LAメトロ、開発用地を確保し住宅危機の緩和を目指す
交通機関、2031年までに1万戸の住宅建設を計画
ロサンゼルスの公共交通機関であるLAメトロは、広大な不動産ポートフォリオの一部を活用し、郡の手頃な価格の住宅危機を緩和する取り組みを進めている。
ロサンゼルス郡都市交通局（LA Metro）は、公共交通機関の駅近くにアパートを建設するため、20の新たな再開発用地を特定した。
この機関は2021年に共同開発プログラムを開始し、2031年までに1万戸の住宅建設を目指している。そのうち5000戸は所得制限付き住宅となる。
これまでに様々な用途を持つ開発プロジェクトのための開発者を確保しており、過去1年間だけでも140戸の手頃な価格の住宅を完成させた。
「地域社会は、多様な住宅選択肢、雇用機会、サービスが、高速かつ頻繁に運行される交通路の近くにあることでより強くなる」と、LA MetroのCEOであるステファニー・ウィギンズ氏は声明で述べた。「我々は、LA郡の住宅不足を緩和し、この地域をより手頃な価格で、活気があり、持続可能な場所にするために尽力している。」
新たな開発用地と州の住宅計画
開発予定の20か所の物件には、182戸・45,000平方フィートの住宅が建設可能なピクルワークス（1001 E 1st St.）や、842戸・250,000平方フィートの住宅建設が可能なユニバーサル・シティ／スタジオ・シティ駅の用地が含まれる。その他の開発予定地としては、センチュリーシティ、コンプトン、エルセグンド、グレンドラ、イングルウッド、ラヴァーン、ポモナなどが挙げられる。
ロサンゼルスは、カリフォルニア州の要請により2029年までに45万戸の新規住宅を建設する必要がある。そのうち半数は、地域の中央値所得の30～60%を稼ぐ個人向けの手頃な賃貸住宅として確保される予定である。この取り組みは、住宅供給を増やし、コスト負担を軽減するための州全体の施策の一環である。
住宅密度の向上
LA Metroの最新の共同開発プロジェクトは「Los Lirios」と呼ばれ、東ロサンゼルス・コミュニティ・コープ（East Los Angeles Community Corp.）とBRIDGE Housing Corp.が手掛けた。このプロジェクトは、ボイルハイツ地区の111-121 S Soto St.に位置し、Metroの駅に隣接するLA Metro所有地に2024年11月に開発された。
この5階建てのアパートは、64戸の所得制限付き住宅を提供し、2,400平方フィートの商業スペースを有する。元々この0.7エーカーの敷地は、隣接するMetro駅の建設支援用地として使用されていたが、ウィギンズ氏によると、これはLA Metroが今後も進めていきたいと考えている開発の一例であるという。
現在、2600戸の住宅が建設中または完成しており、さらに2000戸以上の住宅が承認されている。
承認済みプロジェクトの一例としては、ウエストレイク／マッカーサーパークMetro駅近くに計画されている「Centro Westlake」がある。この開発計画では、668戸の住宅に加え、100室のホテル、オフィス、商業スペースが含まれる。
プログラムで建設される住宅は、地域の所得水準と市場賃貸料を基準に家賃が設定される予定であると、LA Metroの交通志向型コミュニティの幹部であるニック・サポナラ氏は述べている。
公共交通機関の未利用地を活用した住宅開発
これらの開発用地は、主に交通プロジェクトの建設後に余った土地であり、広大なMetro交通網の玄関口として機能する。この交通網は、鉄道サービス109マイル、107の駅、119のバス路線、1447平方マイルのエリアをカバーしている。
LA Metroは、未利用地の開発を促進する他の公共交通機関と足並みをそろえている。たとえば、サンフランシスコのBART（ベイエリア高速鉄道）は、地方自治体および住宅開発業者と協力し、近年1250戸以上の住宅を開発している。
また、カリフォルニア州住宅・地域開発局（California Department of Housing and Community Development）は、「交通駅から0.25マイル以内の高密度住宅開発」に資金を提供している。