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#1 CEO Toyoに聞く、オープンルームの取り組み

こんにちは!
オープンルームでインターンシップ中のCaseyです。

こちらの記事では、ビジネス経験ゼロのモデルの僕が、スタートアップ界隈で難関と言われる不動産業界のDXに挑む、グローバルベンチャー企業で働きながら、不動産業界、DX、そしてSaaSビジネスについて学び、オープンルームの取り組みについて発信しています。

第1回として、まずは創業CEOのToyoさんに日本の不動産業界やDXの現状、そしてオープンルームとしてどのようなアプローチをしているのか伺いました!



“挑む相手は不動産業界のKFC!よりオープンな選択肢を提供する”

Zoomでのインタビューに応える創業CEOのToyo(画面左)

C: そもそも日本の不動産業界ってどれくらいの規模なんでしょう?とても大きそうですが。

T: その通り。不動産業界全体の市場規模は大きくて、年間約40〜50兆円とも言われてるよ。

C: 40兆円、、、金額が凄すぎてあまりピンと来ないです。。オープンルームは、そんな巨大市場を狙ってるんですか?

T: いやいや、うちはもっと小さいよ。一言で不動産業と言っても広くて、色んな業種がある。うちのターゲットは、そのうち約4兆円程度を占める不動産仲介業を対象にした情報サービス市場だね。俗にいう、不動産テック。うちは、独自にザッと2,000〜3,000億円の市場規模と試算してるよ

C: いや、十分デカいですよ(笑)不動産業界の構図はどんな感じなんですか?

T: 市場におけるプレーヤーは、全国に約12.5万いる不動産仲介会社(宅地建物取引業者)なんだけど、大手と呼ばれるのは数十社のみで、およそ9割以上が10名以下のSMBと言われる中小事業者が占めてるんだよね。オープンルームでは、そんな不動産SMBでも気軽に使えて、すぐに導入できるITサービスの提供を主なミッションにしてるよ。

C: なるほど。それだけSMBの割合が大きいということは、業界のDXもあまり進んでいないんですか?​​

T: まさしく。これまではずっと事業者側も不動産業界だけはDXは無理だと思ってたんだよね。なぜなら業界自体が紙・ファックス・コピー機を主体に業務を行なってきたからね。それぞれの頭文字を取って、僕はこれを勝手に不動産業界のKFCって呼んでるんだけど(笑)でもそこにコロナの風がやってきて、大きな変革の必要性は、ここ2年くらいでとても強まってきたね。

C: 不動産業界のKFC(笑)では、オープンルームはどういう風にDXを進めていくんですか?

T: さっきも少し触れたけど、うちのミッションは、選択肢の提供にある。まずは何よりも不動産事業者側がDXに対応できるようなプラットフォームだったり、ツールが必要だと考えてる。そこでオープンルームは、不動産流通(仲介)に特化した独自のSaaS(Software as a Service)プロダクトを展開してる。



“コロナ禍で創り上げた、不動産B2Cプラットフォーム”

C: 具体的には、どんなサービスなんですか?

T: 簡単にいうと、不動産の営業担当とお客さんの距離を縮めるサービスだね。これまで仲介営業に掛かっていた業務工数を約10倍効率化して、お客さんとのコミュニケーションをより円滑にすることで成約率をアップさせることができるよ。
AIやOCRなどの特殊なIT技術を介在させることによって、今まで属人的に行われてきた「帯替え」などの非効率な業務を自動化させられるだけでなく、クラウドでの物件情報のやり取りによってデータを可視化してリアルタイムで追客や営業が出来る

C: 帯替えというのはなんですか?

T: 不動産屋さんで物件を見せてもらうときの紙があるでしょ?物件概要書って言うんだけど。下のあたりに不動産屋さんの情報がまとまって入ってるところが、帯と言われる部分。仕入れてきた物件で帯が他社のもののままだと、お客さんが間違えて他社に連絡しちゃうことがあるから、帯替えは不動産仲介で必須の業務なんだよね。

C: 自動帯替えということは、今まで手動で行われていたんですか?!

T: そうそう。PCにある物件データファイルをプリントアウトして、上から自社帯を乗せて、改めてスキャンして、お客さんに送る。それを物件一つひとつにやるってことが普通に行われてきたんだよ。

C: 思っていた以上にアナログですね。。どうやってその機能までたどり着いたんですか?

T: 僕自身、宅建業での起業経験が3年ほどあるんだけど、その中で業界がいかにアナログかを思い知ったよ。もともとサービスの原型は、OCRで物件情報のデータベースを作るってものだったんだけど、それだと大手にニーズはあっても、中小企業には必要なかったんだよね。やっぱり業界全体を変えるためには中小業者さんの日常の業務に関連したものじゃないといけないと考えて、たどり着いたのが帯替えだった。

C: 小さなところのニーズも逃さないことで、良いサービスが生まれてくるんですね。

T: 最初は、toBの目の前にある本当に小さな業務課題を解決するソフトウェアだったものが、今は不動産会社とお客さんがこのサービス上で繋がって、インタラクティブに住まい探しのやり取りができる、B2Cコミュニケーションプラットフォームにまで生まれ変われたと思ってる。
もし「このコロナ渦をオープンルーム社ではどんな風に過ごしましたか?」って質問があったら、「ひたすらプロダクトを作り続けてました」って答えるね(笑)



“顧客の確かな満足を得て、新たな不動産業務インフラへ”

C: ここまでサービスを作ってきて、一番大切にしてることは何ですか?

