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鮮烈で、暴力的な、記憶を辿る。【サターンリターン前編】

今日は三連休初日。
なにせ連休に気づいたのが前日の就業後。
やることはあるけど、予定がない。
正確に言うと予定をいれる気力が全くない。
家と職場の往復3時間の生活に疲れ切ってしまったのだ。


結婚を期に地元を離れ、縁もゆかりもない土地で夫婦ふたりの生活を送っている。

引っ越しを期に都内の会社に転職した。
未経験から始めたのセラピスト業務も3年目となれば、
一通り問題なく業務も出来るようになってきたし、
直接お客様から感謝のお言葉をいただくけるので日々やりがいを感じている。
とは言え、会社や上旬からはスキルアップや人としての成長を特に求められておらず、
目の前のことを淡々とこなせばいい感覚の職場なので、家庭持っている身からすればありがたいはずなのに、なんだか性に合わず少々の居心地の悪さを感じているのも嘘ではない。

そして、何より今の生活の中でのネックなのは職場までの通勤時間。
約3時間の通勤時間は体力的にも精神的にもキツイ。都内へ向かう電車は何時に乗ろうが人が多い。
人混みが苦手な私はいつまで経ってもこの状況に慣れない。
時折、転職サイトをみていままでの経歴で転職できる近場の会社がないか探してみるも、
なかなか今より条件がいいところはなく、あったとしても年齢で足切りだから、選択肢としてはやはり開業か現状維持の二択しかない。

私生活の方は幸いに夫婦感でのトラブルはほぼなく、温和で優しく家庭的な夫との暮らしは平穏そのものである。
欲を言えば、日常での主要な登場人物が増えて欲しいところ。
地元とは違って、友達と呼べて会える友達は片手で足りるし、職場の同僚も3人だけだ。
時々セミナーに参加したり、ZOOMを繋いで地元の知り合いとも話すこともあるけれど
美味しいものを食べながら、どうでもいい雑多で他愛もない話が出来る時間が極端に少なくなったのは正直つらい。なかなか身に堪える。


満員電車の中でコトコトと、
どす黒いものが日々煮詰まっていく感覚。
不満をあげればキリがないのに、これからどう生きるか考えてもいつも堂々巡り。現状を変える決断がなかなか出来ない自分に嫌気がさす。
とにかく、何か変えなくちゃ。
気分と視点と行動を変えねば。
…明日はどこか外に出よう!


三連休初日


目的地は都内某渓谷。
道中にランチをすることになり、タイ料理店へ。
定番のカオマンガイやガパオライスなどあるなか、注文したのはタレー・パッポン・カリー。

口に入れた瞬間、脳にガツンとくるダイレクトな旨味…!
あまりの衝撃的な美味さ、もはや暴力!!



旨味の暴力!海鮮のたまごカレー??
なにかに味が似てると思ったら、カール(カレー味)!




そう感じたと同時に、
かつて一人でタイへ訪れたときのことが急に鮮明に記憶に蘇った。

タイ初日に初対面の人と食べに行った思い出の味。
こちらは蟹。プーパッポンカリー。

あの旅を含めて29歳が人生の分岐点だったな、と今でも懐かしく思う。
知人には度々語るが、忘れないようにここにも書き留めよう思い、久しぶりにnoteを書き始めた。


さて、タイトルに【サターンリターン】とつけたが、簡単にざっくりいうとサターンリターンとは占星術での厄年みたいなもので、いろんな試練や課題と向き合う必要がある期間で人生の大きな転機が訪れやすいタイミングを指す。(29年周期でやってくる!)

今から語ることは、どんぴしゃでサターンリターン案件なのです…!
みんなも29歳前後なにかしら転機になることあったかな??


ざっくり自分史で人生を振り返る


まず、簡単に29歳までを時系列でまとめてみた。

0歳 母方の実家のある東北で、医者家系の次女として誕生。

2歳 親の転職で九州へ引っ越す。

4歳 幼稚園登園拒否。ベビーカーで強制社長出勤。

6歳 登校拒否するも、友達に毎日迎えに来てもらいしぶしぶ登校。家庭外のすべての出来事に理由なき恐怖を感じていた。この頃から肩コリ。

 10歳  引っ越しのタイミングで、せっかく転校するならと山村留学に参加する。親元を離れ里親の家で1年過ごす。環境の変化のストレスで抜毛癖。

11歳 また、転校。やたらと変人と言われる。荒ぶる。ヒステリー&バイオレンス!卒アルに「暴力反対!」と書かれるほど。

13歳 中学生では大人しくしようと会心し、キャラ変を試みる。無理しすぎて過敏性腸症候群。ある日突然ハブられて、人生辛い、死にたいモード突入!

