたデータ」しか扱った経験がなく、ビジネスにおける「正解が用意されていないデータ」の扱い方を知らないからです。
 
弊社の「ビジネス数学研修」は、まさにこの「学校数学とビジネス数学の違い」を重要視しており、ビジネスにおけるデータの読み解き方を「現状把握」「不足データのあぶり出し」「ギャップの発見」「次の一手を考える」という4ステップでお伝えしています。
 
いきなり高度なデータ分析の研修を実施しても、人事データ分析は思うように進みません。まずは、担当者のレベルに合わせて数字やデータの扱いを学んでいき、少しずつデータに慣れていくことが大切なのです。
 
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