遠近中近レンズを含む累進レンズの続き
先日遠近両用の度数の変化による見える視野の変化について簡単な説明をした所興味を持たれてる方が多くいらしたようなので続きと言うかおまけのお話です。
遠近、中近レンズと言うのは遠近は遠くを見えることを中心に手元の度数がおまけのようなもの、中近レンズは手元が中心となって遠方がおまけのようなものと言うお話をしました。
今現在は各レンズメーカーがいろいろな種類の累進レンズを出しているので一言では纏められないくらいの種類になっていることは事実。眼鏡屋ですらすべてのレンズを完全把握するのは難しいレベルになっているかもしれません。
ただ基本的な原理を抑えておけば大体対応できると思います。
そこで今回は累進帯と言うものに触れてみたいと思います。
この累進帯と言うのは遠くが見えるポイントから近くが見えるポイントまで度数が変化する部分です。
無段階で度数が変化してるのでこの部分で中間距離のピントを探す感じになります。
そしてこの累進帯と言うのはレンズ種類やメーカーによってさまざまな長さが用意されています。
私の知ってるものでは遠近で8mm~18mm、中近で15mm~23mm位ですかね。
勘のいい方はお気づきかも知れませんが遠近に比べて中近の方がこの累進帯長は長いです。
メーカーによって若干考え方が異なる部分はありますが、中近両用の場合はアイポイントと呼ばれる正面を向いたときに合わせる位置と言うのが中間距離の度数が入ります。遠くを見るための度数は更に上にあるのです。
それ故に遠近よりも一般的に「累進帯」については長い設定のものが多くなります。
さて遠近と中近を比較すると前回見て頂いたように作り方が違うのももちろんですが、今書いたように累進帯を長く作ることによって累進レンズの違和感を軽減し視野を広くできるような工夫の一つでもあります。
ここで重要なのは累進帯長を長く取れば違和感が軽減するという部分です。
この性質を利用と言うか応用をして考えると遠近両用でも累進帯長を変えることによって違和感が軽減する部分があるという事です。
眼鏡屋をやってると当たり前な部分ではありますが一般的な消費者の方はこの「累進帯長の長さ」に触れることは少ないのではないでしょうか?
しかし、この累進帯長の長さをむやみに長くしてしまうと当然近くを見るポイントが下に下がってしまうので一長一短の部分はありますが、
「今まで遠近を試したけど揺れ歪みが慣れずらかった」
「遠近はふわふわしちゃう」
などなど違和感軽減の手助けになるかもしれませんのでこの累進帯長が選べるものがあるという事は知っておいても損はないかと思います。
もちろん他にも揺れ歪みを軽減して視野を広く取るという事に対してはレンズスペックをアップするというのも重要な要素ではあります。
遠近づくりは「ここをやれば間違えない」という事はなく度数、設計とう様々側面を考慮していく必要があるので何よりも信頼のおける眼鏡店スタッフと十分に検討することが重要かと思います。