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11【くらしヒアリング発表会_06】   キッチン百景~突撃!となりの調味料~(後編)

前半では、オレンジページメンバーズが持っている調味料について、全て並べた様子や、使用頻度の高い「一軍」調味料の画像などを紹介。その中で「めんつゆ・白だし」を重宝している人に注目してみると、調味料の所持数が少ない傾向にある、ということが見えてきました。

そこで後半では、「めんつゆ・白だし」を軸に、さらにその特徴を深掘りしていきます。


一軍にめんつゆ・白だしを挙げた人は     ほかにどんな調味料を持っている?

The Orangepage Inc. All rights resereved 2022
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一軍に「めんつゆ・白だし」を挙げた方々の「一軍調味料」の写真です。紫の丸はめんつゆ・白だしを指し、グレーの丸数字は調味料の総数を表しています。平均の所持数は38.9個と、全体平均の49.3個よりも少なめ。50個以下の人は13人でした。

また、一軍に「めんつゆ・白だし」を挙げた方々は、黄色い丸で囲んだ「焼き肉のたれ」や「調味酢」、「中華ペースト」「ポン酢しょうゆ」など、料理への汎用性が高く味が一発で決まるような調味料も、併せて持っている方が多いこともわかりました。

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さらに、一軍にめんつゆを挙げた方にインタビューを行ったところ、やはり調味料の数は少なく21個。ほぼ毎日、働いているため、晩ごはんは1時間程度で作ることが多いそうで、味が決まりやすいめんつゆや、中華ペーストを重宝されていることがわかりました。

めんつゆと中華ペーストは、何年も同じものをリピート購入されており、その理由は子供がよく食べてくれるから。滅多に他の商品を買うことは無いそうですが、それでも友人や職場の知り合いに、新しい調味料を教えてもらうのが参考になる、とおっしゃっていました。

一軍にめんつゆ・白だしを挙げなかった人の    調味料の特徴は?

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今度は逆に、一軍に「めんつゆ・白だし」を挙げなかった方々「一軍調味料」の写真を見ていきます。調味料の所持数は多く、全体平均の49.3個に対して、このグループの平均は59.3個。50個以上持っている方は15人中9人でした。

一軍に「めんつゆ・白だし」を挙げなかった方々は、いわゆる「さ・し・す・せ・そ」の基礎調味料の数が多め。さらに、玄米黒酢、小豆島のだししょうゆ、ブラックソルトのように、こだわりの調味料や、単価の高い調味料を持っている傾向が見て取れます。また、みそや、塩麴などを、手作りされている方も、多数いらっしゃいました。

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このグループにもインタビューを実施。Bさんは調味料の個数が81個でした。昔から食べることが好きで、アンテナショップで地方の調味料を購入するなど積極的。みそは手作りされています。

また、花椒をみそ汁に、クミンをご飯と炊くなど、探求心が非常に旺盛。ラー油マヨ、オイスターみそなど、味変を多用し、飽きない工夫をしつつ、食を堪能されています。

調味料が多い人、少ない人。         それぞれの傾向をまとめると。

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あらためて整理すると、調味料が「少ない」方は下記のような傾向に。
・一軍調味料に「めんつゆ、白だし」を挙げる方が多い
・「中華ペースト、焼き肉のたれ」等、味が決まる調味料の所持率が高い
・家族が好き、子どもが食べてくれる味のため、リピート買いが多い

このグループに、平日の晩ごはんの調理時間を聞いたところ、平均の44分に対して、40分と短め。調味料が少ない人は、味が決まる調味料を使い、短時間で調理する傾向にある、と言うことがわかりました。

逆に、調味料が「多い」方は下記のような傾向でした。
・一軍調味料に「基礎調味料」が多い
・調味料を手作りしたり、単価が高い調味料を選ぶ

平日の晩ごはんの調理時間54分と、平均よりも長め。調味料が多い人は、豊富な調味料を駆使して味を組み立てる傾向があり、時間をかけても、おいしいものができればOK、と考える人が多いことがわかりました。

それぞれ、どのようにアプローチすれば良い?

調味料の数が少ない人は、味が決まる調味料を求める傾向があることがわかりました。しかし定番が決まっていて、リピート買いが多いようなので、そこに食い込めるか、スイッチしてもらえるかどうかが、悩みどころです。

逆に、調味料の数が多い人は、味を組み立てる手間を厭わないので、新たな調味料を購入する可能性はありそう。ただ、食に積極的でハードルが高いので、どのような価値を提供すればいいのかが、悩ましいところです。

それぞれ、どのようにアプローチすれば良いのでしょうか?

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それらのヒントとして、調味料が少なく、一軍調味料に「めんつゆ、白だし」を挙げた方に、「今使っているめんつゆ、または白だしを、今後、別の銘柄/メーカーに変更するとしたら、どのようなきっかけが考えられますか?」と追加で聞いたところ、「別の商品のほうがおいしいと、友人、知人から教えられたら」と言う回答が多く上がりました。

インタビューしたAさんも、おっしゃっていましたが、一度、食べた感想には興味があり、近い人であればあるほど、説得力を増すようです。

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調味料の数が少ない人には、友人、知人の「おいしいね」というレコメンドをきっかけに、別の商品へのスイッチが期待できるのではないかと思われます。たとえば、一度食べてもらった人から、友人、知人へ、味の感想とともに商品を紹介してもらうような、数珠繋ぎで商品サンプリングなどを行うと、効果的だと考えられそうです。

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一方、こちらは調味料が多く、一軍調味料に「めんつゆ、白だし」を挙げなかった方に、「3種類以上持っている調味料を、さらに買い足す場合のマインド」や、「自分が持っていない調味料を購入する場合、どんなきっかけが考えられるか」ということを、追加でリサーチした結果です。

マインドとしては「新しいもの、未知の味だから試したい」「今持っているものと、食べ比べたい」と言う、食にアグレッシブで、食いしん坊な解答が目立ちました。また、さらに買い足すきっかけとしては、「作りたい料理の材料としてレシピに載っていれば、その調味料を買っても良い」と、答えた方が、多くいらっしゃいました。

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調味料の数が多い人は、新しいメニューに挑戦するタイミングで、さらに新しい「調味料」を購入する可能性が考えられます。「調味料の魅力が光る料理」を提案したり、「既存の調味料を、意外な組み合わせで使ったレシピ」を提案することが、さらなる購入のきっかけにつながりそうです。

このように、日頃使われている調味料を見てみると、ラインナップや重宝されている理由だけではなく、さまざまな暮らし方や、次につながるニーズが見えてきました。今後も、くらしに根付いたアプローチで、生活者の声を明らかにしていきますので、ご期待いただけますと幸いです。


オレンジページでは、さまざまなリサーチやデプスインタビューによる生活者のリアルなインサイト発掘、「兆し」の発見で、みなさまのマーケティング活動のお手伝いができればと考えております。ご興味がありましたら、下記までお問合せください。
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文)オレンジページくらしデザイン部