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Charles Smith ロングインタビュー 7

パート7 電話してみたくなる・・・ワシントン州のアイコニック・ワインメーカー チャールズスミス。最新のインタヴュー音源の文字起こしをしました。最終話です!

その1はこちら

https://note.com/orcawine/n/n1ea5b8d05bca

元になったインタヴューはこちらです。2時間もあります(>_<)

https://radiomisfits.com/twm251/


インタヴュアー:(以下 I )では、プリミティーヴォに行きましょう。

チャールズ:(以下C)完全な辛口、辛口だよ。
僕のワインはどれをとっても残糖はゼロだ。

( I )このヴィンテージは2020年。僕の大好きなワインだ。

( I )これは、他のプリミティーヴォとは全く違うね。ロースト・パンプキン?スパイス?これは何だ?

(C)プリミティーヴォだよ。スパイスがある。冷涼地方のプリミティーヴォだ。

( I )たぶんプティシラーはブレンドしてないよね。
(C)ないよ。

( I )なぜワシントン州でこれを造ろうと思ったのですか?

VINOシリーズ

(C)これはワルーク・スロープAVAのノースリッジで育ったブドウだ。このシリーズはVINOシリーズで、これはシングルヴィンヤードのピノグリージョから始めたんだ。ピノグリージョは25,000ケース生産してる。辛口のピノグリージョだよ。
サンジョヴェーゼの色の薄いロゼと、ロッソと言う名のカベルネソーヴィニヨンとサンジョヴェーゼの混醸、これらはたったの13ドルだ。

このプリミティーヴォのブドウの横にはバルベーラが植わっていたんだ。このバルベーラが引き抜かれて他のブドウに植え替えられそうになっていたのを見て、「樹齢30年のブドウを引っこ抜くなんて絶対やったらダメだ!僕がこのブドウでワインを造るよ」と・・・それでバルベーラも造る事にした。ちなみにVINOシリーズには樹齢60年のモスカートもあるんだ。このモスカートは畑のオーナーがブルドーザーで今にもブドウを引き抜こうとしてる所を止めに入ってブドウを引き取ったんだ。ワインをこの樹齢60年のブドウから1000ケースもまだ造る事ができるんだ。

( I )クレイジーだ・・・

(C)そうだね。
このプリミティーヴォにはポルスコピーノ(ヤマアラシ)が描かれている。イタリア・プーリア州の動物だ。動物のデザインは今までなかったけどね。
この品種がオールドワールドのどこからやってきたかを伝えたかったんだ。他にもセルヴォ(鹿)と言う名のバルベーラ、トスカーナのチンギアーレ(イノシシ)というサンジョヴェーゼの3つのワインを造ってるんだ。


ポルスコピーノ(ヤマアラシ)

( I )・・・テイスティングして・・・・これは本当に想像のはるか上を行くよ。小売価格はいくら??え?20ドル・・・ありえないよ!信じられない!

メーリングリスト

( I )チャールズ、あなた達は昔はメーリングリストかワインクラブで販売してたよね?

(C)いいや。メーリングリスト制はとってない。なんだそれ!ふざけんな!だろ?ワインを買うために列に並ばないといけないって?ワインを購入するリストに載るために、またリストに参加しないといけないって?しかも、購入出来たとしてもそれを転売してるって??そういうのは、良くないだろ。

もしあなたがそのワインを大好きで、購入をする為に何年も待って、やっと購入可能のメールを受け取ったとする。次の日には注文しないともう無くなってるんだ。
ワイナリーが小さい時代からサポートし、良い関係を築いてきたのに、実際のワインが手に入らないんだ。。。僕はそういうのは良い事だと思わない。パーティに遅れたら、パーティに参加する権利もない。そんなのおかしいだろ??

