【番外編】開業と本業と副業ってどう区別してますか?②-きりん。の回答編-
お久しぶりのきりん。です。
前回UPしてから、28日間が経過しているわけだが、「この間何をしてたの?毎週更新違った?」と言われても致し方ないところ。
答えはなぜか。
前回皆様にお尋ねした問い。
『最近開業と副業という言葉の使い分けがよくなされるが、では、いったい心理職の副業ってどのようなことをさすのだろう?』
改めて人に問うてみて、自分はどうなのかという答えが、一度書きあがった原稿を読んだ時、何かが違うなと感じたためだ。
そこで、基本に返って言葉の意味を調べてみた。
本業とは「本来の職業。本職。」
これに対する対義語が副業。副業とは「本業の傍らにする職。」
類語でサイドビジネス、サイドワーク。
関連語で「腰掛け」とある。
この腰掛けの意味をさらにひいてみた。
腰掛けとは「本来の希望を達するまでの間、一時ある職や地位に身を置くこと。」とある。
そもそも私自身が使っている副業のことばの使い方として、腰掛けの要素が入っているかというと、実は入っていなかったことに気づく。
そもそも私自身の中で、あんまり本業と副業に意識の差がないためだ。
賛否両論あるのは理解した上で、批判を恐れずに正直に書くと、
私の場合、本業は「心理臨床業務」としてとらえている。
その中には前述したように、
・カウンセリング
・アセスメント:検査等
・コンサルテーション:多職種連携
・SV:後進育成
・心理教育:知識の普及:講演・研修
・調査研究
のすべてが含まれている。
心理学を教える講師業は私にとっては心理教育領域の仕事であるし、今やっているライティング業務は心理学のテキストを書くことに端を発している。
つまり、私にとっては心理臨床業務の派生にしか過ぎず、本業の傍らではなく、本業の中にある行為に他ならない。
そうした場合に、副業とは言えないのだなと改めて感じたのである。
そこで、改めて自身の本棚を探ってみた。
ことばの定義がそもそも副業の持つそれと異なっているのであれば、副業ではなく何なのか。
答えは偉大な経営学者の本の中にあった。
ピーター・ドラッカーの提唱した「パラレルキャリア」。
私が皆さんにお伝えしたい考え方は、おそらくこちらなのだ。
日本語訳すると
「複業」。複業とは複数の本業を持つこと。副業のような片手間仕事としてではなく、生業として別の業種を二つ以上兼務すること(goo国語辞典より引用)を指す。
私にとって、ライティング業とカウンセリング業は心理臨床という軸の中で分かれていないので、実際には趣は少し異なるのだが、「生業として兼務する」ということに異論はない。
副業として扱うと、それそのものに責任性がない感じがするだろうし、本業から目を背けている、いわば現実逃避としての側面を感じる人も多くないだろう。
しかし、パラレルキャリアとは、本業、否、もともと始めた仕事があるからこその広がりとしてその先に創造された可能性だと思うのだ。
心理職でいうところの副業とは、「そえもの」としてのそれではなく、「生業」として、自身の技術の責任性を持ったそれとしての二つ目の柱に過ぎないのではないか。
そういう意味で、パラレルキャリアの考え方が近いように思われる。
ドラッカーはこれからの未来に必要とされる人材について『自分に責任を持ち、特定の組織に依存しない人たちだ。そして、自分のキャリアは自分で決める人たちだ』と述べている。
心理職は非常勤職も多く、不安定な業界である。
だからこそ、独立心と自己決定力が必要な仕事でもある。
不遇の時代を超え、心理業界が黎明期から脱却した今、まさにドラッカーのいうパラレルキャリアとしての心理職の働き方が隆盛をほこっているように感じる。
その中で、開業をするにあたって、本当にその自身の業が副業なのか。生業としてのそれなのか。
そこを問うことは意義深いのではないだろうか。
【あとがきにかえて】
このnoteを書き上げるまでの28日間はとても苦しかった。
毎週書くと言って何週にもわたってnoteをあげられない自分を情けなく思ったし、いい加減なやつだなと自身を責めた。ただ、このnoteを書くことに決めたのは生半可な覚悟で始めたわけではない。自身の言葉を表に出す怖さを乗り越えた覚悟のうえで始めたことだ。
こう書くと、「え、そこまで?」と笑われてしまうかもしれないが、きりんは草食動物なので臆病な生き物だ。
でも、自身のスピードを大切に生きている。私がアカウント名に選んだきりん。という生き物のように、時にそのスピードが世間のそれとは異なるかもしれないが、自身の軸にまっすぐでいたいと思っている。そしてこの場はその体現として大事にしていきたいと考えている。
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