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謝らない技術
客商売の仕事をしているので、お客様に返信を返す必要がある。私は若手の頃はサポートセンターにいて電話を取っていて、かなり得をしている。技術的なことを、正確かつわかりやすく相手に伝えることは実は難しい。意味は合っていても相手に理解できるかは別だ。相手に伝わらなかった場合は、正しいことも誤りとなる。コミュニケーションの中でどんな表現をすれば相手に伝わりやすいか、についてはまた別の機会に話してみたい。
今回は、謝らない技術、と書いた。これには理由があって、若手が顧客対応をする時、とにかくへりくだろうとする。丁寧な言葉を並べようとする。悪くない努力なのだが、その結果よく謝る。申し訳ありませんだの、失礼しましただの、謝り放題謝りかねない。
「いやいや、もし顧客と万が一揉めて裁判にでもなったときに、謝った、という事実は不利になるから簡単に謝るのは違うよ。」とまずアドバイスをする。若手は「そうなのか、簡単に謝ったらダメか。」と解釈する。ここまではよくあるのだが、次のストーリーが厄介である。
何しろ、謝らない。完全に過失があるのに謝らない。
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