市民オペラに参加するということ 24
3月5日土曜日。この日はまず翌週のスプリングコンサートに向けてPCR検査を行う。1週間前に陰性でも安全とは言い切れないと思うが、念のため、ということなのだろう。1人あたり3分間、キットに唾液を吸わせるので、みんながやるには意外に時間がかかる。
この日は割合広い練習会場が用意されていた。本番の並び順で並びながらの練習になる。オペラの中の曲なのだから、ちょっとした演技をつけながら歌うように、ということだったが、突然言われてもそう簡単ではないし、まずもって歌にもまだ不安が残る。一応暗譜を想定して練習するものの、そうすると歌詞を間違えたりするし、ましてや強弱記号なんかは記憶の彼方だ。
「オレンジの花の香り」と「カルメン」はなんとか楽譜なしでもいけそうだが、「乾杯の歌」の歌詞はまだ怪しい。でもこれもあと少し頑張れば楽譜は外せるかもしれない。「愛の妙薬」のコンサートでやる部分は、冒頭さえ覚えれば、あとは繰り返しの歌詞が多いので、曲が一番長い割に、暗譜できるかもしれない。ただ、この曲については、強弱までちゃんと付けるつもりなら、楽譜を見た方が無難だ。「ナブッコ」はイタリア語なので、暗譜は諦めることにする。本番まであと一回、来週の練習があるので、なんとか暗譜を間に合わせることができるだろうか。ちなみに周りの人もまだ楽譜を持っている人が多い。最近は練習を休まず毎週声を出しているので、声は結構出るようになっている。
休憩前には衣装チェックがある。来週の本番で着る衣装を体に当てて、色のバランスを見るのだ。今回は春なので、パステルカラーのロングドレスという指定だった。私は前回合唱祭の際、手持ちのドレスがなく借りたので、今回までに、手持ちのドレスを直して着られるように準備した。しかし色は赤で、パステルカラーではなかったため、抑えで前回借りた水色のドレスを借りる手筈も整えていた。みんなそこまでやるか、と言いたくなるくらい、見事にパステルカラーのドレスを持ってきていたので、パステルカラーでない私の赤は目立ちすぎて却下だろうと思っていたら、隣りの人のドレスが水色だったので、私は自前の赤を着ることになった。面白いものだ。さて、いよいよ来週末がスプリングコンサートの本番だ。暗譜のことも含めて、一体どうなることだろう。