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ぼくのオススメBig Beat #3 Fatboy Slim『Better Living Through Chemistry』

今日、ご紹介するのは言わずと知れたBig Beat四天王 (スラッシュメタル四天王みたいDeathね) の1人、Fatboy Slimの記念すべき1stにして金字塔、1996年にSkintから発表された『Better Living Through Chemistry』です

Big Beatと聞いて、ある人はThe Chemical Brothersを、ある人はThe Prodigyを思い浮かべるかも知れませんが、僕は迷わずFatboy Slimを挙げます

Fatboy Slimことノーマン・クックは、元ビューティフル・サウスのメンバーらと結成したネオ・アコースティック・バンド、ハウスマーティンズからそのキャリアをスタートさせます (僕の知る限りでは)

その後、方向性をガラリと変えて、ビーツ・インターナショナルというダンス・ユニットを結成

ハウスマーティンズはどちらかと言えばネオアコ愛好家の界隈で愛された地味目なバンドの印象でしたが、ビーツ・インターナショナルではクラブ・ヒットを飛ばし、一躍ノーマン・クックの名は大きくなっていきました

が結局、ビーツ・インターナショナルもあっけなく解散し、 その後、ハウスに傾倒したユニットのピッツァマン、ファンク・バンドのフリーク・パワー、ダンス・ユニットのマイティ・ダブ・カッツなど次々と名義を変えながら活動を継続しますが、どれもあまり鳴かず飛ばず…

そんな中、96年に誕生したのが、このFatboy Slim

このノーマン・クックの試行錯誤の連続と失敗と挫折の歴史にこそ、僕は感情移入してしまうのです

傍から見れば、ノーマン・クックは迷走していたようにも思えるかも知れませんが、例えれば、ノーマン・クックは自分にピッタリしっくりとくるちょうど良い洋服の試着を重ねていたようなものではないでしょうか

僕自身もDJの名義をコロコロ変えたがるのですが、それは自分が今表現したい事に名前がしっくり来なくなるからなのです

僕程度の者とノーマン・クックを同じに語ってはいけないのですが、しかし、多分ノーマン・クックの苦悩とはそのようなものではなかったかと思うのです

Fatboy Slimのサウンドは、快感原則に忠実でとにかく享楽的で底抜けにハッピーですが、ここまで突き抜けたサウンドは、基本的に根暗で挫折と苦悩を味わって常に哀しみを抱えた人にしか鳴らせません

それはアルバムの枚数を重ねる毎に顕わになっていきます

あまりにも人間臭いノーマン・クックだからこそ作り得た最初の傑作にして名盤

だからFatboy Slimは信用出来るんですよね

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