幼い自分を愛せるか
現代人の例に漏れず、私はYouTubeをよく見る。
好きなYouTuberさんも数多くいる。
その中のあるおひとりには、20歳近く歳の離れた弟さんがいて、弟さんは赤ちゃんのときからちょくちょく動画に登場していた。
お兄さんと弟さんは、当然と言えばそうだけれど面立ちがよく似ている。お兄さんが赤ちゃんのときもこんな感じだったんだろう、と想像に容易いくらい。
弟さんが笑顔でおもちゃを振ったり、手を叩いたり、名前を呼ばれて手を挙げたりする姿に、
お兄さんが、「かわいいねぇ〜」と眦を下げて嬉しそうにするたび。
ああ、この人は愛されて育ったんだなあと、感じる。
自分の面影を宿した小さな存在を愛おしく思えるなんて。
うらやましいとか驚きとかじゃなく、シンプルに、ああ、そうなんだなあ、と事実として感じる。
私は、もし目の前に自分によく似た子どもがいたら、目を逸らしたくなってしまうかもしれない。
いつか姪なんかができて、その子が自分に似ていたら、どう思うのだろうか。
そんなことを、その兄弟の姿を見るたび、ふっと思う。
なぜ、そう思うのだろうか。
私が恐れているものはなんだろうか。自分が嫌ってやまなかった頃の自分だろうか。それを思い出すことが嫌なのだろうか。
母親から言われた、「小さい頃の方がいい子だったのに……」という言葉を思い出すからだろうか。母親に怒鳴られるたび、顔を真っ赤にして泣いていた幼い自分を思い出すからだろうか。
母が思ういい子じゃなかった自分を思い出すからだろうか。
わからない。
深く掘ればいくらでも理由らしいものは見つかるけれど。
そういうことも置いといて、事実として、そのご兄弟のそんな姿を見るたび、「ああ、愛されて育ったのだなあ」と思う。
今はそれだけ。
それはそれとして、その方の動画はどれも面白いし、弟さんやわんちゃんが登場する動画はどれも見ていて癒されるし可愛い。
ゆる