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デルフト Delft オランダ/南ホラント ~王家の旧邸宅と墓所を擁するオランイェ=ナッサウ家の聖地

※ 八十年戦争に関わる場所を訪れています。一般的な旅行記ではありませんのでご注意ください。

デルフトは、ハーグと並んでオランイェ=ナッサウ家の聖地のようなもの。観光でも、デルフト焼やフェルメールと並んで、ロイヤルシティを目玉にしています。 現代はほぼフェルメール一色な気がしますが、実はデルフト市内にはフェルメール(寡作で有名)の作品は一点も無いのだとか。



新教会・旧教会

※最終の訪問は2017年10月です。その他新教会は、2014年、2009年、2005年、1996年にも訪問。以前あったもので、その次になくなっていたものは訂正線を引いて文自体は残しています。

2014年くらいから旧教会と新教会のホームページが統合されました。そのため、ステンドグラス一覧や墓所見取図など、以前あった良コンテンツが無くなってしまっています。


新教会

マルクト広場からの外観。この塔には、別料金で登ることもできます。376段。螺旋階段です。疲れるし目も回ります。途中、真ん中くらい(写真茶色部分と白色部分の切り替えあたり)と、いちばん上が展望台になっています。 オランイェ家代々の墓所のある教会です。ウィレム沈黙公の墓所は地下ですが、モニュメントは1階にあるので、誰でも見ることができます。

下記は1621年につくられたモニュメントを、30年後くらいに描いた絵画です。どちらの絵を見ても、17世紀にして既に観光地化しているのがわかります。

オランイェ家の地下墓所には入れませんが、地下墓所入口付近に精巧な模型が置かれていて、立体的に把握することができます。この模型で見てもマウリッツとフレデリク=ヘンドリク兄弟の体格差がわかります。(2014年)
これがなくなったのは非常に残念。

2017年秋は絶賛改装中につき、教会内部はだいぶあっさりしていました。床にオレンジ色のルートが描かれるところまでは済んでいましたが、その途中に置かれているモニターにはまだ電源は入っていません。オランダ全体の博物館が動的コンテンツに移行している感がありましたが、その波は教会まで来ているようです。

2017年は墓所入り口もこのようなロープではなく、工事用のロープが架けられていました。

1890年に描かれたデルフト新教会のオランイェ家旧墓所の様子。一般人はこの墓所内部まで入ることはできません。上の2つがマウリッツとフレデリク=ヘンドリク、下の2つがウィレム沈黙公とルイーズ・ド・コリニーです。 平面図でみると、6aの3,6,1,2の箇所です。

ステンドグラスでも有名な教会です。写真は「ウィレム窓」 。こちらもサイトで詳細確認できます。サイト変更のため、現在一覧はなく写真1枚だけです。

グロティウスもこの教会に埋葬されており、やはり1階にモニュメントと、教会前に銅像があります。

また、内部の向かって右側には、歴代オランイェ公を説明した透明なパネル版がたくさんあります。…が、微妙にマイナーチェンジしているようで、2009年にいったときよりも2014年のほうが、八十年戦争期の割合は少なくなっていたように感じました。こちらも2017年には取り払われていました。


旧教会

プリンセンホフのすぐ東にある教会です。マルクト広場にある新教会と共通チケットで中に入ることができます。新教会よりも入口が若干わかりにくいです。新教会はチケットのバーコードで入れますが、こちらはまだアナログで、チケット表面に丸を書いてくれるだけ(2017年)。

下記はファン・フリートによる教会内部を描いた絵画。トロンプ提督のモニュメントです。

こちらのステンドグラスも有名です。宗教画が多いですが、下に挙げた窓のようにフェリペ二世やナッサウ家など世俗ものもあります。

墓所は、フェルメールやレーウェンフックのような文化人のほか、マールテン・トロンプやピート・ヘインなどの17世紀の提督が葬られています。確か2014年現在、トロンプかヘインの墓所は経年劣化のため補修工事中だったはずです。

2017年には外装全体とステンドグラスの半分くらいが改修中で、外されている分のステンドグラスについてと思われるパネル展示がされていました。


デルフト市庁舎

17世紀に建てられた市庁舎です。市長室にはオランイェ=ナッサウ家の肖像画がたくさん掛けてあるそうなのですが、団体ツアーのみ閲覧可能とのことで、基本的に一般公開はされていないようです。

市庁舎向かいの新教会の塔から撮るとこんな感じに撮れます。これとまったく同じアングルの映像で、CGで17世紀の風景に処理してあるものが、映画『真珠の耳飾りの少女』の冒頭に流れます。

1618年3月4日に一度焼失した市庁舎。今のものはこの後建てなおされたものです。


治水委員会本部

下に挙げたロマン主義時代の歴史画は、17世紀の様子を描いています。

手前の灰色の建物が、17世紀中頃から治水委員会の本部として使われていた建物です。もとはホーエンローエ伯フィリップスとマリア(ウィレム沈黙公の長女)夫妻の屋敷のひとつだったとのこと。その後一時期ナッサウ=ディーツ伯エルンスト=カシミールの所有になったこともあったはずです。すぐ右隣がプリンセンホフ、マリアがかつて父親と住んでいた場所です。

こちら同じ建物の19世紀の写真。

たくさんの紋章がついていますが、おそらく初期の治水委員たちのもので、ホーエンローエ家やナッサウ家に関するものは見た感じありません。2014年6月時点で、建物全体改修中。2017年訪問時にやっと全体を見ることができました。


プリンセンホフ美術館

別記事にて。


ロイヤル・デルフト

サイトに日本語ページがあって驚きました。

下の写真は昔の工房での絵付けの様子。

ロイヤルデルフト焼工房 デ・ポースレイネ・フレスAnno1653社」は、八十年戦争終戦直後、1653年に設立された陶器工房です。工房見学のほか、絵付け体験も開催されています。絵付けは2名から可で、場合によっては日本語スタッフも可能なようなので、個人旅行にも対応できます。オランダの団体ツアーに組み込まれていることも多いようです。ちなみに、絵付け体験は、もの(タイル・プレート・花瓶など)によって40ユーロ前後、日本までの送料は別です。送料のほうが高い(50ユーロ前後)可能性がありますので、合計100ユーロは見ておくと良いかと思います。

中の博物館までは見たことはありませんが、内部はこんな感じのようです。


デルフトパス

デルフトでは各見どころの入場券がセットになったコンビチケットを何種類か発行していましたが、プリンセンホフの改修のため2014年2月でいったん販売終了しています。おそらく以降はデルフトパスに統一されるのではないかと思います。基本的には居住者向けのパスです。

限られた場所の入場券としてだけではなく、アトラクションや飲食の割引等にも使えるようです。また、デルフトだけではなく、ハーグやロッテルダムの一部で使えます。ただ、コンビチケットが€15程度だったのに比べ、有効期限が1年近くあるとはいえ€60。デルフト・ロッテルダムを短期で重点的に回る予定がない限り、旅行者にはやや高いかもしれません。

公共交通機関の1日パスもありました。こちらも居住者向けのようですね。


アクセス

ロイヤルデルフトの位置だけ、駅から南側でちょっと離れています。(でも充分に徒歩圏内です)。それ以外のみどころは一か所に固まっているのであまり困らないでしょう。

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