レーワルデン Leeuwarden オランダ/フリースラント ~17世紀を通じて独自の州総督を戴き続けた誇り高き州の州都
※ 訪問記は2009年4月時点の情報です。八十年戦争に関わる場所を訪れています。一般的な旅行記ではありませんのでご注意ください。
オランダ北西部、フリースラント州の州都。独自の文化を持つフリース人の多い土地ですが、八十年戦争では、当初から「反乱」側で重要な役割を担い続けてきました。旧市街地は部分的に中世の色を濃く残した、州都としては小ぶりな印象の街です。
かわいいとウワサのフリースラントの州旗。赤いのでハートと思いきや、「ポンペブレデン」と呼ばれるセイヨウコウホネ(スイレン科)の葉っぱだそうです。11世紀くらい起源の由緒ある紋章モチーフで、州内の7つの海に面した陸地の数を表しているとか。
市庁舎 Stadhuis Leeuwarden
マルクト広場のにぎやかさに比べ、市庁舎前広場は静かです。建物は18世紀に建てられたもの。州総督館の真向かいです。
州総督館ホテル Hotel-Paleis Stadhouderlijk Hof
ナッサウ伯ウィレム=ローデウェイクは連邦共和国になってからの初代フリースラント州総督。ナッサウ伯ヤン六世の長男で、他5州の州総督ナッサウ伯マウリッツの従兄でもあり、フリースラントの住民にとても慕われていました。
写真はウィレム=ローデウェイクの銅像。もともと名前のとおり州総督の居館があった場所ですが、現在のピンク色の建物は新しいものです。1971年まで王室の所有で、今はホテルとして営業しています。
こういう絵がホテル内レストランにたくさん掛けてあるようなので、ぜひ行ってみたい場所です。公式サイトでもチラ見できます。
大教会 Grote of Jacobijnerkerk
歴代フリースラント州総督の墓所があります。訪問時はほとんど一般公開(観光客向け)はしていなかったんですが、今は入れるかもしれません。
オランイェ門と呼ばれる墓所入口。
フリースラント・ナッサウ家の墓所は17世紀からありますが、1795年、フランス革命の煽りを受けてめちゃくちゃに破壊されてしまいました。
再建されたのは20世紀に入ってからです。
フリース博物館 Fries Museum
移転・新築工事を経て、2013年9月にリニューアルオープン。サイトもリニューアル。アドレスは変わりません。
コレクション一覧リンクは別になっています。フリースラント・スタットハウダーたちのお抱え画家の作品が多いので、肖像画、風景画、静物画などでホラント州の他の有名博物館(国立やマウリッツハイスなど)と違った雰囲気を楽しめます。
新館内部の写真を見ると、総ガラス張りに近いモダンな建物で、中も白を基調にした展示室。40ftコンテナや古木がぼーんと置いてある部屋もあったりして、中も近代的です。
逆にこちらは旧フリース美術館の外観 。管理人が何度か行ったのもここです。数回拡張されているうちのいちばん古い建物が上の茶色の建物で、180年近く博物館として使われていたとか。その隣のグレーの建物や、地下で通りの向かいの別館ともつながっていて、行ったときはいつも工事をしていたイメージがあります。
旧フリース美術館の内部展示室はこのように、実際の展示物を使って17世紀当時の屋内を再現しているスタイルでした。
計量所 Waag
運河沿いの広場にぽつんと立っている計量所。1596-1598年と八十年戦争期間中に建設され、冒頭の地図にも中央下部に描き入れられています。今でもレーワルデンのランドマークのひとつ。
プリンセン庭園 Prinsentuin
1648年に整備された、フリースラント州総督ウィレム=フレデリクゆかりの庭園。半月堡につくられている、多分当時としてはめずらしいタイプです。冒頭の地図だと、上方に4つ見える半月堡のうち、左から2番めの箇所。(1649年刊の地図ではまだ描かれていなかったので、ちょっと後の時代のを載せました)。下記の画像は19世紀の庭園内の様子です。
アクセス
街の南側に鉄道駅があり、運河を渡ると博物館、城塞の外周が公園になっているなど、隣の州のフロニンゲンと似ていて、一回り小さな感じです。星型の堀の跡はレーワルデンのほうがきれいに残っています。
この記事が参加している募集
サポートいただいた費用は、おもに本館『金獅子亭』サーバ・ドメイン維持管理費用や、関連書籍の購入に充当いたします。