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ケイタイ小説

チアキ:待って…

ゆうすけ:なんだよ

チアキ:風吹いてない?イマ?

ゆうすけ:…泣かせんじゃねぇよ!

チアキ:地下鉄って地下なのに風吹くんだね…

ゆうすけ:い、バカやろ、こいつぅ

~~チアキはアパレルの専門学校に行く事にした
すべては風の吹き具合だから~~

ゆうすけ:俺から離れんじゃねぇぞ

チアキ:痛い!

ゆうすけ:あ、わりぃ…

チアキ:本当に痛い!

ゆうすけ:ごめんなさい

チアキ:痛いな、もう…ガサツ…

~~痛みがあるのは生きてるから、痛みがなければ死んでいる、そう思えば、ゆうすけがなおさら、イタイと思えるようになるのである

チアキ:つくしんぼだ、春だね

ゆうすけ:あるね

チアキ:つくしんぼとっていい?

ゆうすけ:いいよ

チアキ:なんかそっけないね?

ゆうすけ:いいよってのは間に合ってますってこと

チアキ:つくしんぼ嫌いなの?ゆうすけのバカ!死んじゃえ!

ゆうすけ:ん…あぁ

~~ゆうすけにはつくしんぼに悪い思い出があった、我慢できなかった、耐えれなかった

チアキ:死んじゃえ!って言ったこと、ごめん

ゆうすけ:ん…あぁ

チアキ:なんなの…そのノリ…さっきから…ダルいんだけど?なんなの?

ゆうすけ:つくしんぼ嫌いなんだよ

チアキ:わかった、わかった、トラウマなんだ!ゆうすけって繊細だね

ゆうすけ:もう言ってくれるな

チアキ:いや…なんなの…テンション低さ

ゆうすけ:しつこい…かもね

チアキ:うるさい?じゃ黙るね…

ゆうすけ:お願いします

チアキ:…もう、別れよっか

ゆうすけ:はぁ?それはないんじゃない?

チアキ:じゃ、なんなの…本当に

ゆうすけ:つくしんぼのことかよ

チアキ:言いたくないならいいよ

ゆうすけ:じゃ、言うよ

チアキ:やっぱ聞きたくないかも

ゆうすけ:なんなの?こっちが言いたいよ

チアキ:じゃ聞きたい!

ゆうすけ:あのさ、別れた母ちゃんがさ、出てった母ちゃんがさ、つくしんぼのこと知らなくて、それでつくしんぼを持って帰ったときに、捨てられた、泣いた

チアキ:にゃるほど~え?それだけ?

ゆうすけ:おまえなぁ、家でた母ちゃんだぞ!

チアキ:へ、意味わかんない

ゆうすけ:だから、やだったんだよ

チアキ:何が?

ゆうすけ:わけを言うのが!

チアキ:キレた…これはもう、別れよっか

ゆうすけ:なんでそうなる

チアキ:ま、別れましょ

ゆうすけ:なんなんだよ、あのさ、ぜんっぜん!おもしくねぇ!ぜんっぜん!おもしくねぇ!

チアキ:え?そんなつもりじゃ…

ゆうすけ:やめない?さっきから、会話がぜんっぜん!おもしくねぇ!

チアキ:楽しんでんじゃなかったの…

ゆうすけ:なんかあれば別れるとかさ、なんなん?

チアキ:なんなん?ってそっちがなんなん?

ゆうすけ:はぁ?なんなん?はこっちが最初なんで答えてください

チアキ:警察ですか?あなたは

ゆうすけ:すぐそうやっておおげさにする

チアキ:なんでこうなったのかな…

ゆうすけ:それはこっちのセリフだよ

~~この他愛ない会話がかれこれ3時間、続いたあとにこんな愛の試練が待ち受けていようとは、二人にはわかるわけもなかった

先輩:あれ?チアキじゃん、つくしんぼ持ってんね?

チアキ:あ、東条先輩!なにしてんですか?モード学園は

先輩:つくしんぼ取りに来たんだよ

チアキ:もしかして、東条先輩つくしんぼ好き、なんですか?

ゆうすけ:こんちわ

先輩:おっす、えっと

ゆうすけ:チアキの男でゆうすけって言います

先輩:おっす

チアキ:つくしんぼ…

ゆうすけ:もうこの小川にずっといんだぞ、喉カラカラ、帰ろうぜ

チアキ:運命のつくしんぼ…

ゆうすけ:帰りませんか

チアキ:先輩つくしんぼ好きだから、ゆうすけ嫌い!

ゆうすけ:おいおい、つかつくしんぼとかどうでもよくねぇか?

チアキ:ごめん

先輩:わりぃな、ゆうすけつくしんぼって大事なんだよ

ゆうすけ:え?

~~ゆうすけの未来はいかに、先輩はなぜつくしんぼを持って帰ろうとしたのか?

――「ケータイ小説」(に挑戦)完――


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山岡茂三(「共鳴実験」してます。「毎日夜21時ジャスト」、みんなで変えよう~みんなの「愛」で)
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