「心療内科医が教える本当の休み方」著:鈴木祐介
毎日小説を書いたり、お腹を凹ませるためにエアロバイクでペダルを漕いだりしているせいで、仕事帰りの余暇が一瞬で過ぎてしまう。これはこれで充実感があっていいんだけど、「これって本当に心身は休めてるの……?」と不安になったので、読んでみた。
その疑問に対する解は、本書の終盤部分に記されていた。休み方は大きく分けて6通りあって、それぞれの人に合った休み方がある。その6つのチャンネルの頭文字を取って「BASIC Ph」と名付けられている。
・Belief(信念・価値):神に祈ったり、自分がなりたい姿を思い描く人
・Affect(感情・情動):泣いたり怒ったりして、感情を思い切り吐き出す人
・Social(社会的):気心の知れた、安心できる相手に相談する人
・Imagination(想像力):好きなアニメや音楽、ゲームなどに没頭する人
・Cognition(認知):ネットや人との会話などから情報を集め、具体的な解決方法を見出そうとする人
・Physiology(身体):お酒を飲んだり、美味しいものを食べたり、身体を使って発散させようとする人
ストレスを感じた時、どのチャンネルで発散することを好むか、どれを行った方が心身が休めたと感じるかを見つめ直して、自身に合ったチャンネルを確認すると、ストレスに対する対処が上手くなる。自分はI,C,Pかな。小説を書いてるし、本書を手に取ってるし、美味しいものを食べようとするからお腹がポッコリ出てきてるし……。
「BASIC Ph」に関する面白い示唆があった。自身が経験した出来事を理解する時、直接ではなくフィルターを通して理解しているそう。これは結構分かる。「この記事、僕は事実を知りたいだけなのに記者の主観強めでなんか嫌だなぁ」と感じる時はきっと、その記者が持つフィルターを通して文章が書かれ過ぎているせいなのだと思う。
この「フィルター」こそが「BASIC Ph」なのだと言う。人によってB寄りのフィルターを持っていたり、C,P混合のフィルターを持っていたりする。だから、一つの事実を色んな人に聞いたら、十人十色の説明が返ってくるなんてことが発生する。
つまり、フィルターを通して私たちは物事ひいては世界を理解している。言い換えると、フィルターは自分と世界を繋ぐ役割を担っていると言える。だから、強いストレスを受けて、人間不信に陥ったり、世界から隔絶されたように感じたら、そのフィルターという性質を持つ自身にあったチャンネルを使って、心身を休められれば、その絶望からの復帰が早い。そこまで大げさな話じゃなくても、ストレスに対する反応(実は2種類ある、というのも本書の本題である)を感じたら、どのチャンネルでその状態から脱するかを意識する。そういうことが書かれてあった。
他、面白いことが何個も書かれていたけど、ちょっと文字が多くなってきたので来週ちゃんと書こう。