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チチエロ
ちっさい頃、外国語教育として学校では英語一択なのがつまらねぇ、と思い、フランス語を勉強してみた。NHKでは「アンニョンハシムニカ」という名前で韓国語講座がはじまり(朝鮮語とも韓国語とも呼ぶわけにはいかないが、アジア圏の次の国としてソウルオリンピックがはじまろうとしていたころだったから、タイミングとしては逃せなかったろう)、イタリア語講座はまだだった時代である。
ネイティブスピーカーが現存していると、おのれの対話力のなさがバレてしまうので、そうだ古典語をやればいいじゃんと思い当たりラテン語を勉強しはじめる。
日本語による、ラテン語の初学者向けの教科書は当時、ドンボスコ社からでているイタリア人神父の記した本しかなかった。ぶつぶつと例文の対訳を読む。
この頻出する「チチエロ」って誰だろう?
10回くらい遭遇して、あっ!チッチェロ?=キケロ!と気づく。
辞書も手に入らず、巻末索引くらいしか手がかりのなかった時代の、ひとりよがりな学びの笑い話である。
なるほど、人口の少ない学びのためにはまずは教材整備からなのねと。現在の
へ至る伏線といえば伏線。