足をみれば生き様がわかる。
タイトルから足相診断?と思われた方は残念ながら違います。
これはフットケアを生業にする女が日々仕事中に思うことを記した雑記である。
ドイツ式フットケアを生業にして、4年目。
毎日、毎日いろんな方の足を見てきてますが、
まぁ〜それはそれは興味深い。
普段、どういう生活をしていてどういう靴を履いてきてるのか想像できる。
カウンセリングで今までの生活や職種や運動歴などを伺うと、想像した状況にピタっと一致することが多い。
靴選びはその人の個性そのものが出てくる。
ファッションアイテムのひとつでもあるけど、
仕事によって特定の種類を履かないといけないと決められているものでもある。
工事関係なら安全靴、
調理場に立つ方はコックシューズ
オフィスワークや高級志向の接客業では革靴やヒール、フラットパンプス
保育士さんは脱ぎ履きがすぐ出来るスリッポン系
医療関係者は職種によっては様々だが、ナースシューズやサンダル系、会社支給のスニーカー系とか。
何をするかによって、何をしたいかによって履く靴の傾向が決まる。それによって、行ける場所の制限や行動の制限が無意識に出来る。
それによってその人が毎日見る景色が決まって、
それぞれの「普通・当たり前」の価値観が決まるような気もする。
ちなみに私自身は不審者に追いかけられても走れるように基本的にスニーカー一択。
(実際に2回ほど追いかけられたことがあるので…)
パンプスを履かないので、ちょっと小洒落たところへのお出かけが若干億劫。
過去の経験に基づいて自分自身の価値観が決まる。
その価値観で選んできたことの結果が、
今の状況に反映している。
さて、話を本題に戻そう。
私が対峙するお客様は何かしら足にトラブルがあって当店へいらっしゃる。
ご自身で切れない爪をここでカットをしたり、厚くなった角質やウオノメを削らないと日常生活に支障が出るからご来店いただいている。
何で今、この状況になっているかの原因を一緒に探り、今後繰り返さないように予防策や対処方法をお伝えする。
足の特徴、爪の切り方、靴の選び方や履き方、トレーニング方法。
保湿に関しても、タイミングや成分やセルフケアの重要性などもお伝えする。
だが、まぁ、何度伝えてもなかなか実践までいかないので数ヶ月後にまた同じ状態でご来店される。
商売としては、リピートに繋がるのでありがたいのだが…。
その人にとっての「普通・当たり前」の価値観を変えるのは本当に難しいし、他人がどうこう出来ないとわかってはいる。
本人が本当に変わりたい、どうにかしたいという思いがあって、
言われたことに対して納得し、腑に落ちない限りは変わらない。
新しい価値観を受け入れる余裕が出来るまで、待ちつつ少しずつ伝え続けることしか私には出来ない。
結局、現状を打破できるのは本人次第である。
足を労ってください、、、。
普段は靴や靴下に隠されてる足は目も気も行き届かない分、足の健康の重要性も蔑ろにされている。
そして年齢を重ねて、徐々に不具合が出て、痛みを伴うようになり、初めて過去の自分の選択を後悔をする。
「若い時にヒールばかり履いてたのがよくなかったな。」
「サイズ合わなくてもデザイン重視で無理して履いてたな。」
…どうして人間は自分事にならないと、気付かないんだろうか。(自戒もこめて)
私自身も足のトラブルもあり、鍼灸師の資格を取った上で、リハビリの現場でも少し働いてたから余計にそう思うけど…
「マジで足の健康は大事だぞ!」と、声を大にして言いたい。
体重を全部受け止め、支えてるのは
まぎれもなくこの足だぞ、と。
いつまでも痛みがなく、立って歩いて走ってが100%当たり前に出来ると思うなよ〜、と。
慣用句にもある「地に足がつく」って言葉は比喩じゃないし、
巻き爪や浮き指とかね、そういうやつで、
マジのマジで物理的に適切に、ちゃんと足が地面に着いてないと肉体面だけじゃなく、精神面にも大きく影響も出る。
例えば、
靴紐がゆるい靴
踵周りが合ってない靴
サイズや幅が合ってない靴
踵が削れすぎている靴
やわらかすぎる・硬すぎる素材の靴を選ぶことで
足や爪のトラブルに発展し、
そのトラブルをかばう歩き方になることで姿勢や身体の使い方へと影響する。
逆に、足から上の身体の状態(例えば膝や股関節が痛い、ストレートネック、猫背や外傷など)も足や爪の状態へと影響する。
足や靴に限らず、
「そんな、些細なことで?」ってことが習慣化されると
後々、大きな問題に発展する。
出発地点から真っすぐ進んでいるつもりでも
進行方向が1度ずれてしまうと最終的に違う地点にたどり着いてしまう。
習慣ってものは、無意識で行えるレベルの行動で、自分の価値観そのものが反映されていると思う。
時々本当にこれでよいの?と、俯瞰的になってみたり、プロ目線のアドバイスをもらってみたり、
はたまた全く違う価値観に触れてみたりして、価値観の幅を広げてみたりアップデートするのは健やかに生きていくためには大切だと思うのだ。