市民オペラに参加するということ 23
2月26日土曜日。相変わらず練習に出かけるのは億劫だが、外に出てみるとこの日は暖かく、光も強くなっているので、春が近づいて来たな、と感じる。この日は今年初めて、代表者による指導となった。発声練習が終わると、まずスプリングコンサートでやる「愛の妙薬」の冒頭部分を練習する。先週やったところなのでほとんど問題なく歌える。しかし暗譜となると不安が残る。一度試しにそらで歌ってみるとよいのかもしれない。そして練習の時も、歌詞を覚えるつもりで臨んだほうがよいのだろう。練習前半は、そこをやっただけで終わって休憩に入る。隣に座っていた人はもう暗譜していたようなので、休憩中、もう覚えたのかと尋ねてみた。そしたら前に入っていた合唱団では暗譜が当たり前だったので、曲は全て覚えることにしてるのだと言う。そうは言っても自助努力しないと覚えられないのではないかと尋ねたら、自宅で練習している、とのことなので恐れ入る。しかもその人は声もとてもよい。よい刺激になる。
後半は、スプリングコンサートでやるいつものラインナップを練習する。さすがに私も楽譜を見ながらなら、全ての曲を歌えるようになっているが、ただ暗譜となるとかなり不安が残る。私も自習が必要かもしれない。「カルメン」のハバネラで、レッジェーロ(スタッカート)で歌うところをレガートで歌う人が多く気になっていたが、そこは指導者がレッジェーロにするよう指示したので安心した。その他の曲についても、細かい注意を受ける。
今日の練習はスプリングコンサート対策では終わらず、「愛の妙薬」に戻ってスプリングコンサートではやらない、後半の女声合唱の練習に入ったのには恐れ入った。久しぶりの練習で代表者も張り切っていたのかもしれない。以前やったことのない箇所をやるのか、と戦々恐々としたが、一度私もやったことがあった箇所であるらしく、何となく覚えている。だからなんとなくは歌える。音楽というのは一度やっておけばある程度は覚えているものであるらしい。が、なんとなく歌える、から完全に歌える、さらに暗譜もする、というところには大きな隔たりがあるのだ。
練習帰り、ちょっと前まではまだ暗かったのに、この日はまだ少し日の光が残っていて、だいぶ日が伸びたな、と思った。寒かった今年の冬もそろそろ終わりだ。