うちワイナリーの特徴として、ここまで大きくなっても、クラブメンバーとはとても近い関係性にあるんだ。

(C)そうなんだ。。。実は・・・Kのコルクはどこだ?ほらコルクのここにはまだ僕の電話番号が書かれている。

( I )本当に??509 526 5230…

(C)僕がワイナリーを始めた時、僕一人だったんだよ。テイスティングルームはワイナリーの外にあったし、電話は一つしかなかった。それがこの番号だよ。

ハウスワインを造って、それをプリセプト・ブランドに2007年に売却した時もこの番号はコルクに書かれてたんだ。

ハウスワイン

ある日、僕が電話を取ると、電話の向こうから、大きな声で叫んでる人たちの声が聞こえて“君のワイン最高だよーー”とか言ってる。「もしもしーー。これ留守番電話じゃないですよ。チャールズスミスです!」と話しても、まだ電話の向こうで何人もの人たちが、
“何、本人?ぎゃー、ワイン大好きだーー”
と叫んでたんだ。

これ、最高だろ??ありえないくらいクールだろ。こんな事が起きるなんて!世界のどこかもわからない場所から、酔っ払いが僕のワインを飲んで電話してくるんだよ!最高だよ。ワインの販売の為に色々な場所に行くけど、そこでも僕のワインを飲んで楽しく酔っぱらってる人たちに会える。最高だ!

( I )コルクの電話番号と言えば、全くワインに関係なかった私がこの世界に入ったのは、サムの叔父のトニーのおかげで、初めて会った時、彼の電話番号がワインボトルに書いてあったから、随分酔っぱらったある夜その番号に電話をして話し込んだんだ。そしてその15~20年後僕は、こうしてどっぷりワイン業界にいるよ。

(C)それはいい話だね。彼も本当の電話番号を記載してたんだ。今もつながるかな・・・

( I )絶対固定電話だからね・・・もしかしたらファックスにつながるかもよ(笑)

購入方法


( I )さて、チャールズのワインはどうやったら手に入るの?

(C)ウェブサイトで情報は見る事が出来る。www.houseofsmith.com

( I ) レストランやホテルの場合は、卸や酒屋さん経由だよね・・

(C)国内なら、どの州でも卸店を通じて購入できるし、国外でも、コペンハーゲンでもソウルでも東京でも、もちろんカリフォルニアでもサンフランシスコでもね。
あと、ワインクラブの事だけど、僕は今まで何年もワインを造って来て、一部を保管して来た、今52,000本をライブラリーワインとして置いてあるんだ。それで来年くらいから、「ライブラリー・ワインクラブ」を発足し、販売したいと考えてる。今まで手に入れなかった人たちにも実質価格で販売したいんだ。これはとても貴重なワインだ。どんなワインでもボトルが空になるのはいい事だし、瓶をリサイクルに使う事も出来るからね。

今うちには2つのワインクラブがある。
The Rollsは高級レンジのクラブ、Rocket 88クラブが基本のワインクラブだ。Rocket88とは実際のレコードのタイトルで最初のロックンロール・レコードと言われているものだ。アメ車の代表と言われる車の名前でもあるんだ。だからクラブの名前をこれにした。

( I )これはサブスクのワインクラブなんだよね。

(C)そうだ。ワインクラブメンバーは2005年のスカルや、2001年のモリソンレーン、2010年のロイヤルシティ、2010年のカンフーガールまで手に入れる事が出来るんだ。

( I )それはすごいね。


( I )さっき、瓶をリサイクルしたいと言っていましたよね。それは再利用する事も視野にいれてるのですか?

(C)僕はデンマークに10年住んでいたと話しただろ?デンマークのビール工場では、30回から40回同じボトルを使っているんだ。それを始めて知った時、本当に驚いたよ。彼らはあらゆるものをリサイクルしている。当時はもちろん缶なんてなかったからね。すべての飲料の容器としてはガラス瓶が適しているんだ。そうほとんどの人が信じていると思うし、気密性も高いと思う。

( I )アメリカでも今やろうとしてる人はいますよ。

(C)それなら是非連絡が欲しいね、僕らはワインボトルの再利用に興味がある。

( I )サブスタンスのボトルはとても適しているよね。
再利用はリサイクルするよりもずっと良いアイデアだと思う。

(C)僕らはブドウ栽培をしながら、僕らは地球の番人だなんていうよね。それなら容器についてもただ捨てるんじゃなく最後まで面倒を見ないと、途中までしか出来てない事になると思うんだ。

( I )素晴らしい!禅だ。


終わり!!!ありがとうございました。


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