完璧主義に殺される前に、自分を救ってあげたい
私は完璧主義という病を患っている。
責任感が強くて妥協できず、理想が高い。何度も何度も自分で自分を追い込んで、キャパオーバーになっては訳もなく涙を流した。
これは、完璧主義と上手く付き合うための私の戦歴と対策だ。
完璧主義に侵されて、世界を呪った学生時代
私が完璧主義者になってしまったのはいつからなのか、ハッキリはしない。
小学校の中学年から中学生の頃に場面緘黙症(学校で声を発せなくなる精神的な疾患)だったこととか、そのせいでいじめられたり、友達が全くいなかったりしたことが原因なのかなとぼんやり思っている。
完璧主義に殺されそうになった第一の記録は、高校生の時。
私はボランティア部に所属していたのだが、私の学年は私ひとりしかおらず、2年生になると部長にならざるを得なかった。
全くリーダータイプではない私は、四苦八苦しながらも全力で部を率いようとした。しかし空回りするばかりで、後輩から舐められたり馬鹿にされたりして何度もトイレで泣いた。
「自分はダメだからもっと頑張らなきゃいけない!」
そう強く思うあまり、一度にたくさん案件を抱えてキャパオーバーになり、理由のない涙が止まらなくなった。毎日死について考え、生まれ変わったら草になりたいと思った。
3年生になる頃、何も言わずに部を去ったことで一命をとりとめた。
第二の記録は、大学生の時。
強い自己否定感、コミュ症、なかなかできない友達。ダメな自分を変えたくて、与えられた機会には飛びついた。学術研究会の総務局、学生団体の企画部、もちろん本業のゼミ発表も。
全てを完璧にこなそうとして、案の定キャパオーバーになり、また訳もなく涙が止まらなくなる。本当に自分は何をやってもダメだと思った。
そして迫りくる就活。不安のあまり3年生の夏からインターンに参加し、11月には説明会にも参加しまくっていた。
強い自己否定感に襲われて嘔吐し、何をしていても理由なく涙が溢れ、世界がなくなればいいのにと生まれてきた自分を呪った。
完璧主義は簡単には治らなかった
そして今、社会人2年目の私。
妥協して入った会社で悶々と働いている。このままじゃダメだと、先月SHElikesというキャリアスクールに入会した。
ここまで読んだ皆さんならお分かりの通り、どうやらまたキャパオーバーしてしまったらしい。
でも、私だってこの完璧主義という病を放置していた訳じゃない。
少なくとも、以前のように他人の目を気にすることはなくなったし、完璧じゃなかったり作りかけだったりする創作物をネットで公開できるようになった。
以前より自分に自信がついて自分から挑戦できるようになったし、コミュ力もそれなりに向上して、会社の人とも普通に話せるようになった。
どんなネガティブワードが浮かんでもポジティブに変換できるようになった。
だから、油断していたのかもしれない。
数日前から何もないところや点字ブロックで躓くようになって、おかしいなと思いつつ気づかないフリをしていた。
これは私が疲れているときの初期症状だと知ってたのに。
「私はまだやれる。まだまだ元気だもん!」
私をここまで突き動かすのは、凄まじいまでの焦燥感だった。
「ここで変われなきゃ、一生変われない!」
常に心臓がバクバクとうるさい。退勤しながら帰宅後のシュミレーションをする。
「20時までにご飯とお風呂を終えて、21時半まで勉強するんだ!」
「明日も4時半に起きて5時半までには身支度を終えて、家を出る6時までの30分を勉強に使う!」
家が見えはじめるとますます鼓動が速くなる。
「早くご飯を食べ終えなきゃ!」
「すぐお風呂に入るためにまずはお湯をためて…」
自分の勤務時間が圧倒的に長いことは重々承知していた。普通の日でも11時間、当番の時は15時間拘束される。
それでもそんな前提をすっ飛ばして「他人と比較する」という悪癖が私を駆り立てた。
「あの人はもうあんなところまで進んでる!私より入会日が遅いのにすごい!」
自分でも私がちょっとやばいことに気づいていた。休むことや趣味に時間を使うことに罪悪感を覚えてしまっていたし、心身が疲れていることもなんとなく察していた。でも、焦燥感に駆られて上手に休めなかった。
