クレンボルフ Culemborg オランダ/ヘルデルラント ~癒し系伯爵親子のお膝元は、街の形もなんとなくのんびりとしたデザイン
※ 訪問記は2014年6月時点の情報です。八十年戦争に関わる場所を訪れています。一般的な旅行記ではありませんのでご注意ください。
ヘルデルラントのクレンボルフ伯領の街。ヘルデルラントには飛び地のような小さな貴族領地がたくさんありますが、ここもその一つでした。 「クレンボルフ伯」としての単独での称号は、ウィレム一世期のフロリス一世、そしてマウリッツとフレデリク=ヘンドリク期のフロリス二世親子二代だけのものです。その後ヴァルデック伯家に統合されています。現在クレンボルフ伯の称号はオランダ王家が所持しています。
クレンボルフ伯親子はカトリック信仰は保持しつつも、一貫して「反乱」と共和国に協力しつづけました。とくに息子のフロリス二世は国の内外で信望がありました。
クレンボルフ伯の紋章の色が金と赤、また、カトリックであることの強調もあってか、フロリス二世は赤い服を着ていることが多いです。なので、こういった集団騎馬図の中で人物特定がいちばん簡単です。
冒頭の17世紀中頃の地図を見ておわかりでしょうか。ハーグやデルフトなどホラント州の中心都市同様、辺境の街のように市壁を星型要塞化していません。それどころか城はほぼ丸裸で、仮に攻められたらひとたまりもなさそうです。
聖エリサベート孤児院博物館 Elisabeth Weeshuis
孤児院を改装した博物館。クレンボルフの歴史博物館的なものです。小さな街なので、クレンボルフ伯関係のものはだいたいここにあります。
図書館等とも建物を共有しているので、博物館に入りたい場合は、チケットを入口にかざして入ります。出るときは内側からボタンを押して出る仕組み。 2F/3Fは孤児院関係の展示。1Fがすべてクレンボルフの近世の歴史。1Fいちばん奥の部屋は、17世紀後半の貴族の食堂を模してつくられていて、手前の柵からあちらには行けません。また、クレンボルフ伯フロリス一世がカトリックだったこともあり、祭壇画などのカトリック関係のものも残っています。
ナッサウ=ヒルヒェンバッハ伯ウィレムの長女で、ヴァルデック伯フィリップ=ディートリヒと結婚してます。ヴァルデック伯ゲオルク=フリードリヒの兄嫁ですね。…て、ホントに誰得情報。こんな肖像たちの宝庫です。
コレクション一覧はヘルデルラント州のデータベースから。
クレンボルフ城址
冒頭の地図のいちばん右側に城が描かれていますが、現在はありません。なのでここまでは訪れませんでした。庭園として残っているだけです。
城本体のあった場所は庭園ですらない…。
これが17世紀の様子。
18世紀には壁部分のみを残した廃墟になっています。
アクセス
クレンボルフ駅から2km弱あってやや遠いです。バスもありますが本数がないので、散策しながら行くのが良いでしょうか。途中、取って付けたような風車があったりします。ここまで来ればもうすぐ。