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自己紹介 l はじめてのnote

 自己紹介を手短にしておきましょう。関心の対象はパズルゲーム、小説、美術、映画、漫画、音楽、アニメーション(いわゆるジャパニメーションと呼ばれる領域よりも、ストップモーションや自主制作アニメの領域)あたりです。このうち適当に書けるものを選別して書いているので、実際のところ、このnoteはこれらを網羅するわけではありません。このジャンルの中ではパズルゲームについて最も数を割いておりますが、パズルゲームはここ一年程度のつきあいであり、小説や美術の方が(下手の横好きとはいえ)多くの体験の蓄積があります。書けるものについては相性があるため、私の場合はそれがパズルゲームであることが多い、ということでしょう。

 うすうす気づいている方もいらっしゃるとおり、これははじめてのnoteではありません。私はすでにいくつかの記事を書いております。このような活動をはじめたのは、突然マルセル・ブリヨンの「深更の途中下車地」について書きたくなり、思いつくままに書きなぐったのがきっかけです。結果としてお見せできるものにはならなかったために蔵の中にしまっておりますが、そこから「一夜」や“Alephant”などについて思いめぐらしたあれこれを、とりあえず生まれてしまったものは仕方ないと書き出し、書き出してしまったものは仕方がないとして発信することにしました(ちょうど信頼を置く友人のすすめがあった、ということも大きいです)。
 そういうわけで、私の諸々の感想文は自然発生的に生まれたものですから、私の自我を出すのは当の作品自体にも私の書いたテクストにも申し訳ないと思い、自己紹介はせずにおりました。
 しかしながらnoteに触れていると、元々人気があるものはともかく、私がどうしようもなく好きなマイナー作品の記事は読まれていない、ということが気になってしまいます。作品を受容した際、一個の人間として自分の中で発生するメカニズム以外は何も信じていないため、「〇〇史(文学でも映画でもゲームでも好きなものを当てはめてください)」を含む自らの外の作品受容というものは全くもって気にしたって仕方がないものだとは思っておりますが、これは少しもったいない。
 ならば読んでほしい記事を紹介するために、今まで行使してこなかった「はじめてのnote」という自己紹介の権利(などと言うのも変な気がしますが)を活用してしまおう、という目的で書かれたがこの記事となります。要するに、自己紹介にかこつけて手前味噌を並べようという魂胆です。

 最後にスタンスの話を少しだけ。創作物というものは畢竟技術の集積だと思っています。ですのでそれに対峙したとき、我々にできることは何が自分の内部で発生したのか仔細に検証し、そこから何の技術を盗めるのかを慎重に選別することです。私の記事はそういう考えのもとで成り立っておりますので、扱う内容は主に技術論に近い領域についてになるかと思います。技術論といっても、筆の持ち方や各種エフェクターのかけ方や制作環境の整え方というよりももう少し概念的な、アイデアのまとめ方のようなものとなりますが、それでも良いと思う方はぜひ見ていってください。


書いた記事の紹介

Steamオータムセールで買ったゲーム

 一番伸びている記事をまず紹介しておきます。基本的にはもう少し固い文章で感想記事を書いているのですが、思いついたままにこのような軽い紹介記事も書いています。言ってみればこれは玄関のようなものなので、気が向いたらもう少し奥まで上がっていってください。

一夜

 初めて公開した記事。夏目漱石の「一夜」の書き出しについて、その機能性を語ったものです。
 誰しもが名前を知っている文豪とはいえ、そもそもマイナー寄りな作品ではあると思うので、伸びるとはハナから思っていなかったのですが、閲覧数最下位なのはちょっと悲しいです。元々こうした「書く際にどのようなことを考えつつ描写を組み立てるか」という点は読者側からはあまり惹かれないということはあるのでしょう。

灰かぶり

 今日マチ子の「灰かぶり」をモデルとし、一人称複数という視点の異常さを最大限に活かすにはどうしたらよいか、ということを考えながら書いた記事です。こちらもマイナーなのでほとんど伸びていません。
 小説の人称について、しばしば二人称小説が特殊な人称の代名詞として語られている印象があるのですが、私からすると一人称複数のほうがよっぽどわけがわからないと思っています。気になったらぜひ『悪童日記』も読んでみてください。

