相手ファーストはどこも同じ
火曜日は歯医者の日。
残り2か月弱で今年も終わる。
キレイにしてから来年を迎えたい。
そう思って、歯の状態見てもらうために、今年できたばかりの新しい歯科医に通ってます。
病院の中でも1番苦手なのが、歯医者。
あの歯を削る音を聞くだけで身の毛がよだつ。
そして、歯から伝わる振動も、痛みも想像すると、途端に行動に移せなくなる。
できるなら行きたくない……。
けれど、私は歯並びが悪く、磨き残しがよくあって虫歯になりやすいのが現実。。
以前、銀歯の下に虫歯が巣食っていて、かなり痛い目にあったのだ。
なので、定期的にメンテナンスしなければならない。亡くなった祖母のように、年を重ねても自分の歯でご飯を食べたい。
そんな想いもあって、勢いで通い出して3回目になる。
先生は席に座るなり、言う。
「今日は虫歯の治療をします。」
「先生、怖いです。。。」
大の大人が弱音を吐いたものだから、先生と歯科衛生士さんは大笑い(笑)
笑ってもらったら、気が楽になった。
「では、痛くないように手早く行いますからね。」と、先生が言う。
本当ですか?と穿った見方をしてしまい、どこか信じきれない。
「はい、口を開けて。」
恐る恐る口を開けると、先生が唇を指で摘まみ、揺らされたと思ったらいつの間にか麻酔が終了。
え?終わったの?
拍子抜けのなか、口をゆすぐ。
早速、麻酔で効いているようで、口が閉じずに水がこぼれ落ちる。
そして、いよいよ本番。
この歯医者は目にタオルをかけてくれるから、先生との距離感を目視できない。だから、心の準備をするのが難しい。
すると「いきますよ。」との声の後に、耳元であの嫌な金属音が聞こえてくる。
肩がすくみ、全身に力が入る。
ガリガリと思いっきり削る音が、全身に響き渡る。
視覚は遮られているから、耳が鋭敏になっている。容赦なく削り取られているようだ。
でも、痛みは……ない。
しかも、手早いぞ。
あれあれ?想像以上にいいんじゃない?
微調整のため、先生はさらに削る。
時折、
「痛くないですか?」と心遣いの言葉をかけてくれるのもうれしい。
しかも、歯科衛生士さんが口にたまった唾液を、あ・うんの呼吸で吸い取ってくれる。
まさに、店前で行う高速餅つきのごとく。
伝統芸能や〜
おかしなテンションで、脳内をこだまする彦摩呂(笑)
そうこうするうちに、起きてうがい。
そして、詰め物の作業に移る。
もう、ベルトコンベア状態。
まな板の鯉。
なすがまま、あるがまま。
そして、体感5分で終了。
言葉が多い先生ではないけれど、歯医者が苦手な私のために、ご自身の技術で応えてくれたのが、何よりもステキだった。
ライターだってそうだ。
ふと思った。
読者ファーストで、お悩みに寄り添い、ほしい情報をほしい順番で差し出す。それが、私たちの仕事だ。
業種は違えど、大切にすることは同じなんだ。
相手のことを想像して、人間としての繊細なセンサーをフル稼働する。
私も先生のような確かな技術がほしい!
そう思った学びの時間でした。
最後は詰め物のチェックをして、終了!
私、がんばったなぁと感慨に浸っていると、先生が一言。
「反対側も虫歯がありますので、来週来てください。レントゲンを撮ってから、帰ってくださいね。お疲れさまです。」
そう言い放って、隣のブースに移った先生。
ら、ら、らいしゅう?
圧倒的な先生の職人技をまた体感できるとは、す、すご、すごく、た、たの、たのしみ、だ、、、