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2025年 J1リーグ第1節 セレッソ大阪 VS ガンバ大阪 マッチレビュー
お久しぶりです。あけましておめでとうございます。
2025年のシーズンが始まりました。開幕戦はまさかの大阪ダービーでした。
まさか5点を取って勝利は誰が予想出来たのでしょうか!素晴らしい!!
私事ですが2か月ぶりのゴール裏は楽しかったですが、結構疲れましたね・・・
さあパパスセレッソの初陣は勝利でしたが、今後どうなっていくのでしょうか。
第1節のセレッソ大阪
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https://soccer.yahoo.co.jp/jleague/category/j1/game/2025021401/summary?gk=2
新生セレッソ大阪の開幕スタメンはこのメンバーでした。
少し驚きだったのは、香川と阪田でしょうか。キャンプ動画や報道では、喜田や柴山、チアゴといった名前が挙がっていたので、香川・阪田のコンディションが直近の練習では相当高かったのでしょう。
潤滑剤の北野颯太と連動する動き
なんと言ってもこの男”北野颯太”にフォーカスを当てないとこの試合は語れません。主に攻撃のシーンではチームの「潤滑剤」となっていました。
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ガンバは4-4-2ブロックでセレッソの攻撃に対して構えました。セレッソは田中・香川をガンバの名和田・宇佐美の後ろに配置し、中央のパスコースを形成しました。しかし、ガンバの中盤のネタラヴィと鈴木が香川と田中を監視していました。
北野はセンターラインをボールサイド側へ左右に行き来し、ガンバの山下や奥抜の背後でボールを受けられるように移動し、ボールをもらっていました。鈴木やネタラヴィは中央を埋めるのは最優先なので、北野がサイドに流れるからといって、初めの方はついていくことはなかったです。かといって、ガンバのCB陣が北野に目掛けてプレスをかけるには距離が遠いし、SBはセレッソ側のWGが気になり、北野に向かって圧力をかけることは出来ません。前半途中までは北野を中心にボール運びが展開されていった印象です。
北野は田中・香川と横並びでボールを受けに来るということは禁止されているのではないのでしょうか。フリーマンのように動くが動いていいエリアは制限されていたと考えます。
北野が空けたスペースには、田中・香川・奥田・舩木が埋めることで、ガンバは相手を捕まえづらい状態でした。
また、北野がその位置から裏抜けをすれば必ずオンサイドですし、助走がついた状態なのでガンバの最終ラインはなかなか捕まえにくい状態でした。
颯太をおとりに使う
ガンバも北野に対して、もちろん策を即座に講じてきました。
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北野に対してガンバの中盤がスライドしてプレスをかけていきます。その場合の展開方法はセレッソは準備していました。
畠中から舩木に出た場合はシンプルに阪田にボールを預け、1対1を仕掛けさせたり、阪田から近くに寄っている北野に預けたりしています。阪田はしっかりと相手に向かってトラップをし、1対1ができる状態を作り出しているのが印象的です。半田の寄せが早ければ、狭いエリアでも失いにくい北野に預けることでボールを失わないような体制とチャレンジができる状態を作り出していました。また、シンプルに舩木からCB陣に戻すことで一度やり直すパターンもありました。
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また、ガンバの前線4枚はプレス強度とパスコースの限定が甘く、セレッソが最終ラインでボールを動かしていると宇佐美と名和田の横から縦のパスコースが生まれ、畠中や進藤からどんどん中盤または、前線のハットンまでパスが繋がるようになりました。
それも、北野がガンバのネタラヴィor鈴木を引っ張り出しているので、本来パスの出し先にプレスをかけられる場所に人がいなかったり、ピッチの中央にガンバのフィルターがいないためハットンまでのパスコースがある状態を作っていました。
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逆サイドの展開も、相手のスライド間に合う前に展開するようにしている印象です。奥田がサイドに張ったままの状態のときもあったり、図のように奥田がルーカスへのパスコースを開けるためにわざと内側に入ったりと、スムーズに逆サイドに展開するプランも持ち合わせています。
