市民オペラに参加するということ 19
まん延防止等重点措置が適用されることになり、1月最終週の欅の会の練習は中止にする、という連絡が来た。毎週末拘束されるのは嫌だと私は言っていたくせに、いざ練習ができないとなると、とても残念に思った。なんだかんだ言っても、歌うのはとても楽しくもあったのだ。
休み中は自習するように、と書いてあったのだが、自習なんかするわけないよ、と思った。少なくとも私はやらないだろう。ところが、休みが2週目に入ると、私は物足りなくなって、まず簡単に発声練習して、その後スプリングコンサートでやる曲をひととおり歌ってみたのだった。人間わからないものである。
さらに、2月11日には、新国立劇場へ「愛の妙薬」を見にさえ行ったのだった。オペラをやっているくせに、私はオペラをときどき見ることはあっても、日常的に見ているわけではなく、新国立劇場でオペラを見るのは初めてだった。新国立劇場じゃないならどこでオペラを見るのだ、という話なので、いかにモグリかがよくわかる。
友人がチケットを取ってくれたのだが、日常的にオペラを見ている友人は、いつもいちばん安い席を買うという。私だったら高い席を買ってしまいそうなので、そういうのも参考になる。日常的に見るなら、音響のいいホールでならなおのこと、安い席で回数見たほうがいいかもしれない。ちなみにその友人は、オペラだけではなく、オケの演奏会もよく行っている。
ちなみに私は旅行好きで、最近は感染症禍なので少し事情が変わってしまったが、高いところにも泊まるが安いツアーにも参加する。旅行は回数もこなしたいタイプだ。それとちょっと似ているのかもしれないなと思った。
私の席は3階のいちばん後ろ、端の席だった。それにもかかわらず、舞台が見えにくいということは一切なく、まずそのことに驚いた。ちょっと舞台に向かって席が右のほうだなあ、という程度の視界だ。確かにオーケストラピットはよく見えないが、オケピはどんな場合でもよくは見えないのだ(1階席の方がオケピは見えないだろう)。むしろ幕が開いたら、3階からだと舞台の奥までよく見えて、とてもよかった。舞台から遠い席だから、と思い、この日は普段ほぼ忘れるオペラグラスさえ持って行ったから、場ミリ(舞台上の大道具などを置く場所の目印)用のテープさえ見えて新鮮だった。