T: やっぱり顧客満足度かな。そのベースには、サービスは「売れる」ことが目的じゃなくて、「使われる」ことが目的という信念がある。不動産業界には、これまで数多くのサービスや商品があったけど、どれも高額で使いにくく、お客さん目線で作られてきたものが少ないように感じている。サービスは、実際にユーザー様が使ってご満足頂けて、初めて価値があるからね。
先日、とあるユーザー様からこんな問い合わせがあったよ。「クラウド物件提案を使ってお客さんにマップ付きで物件を紹介したら、そのお客さんから後日『気に入った物件はなかったけど、すごく見やすくて、助かりました。ありがとうございます』っていうご連絡をもらった。不動産仲介を20年やってるけど、物件紹介してお客さんから感謝の言葉を貰ったのは初めてだったよ」ってね。

C: 素敵なエピソードですね。作ってる側からしてもその甲斐があるような。今の話とも繋がりますが、オープンルームとしてサービスはどんな人に使ってもらいたいですか?

T: 不動産DXなんて自分には関係ないとか、ITは苦手だから無理だと言ってる事業者さんかな。僕らがプロダクト開発をする上で大切にしてるのが、どんな優れたアイディアやサービスでも、どんなに小さな街場の不動産屋さんにも届けるために作るということだから。そうでなければ、本当の不動産DXは実現しないと思う。そこにはサービスの使い易さや手軽さが必要だと思ってるよ。

C: 今のサービス以外にも、新しい事業の展開も視野にあるんですか?

T: 今後も違うサービスだったり、プロダクトを広げるつもりはもちろんある。なぜなら、オープンルームは、「不動産流通における選択肢の提供」をミッションに掲げていて、最終的には、不動産の業務インフラになるのが目標だからね。それを成し遂げるために、そこに関連するサービス、求められる事なら何でも提供していくというのがオープンルームのスタンスだよ。

C: 不動産における業務インフラ、、、とてもかっこいいです!



“サービス名「Forest」に込められた思い”

C: 「フォレスト」というサービス名にはどんな思いが込められているんですか?なんか、不動産系のサービスにはあまり馴染まないような気もするんですが。

T: もともとは、紙で取り扱われることが多い不動産情報をデータ資産に変えていくとの想いから、「紙の山からデータの森(Forest)へ」という意味でのネーミングだけど、その裏側には、オープンルームが大切にしている「持続可能性(サステナビリティ)」の先にある、自然環境保護への思いも込めてる。なぜなら、うちのサービスを使うことによって本来なら紙によるお客さんへの物件紹介もデジタルで出来るからね。紙の使用量を劇的に減らすことによって、次世代への環境コストの軽減に繋げられたらと願ってるよ。

C: 確かに、10万を超える不動産会社が日々印刷してたら物凄い量になりそうですね。

T: 日本新聞折込広告業協会が公表してるデータによると、不動産業界での紙の消費量は、新聞の折り込みチラシだけで年間300億枚以上になるという試算もあるぐらいだからね。

C: 300億枚ですか!?これまた数が大き過ぎて実感が湧かないですね。。

T: 仮にチラシ1枚がA4サイズだとすると、15トンにもなって、これを樹木ベースに換算すると365万本分に相当するね。つまり、ざっと1日あたり1万本分の樹木を消費するって計算になるね。

C: 1日1万本!紙に依存した事業だと、やはり環境負荷がとてつもないんですね。

T: これは、不動産業界に限らず、紙への依存度が高い産業の共通する大きな課題だから、社会全体で向き合わないといけないミッションだね。Forestを使うことは、業務の効率化だけじゃなくて、ペーパーレス化によって膨大な紙の消費を減らすことができ、企業側にとっては大きな印刷コストの削減にも繋がるしね。

C: 素敵なミッションですね。
Toyoさん、どうもありがとうございました!



さて、今回は不動産業界が抱える問題やDXの現状、そしてその課題にオープンルームがどのようにアプローチしているのかをお届けしました!
「不動産の業務インフラになる」という目標がとても印象的でしたが、ただ効率化を求めるだけでなく、次世代への環境負荷を減らすという取り組みが非常に魅力的でした。
皆さんはオープンルームの取り組みについてどう感じたでしょうか?
今後も様々な角度からオープンルームのこと、業界や広くビジネスのことについて学びながら発信していくので、どうぞ楽しみにしていてください!

Casey

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