16歳 近場の半端な自称進学校へ入学。勉強漬けかつ女子クラスのノリが合わない為、まじで楽しくない。苦痛の学生時代。冬に明らかに様子がおかしくなるため、周りから冬季うつ病では?と指摘される。

19歳 結局、学力使わず芸大へ進学。初めての一人暮らし。勉強楽しい!価値観が合う・価値観を侵害しない友人たちに恵まれ、自分らしさ開花!というより暴発。欲望を解放し、自分と向き合った結果自暴自棄に。

20歳 「セックス・ドラッグ・ロックンロール」な日々。実際はドラッグ(違法)ではなくアルコールと処方薬。 親友が自殺したことも重なり激鬱で通院。自殺未遂。8歳上の恋人と半同棲でほぼ養われる。

21歳 引き続き、鬱!だが薬で躁転し、キラキラ虹色の世界と鈍色の世界の往復。オーバードーズで運ばれ、薬害性肝炎一歩手前まで。昼夜逆転生活の後、ようやく休学。

 22歳 鬱から躁転した勢いで転籍した学部を辞める。相変わらず薬で頭がオカシイ&体調絶不調。実家に戻るか結婚の二択でプロポーズを断る。

23歳 実家に連れ戻され、半年引きこもり。地元で就職。コミュ力つけるため荒療治的で販売職に。まともな社会人になろうと誓うが、やはり接客は苦手で苦戦。

26歳  3年近く付き合った遠距離恋愛中の恋人にプロポーズされたが、仕事楽しくなってきたところなので辞めたくないから別れる。

28歳 散々断っていた店長職に。モンスター社員数名に振り回される&年間予算が1億円規模で上からの圧もあり、憂鬱な日々。心身ともに参ってしまい、駅徒歩18分が歩けなくなり、徒歩8分のところに引っ越す。

29歳  出勤中に涙が止まらなくなる。過食嘔吐のピーク!夏の繁忙期にプツンと糸が切れて退職。

ご覧の通り幼少期からバチバチの社会不適合っぷりなので、
毎日のように「普通になりたい。まともな人間になりたい…。」と願っていた10代、20代。
自分なりに「普通」に擬態してたつもりだったが、
それは私には無理だな!とここ数年で、特に西洋占星術を学ぶ中で気づき、ようやく諦めがついてきたところ。


ここからがようやく本題!


29歳の夏。
繁忙期前にマネージャーと個人面談をする機会が急に設けられた。
何かトラブルがあった、またはトラブルになりそうという話題があれば
遠方の本社からでもすぐにマネージャーがすっ飛んでやってくるようなスタッフ想いの(風通しがよすぎる)会社にいたので、
おそらく私がメンタル参っていることを聞きつけて来てくれたようだった。
その場で繁忙期を終えたら退職したい旨を伝えたところ、
緊急事態だと察して翌日から有給消化し、2ヶ月後に退職することになった。

当時、少しでも気分を明るく保とうと部屋によく花を飾っていたので行きつけの花屋があった。
そのお店がオープンしてすぐからよく利用していたこともあり、
店主とは仕事の愚痴やら世間話やら、白黒つけない四方山話を気軽に出来る関係だったが、
精神的に荒廃してからは花を買いにも行けず。
無事に退職することが決まり、報告ついでに久しぶりに部屋に花でも飾ろうという気分になりお店へ。

その日はたまたま居合わせた先客の女性客と
なぜだか初対面なのに立ち話が盛り上がった。
私よりも二回りほど年上の彼女は年齢を感じさせない人懐っこい笑顔が印象的で、個性的でおしゃれな人だなというのが第一印象だった。
どうやら今日はイベントのフライヤーを置かせてもらいたいと花屋を訪れたようで、
私は暇だったので、その場でフライヤーを畳むのを手伝いながらしばし雑談を楽しむ。
その最中に退職予定で現在有給消化中ということを何気なく話題にしたところ、「気分転換に海外旅行したら?」と。

そして、続けざまに「タイに知り合いがいて、いま怪我をして困ってるから手伝いに行ってたの!仕事のお手伝いをしてくれたらタダで泊まれるように手配できるよ!」と提案してくれた。

急に降って湧いたよくわからない話だが、
なんとなく直感的にいいな!と思い、その場ですぐ知り合いを紹介してもらった。
あれよあれよと話は進み、急いでパスポートを取得し、とりあえず2週間タイへ行くことにした。

今思うと、英語も話せないし一人で海外にも行ったことがない中、初対面の人の知り合いを頼りに、
勢いだけでよく一人でタイに行こうと思ったな…と、かつての自分の行動力に恐怖を感じる。

そして、逆らえない大きな流れの始まりは
思い返せばここからだったような気もする。




後編へつづく


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