「ネオニッポン」 笑話 その8
ネオニッポン
男:お~い!見てってくんなせい、こちら和田アキコの燻製だよ、この長い夏を乗り切る究極の滋養強壮剤だよ!
ガキ:うそだい!それ和田アキコじゃねぇやい!
男:ガキ!すっこんでろ!商売の邪魔すんじゃねぇや!
ガキ:みんな見てみな!この和田アキコ、ちんこがついてるぞ!騙そうったってそうはいくかい!どうせ和田アキコに似た物まねタレントだろ?
男:と…うるせぇなぁ…やってらんねぇや!早じまいだ!にげたんじゃねぇからな!
ドス
ドスンッドスン(地響きとともに)
貴婦人:あら、そちらのイカした燻製、おいくらかしら?
街:あ、…Bloody婦人だ。(ザワザワ)
男:や、これはこれはBloody婦人様じゃないですかい、お目が高い。なかなか入手できない貴重な和田アキコでして、300ポコチンでどうでしょうか
ガキ:騙されてやんの、ケッ!
男:へぇ、300ポコチンがあれでしたら250ポコチンでもようござんすが…
貴婦人:変ねぇ、あなた、何か汗をかいているようね、それはどうして?
男:無理もねぇ、ことです、かの有名なBloody婦人を目の前にして、緊張しねぇやつはモグリですから…
(モゴモゴと動きだす燻製)
燻製:ハヒフヘ…ホ~…
男:ほ、ほらね、正真正銘和田アキコでしょ、
貴婦人:じゃ、いただこうかしら、テークアウトで
はい、250ポコチン
(モゴモゴと動きだす燻製)
燻製:ヴぉお~
男:確かに、おありがとうございます。いまお包みしますんで
燻製:ヴぉお~
貴婦人:つまようじもちょうだいな
男:へぇ
貴婦人:や、やっぱり今食べちゃうわ
~~巨大な手が燻製を一気につまみ、クロワッサンをほうばるように和田アキコの物まねタレントの頭をちぎって食べる、残りの和田アキコの物まねタレントはこれまた巨大な手提げカバンに後で食べるように丸められて、カバン奥のポケットに放り込まれた。~~
男:毎度ありがとうごぜいます~
ガキ:bloody婦人にとっちゃ和田アキコなんて腹の足しにもならねぇのにな…ちぇ
男:bloody婦人もだが、ああいうてあいは身体に対しておつむがちっせいんだよ、待ちきれなくて食べちまっただろ?あのずうたいの婦人たちに何体の和田アキコを売ったことか、
ガキ:そうだよね、でっかい手提げバッグに何体もの食いかけの“和田アキコ”がはいってんのおいら見たことあるよ
男:ガキ、おまえも大人になったらわかる、ああいうてあいは気をつけろよ、変なNGワード持ってたりするからな、キレたら、蚊みたいにピシャンよ、
ガキ:わ、わかったよ、でもなんでbloody婦人はじめあのてあいは、和田アキコにこだわるの?
男:霊長類最強と言われた巨大女性シンガーだからだろうな、ま、昔、プロ野球の始球式で投げたら手がバックネットにひっかかったそうだ。あと、スポーツカーのポルシェを背負ってテレビ局に来たとか…
ガキ:す、すごいね、
男:すごいよな…あのてあいはおつむが弱いんで正直助かってる。和田アキコを燻製にしたら縮むだろ?それでまんまと騙して売れてるってわけさ。
本物なら燻製にしたって東京ドーム20個分はあるよ…
ガキ:そんなにも…
…っという夢を見た、王様は退屈で、いまは五月。
――「ネオニッポン」完――