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変な使命感と責任感の果てに

推定2年以上前に訪れた酒蔵のレジ前で見つけた小梅は、梅酒につけた後の残りだろうかシワシワ。説明が書かれていたけれど記憶は消えた。グラム数と賞味期限も忘れた。両手を合わせても余りある量で値段は1袋400円(税込)であった。

梅のエキスを出し切った感が漂う小梅を買ってどうするのか。賞味期限ギリギリまで冷凍して、どうしようもなくなって処分の道へと進む。

予言者でなくても高確率で読める。

わたしが使命感を燃やして買わなくても他のお客さんが買うかもしれないからお店は困らない。

でも買ってしまった。運命の赤い糸が見えぬまま。



さて、小梅ちゃんはどうなったのか。

賞味期限ギリギリまで冷凍した後、同じく半端もののクランベリーとともに洋酒(コアントロー?)に漬けた。さらに1年半後、ようやく瓶から姿を現した。ご無沙汰しております。

外観、味とも問題なし。長い間がんばったねー。
種を取り除いてザクザク刻んだ。結構な手作業で、酒の香りがなければ多分キレていた。
クランベリーはすでに使っていたため、代打でラムレーズンを呼んだ。小梅ちゃんをどうにかして使いたいから、久しぶりにフルーツケーキを焼いてみよう。

年内には買ってしまった責任をきっちり果たしたい。

バターに空気を入れながら混ぜます。
続いてきび砂糖→全卵の順に加え混ぜます。
アーモンドプードル、薄力粉、ベーキングパウダーin
梅の実(茶色の物体)、ラムレーズンin
全体を混ぜて生地完成
170℃で45分焼成


焼き上がり。ある種の感慨があった。
経験がないから想像の域だけど、タイムカプセルを○十年後に開けた時、あるいはビンに手紙を入れて海に流したら○十年後奇跡的に手元に戻った時の気分?時間経過がなせる技。

本件はほんの3年程度。スケールは小さいけどお帰りなさい。瓶は保管に邪魔にはならないが必要でもなかった。
小梅ちゃん、あなたはわたしの一人芝居使命感自作自演責任感のバロメーターなのだよ。



実は、また病的ものぐさが邪魔をしていた。

見た目の生地量はパウンド型1台以上2台未満。
パウンド型1台+手持ちの小さめパウンド型、
もしくは紙の型をいくつか出せば解決する。

しかし2つ目の型は出したくない。
材料を計量して生地を仕込む方が何倍も時間がかかるのに、なぜ1分以内でできる「型を選んでいくつか出す」簡単な作業を拒否するのだろう。洗い物が1つ増えるだけなのに。敷紙は切っているものがあるのに。わからない。

前前職にて、大きなボウルを使えばよいのに、わざわざ小さいボウルに食材を山ほど入れて不合理な動きをしていた調理師を思い出した。
なんとも人のことを指摘できない体たらくである。

cottaサイトよりお借りしました(参照)↓
このサイズを拒否して、



このサイズの型に流し入れて1台で焼いた↓
どうしても定数「1」で終わらせたい。



本当はパウンド型で焼きたかったのに、ものぐさに完敗した。

18×18cm角型 違う、これではない。
悔しいかな、2日後に食べるとおいしいではないか。




手元には1回分焼ける小梅ちゃんがある。
まだ買った責任は果たせていない。
どうせ焼くなら次回は別レシピで作りたい。
もちろんパウンド型1台で←まだ懲りていない。
生地量と型とものぐさと。

焼成中に生地がパウンド型からあふれてブチ切れる場面が浮かんでは消えてゆく。


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