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時を超えて夫と父の姿が重なるとき
お風呂からあがったら、夫と息子がいなかった。
時間は20時。
「買い物でも行ったのかな?」
と思い、スマホを見ると夫からのLINEが届いていた。
◯◯くんがお月さまを見たいと、傘を持って出ていってしまった。このまま駅に向かうわ
息子は鍵を開けて、たまに出ていってしまうことがある。親としてはヒヤっとする瞬間だ。
今日は働く車が描かれたお気に入りの黄色い傘を持って、探検に出かけたようだ。
息子は寝る寸前までマイペースに動くので、私たち夫婦もたまに疲れ果ててしまう。
それでも、夫はとことん息子に付き合ってくれるのでありがたい。
先週の日曜日は、3時間も家に帰ってこなかった息子と夫。目的は、補助輪自転車で沿線や踏切を見ていたらしい。
息子も夫だからリクエストする。
ママだと付き合ってくれないのを分かっているから。
ここまで徹底的に、子どもの希望に付き合う父親もレアだと思う。いつもありがたいな、すごいなと尊敬している。
翻って子どものころを思い出すと、私の父も徹底的に遊びに付き合ってくれる人だった。
休みになると公園で遊び倒してくれた。
たとえば、こんなことに。
・おにごっこ
・かくれんぼ
・野球
芝生でひたすら側転をしたおかげで、3人姉弟とも習得したこともある。運動神経が鍛えられたのは、父の寄り添いの賜物だ。
とくに鮮明に覚えているのは、夏休みに弟の虫取りに父が付き合っていたこと。
弟はカブトムシやクワガタを捕まえるのが大好きで、毎夏、玄関で飼うのが日課だった。
夏の休日は朝4時に起き出して、とっておきの場所に車で行く。そして、仕掛けをする。
樹液がある木にエサを置くのだ。
そして、翌日に再度訪問して、虫を取る。
私が起きた朝7時には、弟が虫取りから帰宅して居間で寝ていることが多かった。まだ小学校低学年だったから、当然のことである。
父も同様に寝室でイビキをかいて寝ていたけど、決して弟を無碍にしなかった。
今になって、弟の希望を叶えていた父の姿が、夫の姿と重なる。
興味を伸ばしてあげたいという、父親なりの愛情。日々、積み重ねることで、父子の愛情が強固になっているのだ。
ともすれば、息子はママ偏重になってしまうけれど、パパにも頼るのは夫が時間をかけて、息子の気持ちを満たしてきたからだ。
こうやって父子関係は深まるのだと、現在進行形で理解が深まる。
ママにできないことはパパに頼む。
そんな構造ができあがったのも嬉しい。
いつもありがとう、パパ。
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