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セミナー企画とファシリテーションのコツ4:「内容と構成を考える①」

こんにちは。大木浩士と申します。
これまで1000回以上、セミナーやトークイベントなどを企画し、開催してきました。(具体例はこちら
この記事は、それらを自ら企画し開催してみたい。そう思われる方に向け、私が培ってきたセミナー企画のノウハウをお伝えする内容の第4回目になります。
※前回(第3回)の記事はこちらから。

今回のテーマは、「内容と構成を考える」になります。

セミナーやトークイベントを行う際、どんな「内容」で行うのか。
どんな「手法」を用いるのか。
「時間配分」をどうするのか。
それらを、企画の骨子が決まった後に、具体的に考えていきます。

「内容」とは、参加者に伝える情報やノウハウになります。

自ら講師をつとめる場合は、「自分が伝えられるノウハウ」と「参加者が欲している情報」との接点を探しながら、その内容案をリストアップしていくことになります。
一方ゲストを招く場合には、どんなゲストにどんな話をして欲しいのか、その候補者名や話してほしいテーマ案などを書き出すことになるでしょう。

ここでは、「自ら講師をつとめる場合」に焦点を当て、その検討のアイデアをご紹介いたします。

自分で講師をつとめる。
不安になりますよね。
聞く人たちにとって参考になる話が、本当にできるんだろうか。よい場づくりができるだろうか。心配になると思います。
ここで心がけたいコツが3つあります。

(1)真似をしたくなるモデルセミナーをみつける

自らセミナーの講師をつとめてみたい。
しかし、セミナーに参加した経験がほとんどない。
もしそのような状況なら、ぜひセミナーに参加者として参加してください。
対面型のセミナーを開催したければ、対面型セミナーに参加する。
オンラインセミナーの方に関心があれば、オンライン版のセミナーに参加をする。
参加しながら、セミナー開催のイメージを自分の中に蓄積していくのです。

セミナーへの参加は、複数回行うとよいでしょう。
できればタイプの異なるセミナーへの参加をお勧めします。
短時間で行われるレクチャー型セミナーへの参加。少し長時間ではあるけれど、参加者同士の体験も取り入れたセミナー参加など。
そのような経験を重ねることで、自分の中の「引き出し」が増えていきます。
そして、「あ、自分もこんな感じでやってみたい」。
そんなモデルになるようなセミナーに出会うこともあるでしょう。

私も最初は、数多くのセミナーに参加しました。
参加することで、机の配置、時間配分、進行手法、講師をつとめる人の佇まいなど、多くの体感した情報を自分の中にためることができました。
そして自ら講師をつとめる際に、それらの中からよいと思ったものを真似ることからはじめました。

真似をしたくなるセミナーがみつかるまで、いろんなセミナーを体感する。
それが最初にお伝えしたいコツになります。

(2)ノウハウの棚卸し

セミナーへの参加と同時に行って欲しいことが、ノウハウの棚卸しです。
講師をつとめてみたい。
そのように思われるということは、ご自身の中にある程度の伝えたいノウハウが存在していることと思います。
それらに一つひとつ光を当て、言語化を行い、取り出していくのです。
私はよく「紙に手書き」で書き出しますが、「Wordやスマホなどに文字入力」していくやり方でもOKです。

書き出すノウハウの目標は10個です。
参加者となる人たちをイメージしながら、「こんなことを伝えてみたい」「こんな話が参考になるのではないか」、そう思える情報をどんどん書き出していきます。

伝えたいノウハウをある程度書くことができたら、それぞれについて「語れるエピソードや実際に起こった出来事」を思い出してください。
相手に伝えたいメッセージ。その奥にある事例や物語にも、光を当ててみるのです。

例えば、「人と対話を行う際は、実は沈黙の時間も大切」。そんなメッセージを伝えたいとします。
なぜそう思われたのでしょうか。
それが実感できたエピソードは何かないでしょうか。
記憶を探り、思い当たるものがあれば、それも書き出しておいてください。

セミナーで伝えるノウハウには、本で学んだものも含まれているかもしれません。
しかし参加者は、生きたノウハウが知りたいのです。
講師となるあなたが体感から導き出した、生きた学びや気づき。その物語にも関心があるのです。
自らが経験したこと。失敗したこと。試してみてうまくいったこと。
それらの情報もぜひ、棚卸しを行ってみてください。

伝えたいノウハウが10個以上あるのなら、それらもまずは書き出してみるとよいですね。
ただ、セミナー時間を1時間半と考えた時、伝えられる情報は、経験的に最大10個程度だろうと思います。(私は7~8個程度に絞り、体験の時間を設けることも多いです)
広げた後は、絞ること。
全体の構成を考えたり、反応の検証を行ったりしながら優先順位を入れ替えること。
そんな心がけも必要かと思います。

(3)調べながら検証や確認をする

ノウハウの棚卸しができたら、それが人の心に響く情報なのかどうか、簡単な検証を行います。
主な検証方法を3つご紹介します。
①SNSに投稿してみる
検証方法の1つめは、SNSへの投稿です。
ツイッターやフェイスブックなどに、伝えたいノウハウをまとめた文章を作成し、投稿してみるのです。
もしイメージ図がつくれるようなら、画像を添付してもよいと思います。
ノウハウを質問形式にしてもよいですね。
AとB、どちらが効果的だと思いますか?そんな投げかけを行い、答えをプロフィール欄やコメント欄に書いておく。
そして閲覧者からの反応を見ながら、その有効性を確認してみるのです。

②ブログを書いてみる。
noteなどのブログアカウントを持っているなら、ブログを書いて、その反応を見てみることも1つの方法です。
良質な情報には「スキ」がつきやすく、そうでもない情報にはあまり反応が得られない。
私もそのような確認を行いながら、自分が持つノウハウの検証や磨き上げを行ってきました。

③人に直接話をし、感想を聞く。
検証方法の3つめは、人に直接話をし、感想を聞くことです。
伝えたいノウハウの1つか2つでもよいので、友人や同僚などに雑談のような感じで話をし、その後意見を聞いてみるのです。
人に直接話をするのは、どうしても恥ずかしさを感じますよね。
しかしその話す経験の積み重ねが、講師としてのトークスキルに直結します。
最初はたどたどしかった話し方でも、何度か経験を重ねてくると、話しのリズムや重要なキーワードがつかめてくる。
慣れができてくる。
相手がどんなエピソードに心が動きやすいかもわかってくる。
そのような経験が、本番をむかえる際の自信にもつながります。

この、
(1)真似をしたくなるモデルセミナーをみつける
(2)ノウハウの棚卸し
(3)調べながら検証や確認をする
を行うことで、どんな内容でセミナーを行ってみたいかがしだいに見えてきます。

セミナーの内容や構成を考える際には、「手法」や「時間配分」を考えることも大切です。
すでに情報量が多くなってしまったので、このお話は次回にまわしたいと思います。

セミナー企画のコツ。
次のステップは「内容や構成を考える②」になります。
ご興味ございましたら、ぜひご覧ください。^^

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