見出し画像

ポツダム Potsdam ドイツ/ブランデンブルク ~フリードリヒ大王のサン=スーシ宮殿に、オランイェ家ゆかりの一角を訪ねる

※ 訪問記は2012年10月時点の情報です。

プロイセン国王フリードリヒ二世(大王)の建設したサン=スーシ宮殿で有名な街。オランイェ家と何の関係が…?と思うかもしれませんが、フリードリヒ二世の直系の曾祖母がルイーゼ=ヘンリエッテ・ファン・オランイェ、つまり、四代前の祖先がオランイェ公フレデリク=ヘンドリク、つまり五代前はオランイェ公ウィレム一世ということになります。 17世紀中頃までは小さな村でしたが、ブランデンブルク選帝侯フリードリヒ一世ヴィルヘルム(ルイーゼ=ヘンリエッテの夫、「大選帝侯」)の狩猟館が建てられて以降発展しました。

ポツダム中央駅にはベルリン中心部からSバーン(S7)で40-50分ほど、5-10分おきで本数は多めです。


サン=スーシ庭園

サン=スーシ庭園はフリードリヒ二世の建設したバロック宮殿と庭園。この公園を含む、ポツダム・ベルリン近郊の他のたくさんの宮殿や庭園を含めて世界遺産となっています。日本語表記だと「ポツダム・サンスーシ宮殿群と公園群」

サン=スーシ庭園まではポツダム中央駅からバスも複数路線出ていますが、かなりわかりにくいうえにぎゅうぎゅうに混むようなので、ポツダム中央駅から2駅先のポツダム・サンスーシ庭園駅で降りました。本数は多くないですが、ここからだと、裏口(サン=スーシ宮より新宮殿に近い側)まで徒歩ですぐです。庭園自体には、各所開いている入口から無料で入れます。

しかしホントに広いです。2km四方ほどありそう。そもそも宮殿なので、徒歩を想定していないんですね。上の見取り図から縮尺のイメージがわかるでしょうか?

とくに2012年秋は、サン=スーシ宮から新宮殿までの中央の直線の通り(1.7kmとの記載有)の大部分が工事中だったため、迂回路を経る必要がありました。オラーニエンロンデルのマウリッツとフレデリク=ヘンドリクの間から新宮殿を見た直線。近いように見えますが、間に工事区間を含み2km弱あります。

庭園内に飲食できる店はほとんどありません。庭園の外縁部にひとつあるらしい(そこまで今回行けていないのでわかりません)のと、新宮殿の前に仮設でテントが出ていましたが、この日は開いていませんでした。

オラーニエンロンデル

サン=スーシ宮のすぐ右に、「オラーニエンロンデル Oranienrondell」というロータリーぽい一角があり、そこに歴代オランイェ家関係者の胸像が並んでいます。円形に八体並べてあるので、どうしてもどこかが逆光になってしまいます。 制作年は1647年とされており、大選帝侯とルイーゼ=ヘンリエッテの結婚直後の制作となります。サン=スーシ宮殿ができる100年も前のことなので、プロイセン王家の別の場所で保管されていたものを、宮殿建設後ここに移したのでしょう。

大選帝侯フリードリヒ一世ヴィルヘルムとルイーゼ=ヘンリエッテ夫妻。

ルイーゼ=ヘンリエッテの両親オランイェ公フレデリク=ヘンドリクとアマーリア夫妻。

ルイーゼ=ヘンリエッテの兄ウィレム二世と英国王女メアリ夫妻。

ルイーゼ=ヘンリエッテの伯父フィリップス=ウィレムとマウリッツ。

不思議なことに、ルイーゼ=ヘンリエッテの祖父にあたるオランイェ公ウィレム(沈黙公)の代わりに、オランイェ公フィリップス=ウィレムの彫像があります。このような彫像は対に配置するのですが、ほかの3組が夫妻ペアになっているため、マウリッツと誰を組み合わせるか、ということで父ではなく兄になったのでしょう。


サン=スーシ宮殿

この公園群のメインの宮殿です。とにかく圧巻です。この動画と同じ年の同じ時期に行きました。

下からのあおりも良いですが、上にのぼってポツダムの街側を見る感じも良かったです。宮殿の裏側に回るとチケットとグッズを売っている場所があります。この写真ではちょうど写ってませんが、ポツダムはベルリン空港にも近く飛行機の通り道なので、天気が良いと飛行機雲が10本くらい出ています。

左下のじゃがいもが愛らしい(見出し画像とこの画像は管理人撮影 2012)

宮殿の向かって右手にはフリードリヒ大王のお墓もあります。ドイツ統一後にここに移されたとのことで、実に200年ぶりに遺言が成就したことになります。いつもじゃがいもと花がたくさん供えられているそうですが、管理人が行ったときはハート型のじゃがいもでした!

新宮殿(ノイエス・パレス)

特別展(下記)開催中でした。この宮殿もフリードリヒ大王が建設したものです。もともと小さくつくろうとしたサン=スーシ宮殿に比べて建物自体も大きく、裏手にも別宮殿があります。裏手の宮殿は2012年大規模な工事をしていました。

フリードリヒ二世のフルート演奏!

サン=スーシ宮殿の裏から風車に抜けるところで、プロイセン国王フリードリヒ二世(そっくりさん?)がフルートを演奏してました! 管理人たちが通りかかると曲を変えて「荒城の月」を吹きはじめるサービスっぷり。

お会いしたのはこちらのウィキメディアと同じ方かな…?日替わりで何人かいるのかもしれないです。写真を撮らせていただく際は、お声がけとチップを忘れずに。

生誕300周年 フリードリヒ大王(1712~1786)

特別展「フリーデリジコ(平和と危機)―フリードリヒ大王」(独語) Friederisiko

Adolph Menzel (1850-1852) フリードリヒ大王のフルートコンサート In Wikimedia Commons

2012年、300周年ということで新宮殿とサン=スーシ宮殿でおこなわれた特別展です。が、あまりにも混むため時間制になっていて、残念ながらいずれも宮殿内部までは時間の制約上見れませんでした。2つの宮殿をまとめて見られるコンビチケットのようなものはないので、それぞれ時間制で待つ必要がありました。新宮殿前には特設テントがつくられていて、チケットと特別グッズショップになっていました。グッズだけ少し購入しました。

いいなと思ったら応援しよう!

KOTOYO
サポートいただいた費用は、おもに本館『金獅子亭』サーバ・ドメイン維持管理費用や、関連書籍の購入に充当いたします。

この記事が参加している募集