病気になったトモコさん

 高野文子の傑作について、おそらくはあまり意識されていない漫画の文法の観点から語ったものです。思い立ってから形になるまで最短の時間でした。これもひとえに作品の持つ魅力によるものだと思っております。
 これは幸いにもそこそこ伸びていたりします。恥ずかしながら私は数年前まで高野文子の名前を知らずにいたのですが、こうも人気だったのだな、と己の無知を実感するのもなかなかに楽しいものです。

SquishCraft

 bcat112aの仕事を振り返りつつ、倉庫番におけるグリッドの概念の破壊について述べたものです。幸いにもこちらも伸びております。
 良くも悪くもビジュアル面の強烈さばかり取り上げられるゲームですが、もう少し違った側面から語ることはできないかと思い、このような記事を書きました。“SquishCraft”の記事というよりも、bcat112aの記事になってしまったのが少し心残りです。
 余談ですが、精神的続編とも言うべき“SliceCraft”ついても後に書きました。よければこちらもお読みください。

SPACE STORESHIP

 倉庫番と2Dパズルアクションのそれぞれの難しさと、その差異を共存させることについて書いた記事です。おそらくはその作りのコンパクトさ(ボリュームだけでなく、難易度やグラフィックの面も含む)からかあまり話題にはなっていないのですが、私としては非常に惹かれたゲームでした。
 このゲームの魅力には易しさ、短さが大きく貢献しているのは確かですが、それはそうとしてこのギミックが51ステージで終わるのはあまりに惜しい。願わくばいつか、自分でもこのようなギミックでステージを作ってみたいものです。

Alephant

 高難易度傑作パズルについて、コンセプトの側面から語ったものです。作者のLe Sloについてですが、私にこれほどの感動を覚えさせるパズルを作るのはこの世でも彼くらいのものだと思ってしまうような、それほど切れ味が鋭いパズルデザイナーです。いずれ彼のステージの端の使い方についてまとまった記事を書きたいと思っております。
 このような文をしたため始めてからまだ日が浅いうちに、熱に浮かされたような気持ちで書いたために甘い部分があり、読まれたいような読まれたくないような複雑な気分です。上に挙げた私の感想などどうでもいいので、ぜひ本編をプレイしてください。

 これで公開済みの記事の紹介は終わりです。最後にこれから書きたい記事を少しだけ紹介します。もし今後見かけたら読んでみてください。

これから書きたい記事

LOK Digital

 実は一度記事を公開しましたが、あまり的を射ていないと思い現在封印しています。大元の論自体を見直し、大幅に書き直して再度上げたいです。

Patrick's Parabox、Stephen's Sausage Roll

 名作パズル二種についてです。どちらも書くことは決まっておりますので、近いうちに書けたらいいなと思っています。

倉庫番の類型

 しばらく前から計画している記事です。我流で3つくらいに分類しているのですが、やはりこうした恣意的な分類というのはボーダーが曖昧で難しい。あとはそれぞれの類型についていくつか例を挙げるだけですが、そこでしばらく詰まっています。

パズルデザイナーに対する作家論のようなもの

 パズルゲームも人が考えている以上、文章における文体や絵画における画風のようなものがあります。SquishCraftの記事でbcat112aに触れたときのように、各パズルデザイナーに対してこういった論を展開してみたいと思っております。現在特に書きたいのはLucas Le Slo、Stephen Lavelle (Increpare Games)、Steven Miller、次点でJonathan Blow、Arvi Teikari (Henpuli)、Ethan Clark (EPICPIKAGUY)、Alan Hazelden (Draknek)あたりです。

リオ・ブラボー

 名作西部劇のワンシーンについてです。テーマは決まっていますが、まだ書いておりません。詳細は控えておきますので、目にしたときには内容を楽しみに読んでみてください。

Heck、SKINAMARINK

 Kyle Edward Ball (Bitesized Nightmares)の数年来のファンなので、来月の“SKINAMARINK”の日本公開は非常に楽しみです。一応“Heck”についてはすでに書いてありますので、思い直したりしなければ今月中に上がると思います。

 以上です。よろしくお願いします。

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