悪しき思い出と決別するために
睡眠が上手く取れずに15年以上悩んでいるが、ここ最近で眠れない時の原因が「余計な考え事」である事が多いと気付いた。その内の一つは「未来に対する不安」、そしてもう一つが「過去の悪しき思い出の反芻」だ。いずれにしても眠る前に考えてもどうしようもない事である。
過去の理不尽な出来事への恨み、自分の未熟さから犯した行動の後悔…多かれ少なかれ誰しもが抱えてるものでは無いだろうか。
僕は中高6年間野球部に所属していたが、特に野球はチームスポーツであり組織で動くので、なかなかその辺りが自分には難しかった。上手くできなかった。高校あたりからだんだん周りの風当たりが強くなり始めた。理不尽だと思うような事もあった。自分が理不尽な思いをしたのは周りの責任なのか、自分が未熟だったからか、それは今だに分からない。どちらが順番が先なのかも分からないし、もしかしたら両方なのかもしれない。いずれにしろ、全然上手くできなかった。「組織の一員」として動く事ができないという事実は結局大人になっても何も変わらなかった。
高校を卒業してから数日後に野球部卒業生の交流試合が行われた。近くの高校と思い出にひと試合やらせてもらえた。そのさらに数日後に野球部で卒業旅行でスノーボードに行くという予定があった。
試合が終わった後、「ちょっと話したい事がある」と部員を集めた。「お、なんだなんだ??」と囃し立てるチームメイト。そこで思いの丈を伝えた。
「僕はスノーボード旅行には行けません。みんなの事が嫌いだというわけでは無いです。集団の中で動くという事が苦手で僕にはできません。今までありがとう。」
チームメイトは自分の話を聞いてくれたし、肩を叩いてくれた奴もいた。嫌な思いも沢山したし、僕自身間違っていた事も沢山あった。でも野球部という組織の中で最後にはちゃんと挨拶できて終われたのだ。それだけは自分でもよくやったと思う。
こうして十数年前の事を振り返りながら、少しずつ自分の中で思い出が消化されていく。"大人"になるのは20歳でも30歳でも40歳でも遅くないのだ。