昨日、同期にそんな胸の内を伝えると、こう言われた。
「それって焦る必要ある?別にみんな同じゴールを目差してる訳じゃないやん」
うん、全くもってその通り。自分でも分かっている至極当然なこと。でもそれを聞いてなぜか涙が溢れていた。泣いていることに自分でもびっくりしてすごく焦った。
私が疲れているときの典型的な症状、「意味もなく涙が出る」だ。
「琴里ちゃんは頑張りすぎやし、自分に厳しすぎ。スクールに入ったり、行動に移してて偉いやん」
そう言われてめちゃくちゃに泣いてしまった。マスクの中が大洪水だ。
私はついに数日の勉強禁止令を出した。
完璧主義と上手く付き合うために
がむしゃらにやっても、続かなければ意味がない。
特に勉強に関しては「太く短く」よりも「細く長く」が良いのは火を見るより明らかだ。そこで、自戒を込めて頑張りすぎないための私なりのコツをまとめた。
①「がんばる!」を明確化する
ただがむしゃらに「がんばらなきゃ!がんばる!」だと疲れるだけだ。
「なんのために勉強するのか、どういうゴールを目指したいのか、どういう結果を得たいのか」をちゃんと考える。「がんばる」という手段が目的化してしまうのが一番怖い。頑張りを意味のあるものにするために、目的を意識する。
②疲れる前に休む
これは大学生の頃から気をつけているが、結構難しい。
まずは自分の体力を過信しすぎないこと。心身を壊してしまったら回復に時間がかかり、その分ロスになってしまう。
休むのも仕事のうちだと意識して、休む時間をスケジュールに組み込んでしまう。その時間は頑張ることを禁止する。適度に休んだほうが生産性は高くなる。
③睡眠は最優先で確保する
これは持論だが、「うつには睡眠が効く」と思っている。何度もいわゆるプチうつ状態に陥ったが、寝まくっていたら少しマシになった。
逆にちゃんと寝ないでいると心身が急速に疲れる。私は睡眠時間自体は意識して取るようにしていたが、睡眠の質が良くなかったみたいだ。寝る前のスマホ、考え事、作業はなるべく避ける。
④他人と比較しない
これもめちゃくちゃ難しくて、未だに他人との比較はやめられない。
とにかく比較対象を「他人」から「過去の自分」にすることを意識している。他人と自分では前提条件が違いすぎる。
自分の持っていないものと他人が持っているものを比較したら、落ち込むのは当然だ。隣の芝の青さを羨む前に、自分の芝を育てていく。
⑤自分を褒める
できなかった自分を探すのではなく、できた自分を見つけて褒める。私は毎日日記を書いて自分を天才だと褒めまくっている。
何もできなかったと思える日も、起きられたこととか、お風呂に入れたことを褒める。
そもそも人間は生きているだけで偉い!
⑥他人からの承認を求めすぎない
「誰かに褒めてほしくて、認められたくて頑張る」。私も承認欲求が強くてあらゆる手を使って他人の気を引こうとしがちだ。でも、一度満たされても、どんどん次が欲しくなってしまう。承認欲求は底無し沼だ。
他人の行動を変えようとすると疲れるし、手段が目的化しやすくなる。だから承認は他人じゃなく自分でしてあげる。これもめちゃくちゃ難しいけど、少しずつでも意識してやっていく。
完璧主義とともに歩く
一昼夜で完璧主義が治るなんて思ってない。私も何年も何年も完璧主義に苦しめられている。そもそもこれが治るものかも分からない。
でも、完璧主義を目の敵にする必要もないような気がしてきた。完璧主義だって悪いことばかりじゃない。
責任感が強いことも、自分に厳しいことも、長所といえば長所だ。ただ、気負いすぎないように意識して、上手く付き合う。
完璧主義の人は、私もあなたも頑張り屋さんなんだ。だから、その頑張りを認めてあげる。他の誰でもなく、自分で認めてあげる。
他人からの承認がどうしても欲しくなってしまうけど、ゆっくり深呼吸して自分に言い聞かせる。
「私ってめちゃくちゃ天才じゃん!!」と。
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