パイナップルケーキ

こんにちは金曜お昼になりました。手芸作家兼若手イラストレーターの展示をメインとしたギャラリーを運営している大図まことです。イラストレーターと手芸作家に向けた「仕事とお金の授業」29回目となる本日のタイトルは「パイナップルケーキ」です。


ギャラリーが出来たばかりの頃、隣に住むお爺さんからよく怒られていました。怒られる理由は決まってお客さんの自転車がお爺さんの家の前にはみ出して停められているという事でした。駐輪禁止の看板を置いてもギャラリーの奥にあるレジから外が見えづらい構造です。自転車が置かれるとその都度お爺さんが怒鳴り込んで来て謝りながら自転車を移動させていました。そうなると静かなギャラリーの空間が台無しです。

ある日私が出張で台湾に行っている時に事件は起こりました。またもやお客さんの自転車がお爺さんの家の前にはみ出して停められてしまっていたようなのです。お店へ戻ると店番を代わりにしてくれていたスタッフが怖がりながらその時にあったことを話してくれました。

なるべく面倒な事を避けて生きてきた自由奔放なB型男です。怒るお爺さんなんて一番近づきたくない存在です。とは言え今回ばかりは行くしかありません。このままの状況を続けていくのは私達にとって絶対に良くないことだからです。意を決して話し合いに向かいました。

ピンポンを押すと明らかに機嫌が悪いお爺さんが階段を降りて現れました。面と向かうと昭和生まれのお爺さんにしては背が高くて威圧感があります。しかしながらこの戦いに丸腰で行くような愚か者の勇者ではありません。相手の怒りを抑えるためにすかさず台湾土産で買ってきていたパイナップルケーキを差し出します。もちろんお爺さんのために買ってきたものではありません。いらないと即断られます。作戦失敗です。次の武器はもうありません。丸腰の愚か者です。

駐輪に対して改めて謝罪をすると同時に自分たちはこの場所で長くお店をやっていきたいと思っていること、近隣の方とも仲良くやっていきたいと思っていることを伝えます。その後お爺さんの方からも気になっている点を一通り聞かせてもらい全部改善することを約束しました。(既に全部改善しています!)最終的にはパイナップルケーキも受け取ってもらえましたとさ。めでたしめでたし。



翌朝お店のシャッターを開けていると隣のお爺さんが出てきたので昨日の今日で少し気まずいながらも挨拶をし「パイナップルケーキどうでしたか?」と尋ねました。そしたらぶっきらぼうに「そんなの知らねぇ」と言われます。えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ???????

昨日の話し合いは何????台湾で一番おいしい地元の人も良く買いに行くという評判のお店で買ってきたパイナップルケーキはどこにいったの????????????????

頭がパニックになりながらもオープン準備を進めます。外をほうきで掃除していると今度はお爺さんの方から声を掛けてきました。「昨日はパイナップルケーキご馳走様でした。美味しかったよ」と。えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ???????



答えを言ってしまうとそれほど仲の良くない双子のお爺さんが一緒の家に住んでいたのでした!そんなのわからねー。ラスボスが2人いたー。笑


隣同士なのでほぼ毎日会います。これまでは少し避けていましたがそれ以来どっちがパイナップルケーキを食べたお爺さんかそうでないお爺さんかわからなくても道端で合えばこちらから率先して挨拶をすることに決めました。そうすると不思議なもので関係も良くなりトラブルも無くなりました。

今日のnoteはあんまりお仕事に関係のない話だったなと思う人がいるかもしれません。でも最近私は気づいたんです。初めの打ち合わせで気持ちいい挨拶が出来たらその仕事は上手く行くって。ほんとだよ。

ではまた来週!



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