逆サイドのSBが外側を取るパターンの1つとして、セレッソのCBとWGのパスコースの距離が長い場合は、パスの中継地点としてSBが外に取る形を取っていました。何でもかんでも、SBが内側に入ればOKという形をとっておらず、自チームの選手のポジションと相手のポジションを考慮して、内外の使い分けをしていました。
ここまでの内容は左サイドだけではなく、右サイドでも同じことが行われていました。
上記で挙げた内容を繰り返すことで、ガンバはセレッソのビルドアップのどこを抑えるべきかを決めきれず、北野が再びフリーになったり香川や田中がフリーになったりと様々な選択肢を持ち合わせた状態でセレッソはゲームを進めていきました。
畠中が攻撃にスパイスと守備の切り替えを
畠中の縦パスがこの試合では目を引くことが多かったですが、目立ってない部分でも攻撃にスパイスを加えていました。
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攻撃時に押し込んでいるときは、香川や田中はFWの位置まで攻撃参加を仕掛けることが多くあります。登里の開幕前コメントでも「全員が点を取る」発言があったように、エリア内や高いポジションに人数を割く傾向が今シーズンはありそうです。
畠中は香川or田中のどちらかが前に出ている場合、ポジションを埋めるために、高い位置に顔を出します。それによりサイドで詰まったとき、逆サイドへパスを振る中継地点となっていました。
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一列前に出ることで、ボールを失った際もプレスをかけやすい距離にいるため、セレッソが今年掲げている即プレスを行える配置になっています。
しかしながら、畠中開けたスペースを使われるシーンも少なからずあり、ピンチになることもあります。
極めつけは、3点目の香川のゴールシーンの直前です。
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スローインからセレッソの右サイドでガンバ側が人数かけてボールを奪おうとします。香川の落ち着いたプレーから畠中にパスが渡る直前に、畠中は舩木に広がるようにジェスチャーで合図をします。結果的に広大なセレッソの左サイドを経由して、香川のゴールとなりました。畠中は次の攻撃の展開を持ったうえでプレーしているのではと感じるシーンでした。
前からの守備とサイド圧縮
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セレッソはハットンを前に残し、1列後ろで北野・ルーカス・阪田が中央を閉じながら、ハットンがどちらかのサイドへ誘導をします。北野はボールサイドに近い中盤の選手についていく形で、パスを入れさせないようにケアをします。もう片方の中盤の選手にパスが渡りそうになれば、田中・香川のどちらかが、アプローチをかけ中央を閉じることを最優先にします。
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サイドにボールが渡れば、ボールサイドへ圧縮をかけ制限をかけます。
ここまではセレッソの狙い通りでしょう。
サイドにボールが渡ったあとは?
セレッソは中央を閉じ、サイドにボールを出させるようにします。では、ボールの取りどころはどこに設定しているのでしょうか。
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圧縮後のボールホルダーに対しては、圧力をかけているのですが、それ以外の選手に対しては制限を掛けきれていないシーンが多く、逆サイドへボールが展開されるシーンが多々ありました。セレッソはスライドをして逆サイドで再度、圧縮を試みますが人が動くよりボールが動く方が早いので、ガンバのサイドアタッカーに展開後、何度か仕掛けられるシーンがありました。
セレッソは次節以降、ボールの取りどころは修正してくるのではないでしょうか。
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押し込まれた際に、圧縮した状態でクロスを待ち受けるので必然的にファー側が空いてしまいます。
黒川のミドルが決まった2失点目も、本来はルーカスがいるべき箇所かもしれませんが、セレッソの選手は誰もいませんでした。
これから先、セレッソはファーからの失点が増える可能性も見えた試合でした。
まとめ
パパス監督は過去の戦術から守備時ハイプレス・ハイラインではないかという情報が回っていましたが、前からの守備は思っている以上に仕込んでいたので驚かされました。
セレッソは組織的にプレスをかけてくるチームには相性が悪いのかもしれません。そういったチームに対してどのような攻撃を仕掛けるの今後の楽しみの一つです。