新「ポーの一族」の「春の夢」
(「春の夢」のネタバレ全開です)
もう、ほんと、色々忘れちゃってるということで、記憶定着のために、新ポーのシリーズを簡単にまとめてみようという試みの第一弾です。
まずは登場人物から。エドガーとアランと大老ポー以外で
【登場人物】太字は重要人物と思われる人
(ブランカ周辺の人々)
ブランカ 「春の夢」の主人公?ドイツから弟と二人で逃げてきて、母の姉の夫であるダン・オットマー氏の家に住んでいる。16歳なのでエドガーより2歳年上。最初はエドガーに恋してたようですが、私は、この人は将来のエドガーの妻になると予想してます
ダン・オットマー 眠れなくなる病気で死にかけている男性。とても老けている。母親の希望で死なずにルチオの一族になる
ノア ブランカの弟。元気いっぱい。川に流されるが生きていた
ヨハンナ ブランカの母。ブランカの父は亡くなったっぽい
ザブリナ ダン・オットマーの妻、ブランカの伯母。いい人
ベス ダン・オットマーの妹
マージ ダン・オットマーの兄の娘。子供を亡くしてる
アダム ザブリナが孤児院で見つけた知人の息子。ノアと仲良くなる
ドナルド マージの兄。オットマー家の長男の息子
ミック ドナルドの息子。ドナルドもミックもこの話に出てくる意味がよくわからなかったので、おそらく、マージの言うように、ミックはオットマー家男子特有の眠れない病気にかかって、今後の物語に再登場すると思われる。「ユニコーン」では、祖母を連れてベニスに来ていたからそこそこ重要人物なのでしょう
ダン・オットマーの母親 息子ダン・オットマーが死んでないことを知っていてベニスに会いに行く。しかし、なぜ「ルチオの一族」となる決定権をこの人が握っているのか?本人が決めたらまずいんですか?
アシュトン 運転士。ブランカに暴行しかけ、エドガーに突き落とされ死ぬ
(吸血鬼関連の人々)
クロエ 9世紀頃、老ハンナによりポーの一族に加わった女。若返りたい。いろいろ悪さして、大老ポーの命令で棺桶に閉じ込められるも、出てきて大暴れ
ファルカ 後の「ユニコーン」で判明するが、バリーが紅ルーシで仲間にした男。子供が大好きで、子供に「ファルカ」と呼んでもらいたいらしい。烏(カラス)と会話できるわ、空間を瞬時に移動してくるわ、アランの気の漏れとやらを塞いでくれるわでかなり有能
シルバー ポーの村の管理人?少々無能
ゴールド 昔クロエに助けられたから、棺桶の中のクロエを逃しちゃって、逆に本人が干からびてしまう
サルヴァトーレ オットマー家の祖先。ルチオの一族。大老ポーの知人
ケイトリン ポーの村で犠牲者になりかけたところ、メリーベルに救われたという女性。「秘密の花園」でも登場して、シルバーの部下になってました
【時代】
①1944年1月~8月 ②その十年後くらい(ノアが大学生になってる)
【話の内容】
新ポーの最初の物語ということで、今後の伏線が散りばめられている分、単行本一冊のわりに情報量が多くなっていて、一読しただけでは何がなにやら?という方も多いのでは
・ブランカがエドガーと出会い、最後に吸血鬼にされて、ファルカのパートナーとなる
・ダン・オットマーがサルヴァトーレと大老ポーにより、ルチオの一族(吸血鬼)となる
とりあえずこの二点が重要な柱となってます。どちらも「愛する家族との別れ」を描いていて、「春の夢」の最重要テーマでしょう。
これはエドガーのポーツネル男爵夫妻&メリーベルとの別れにも通じるものとなっていて、エドガーにとっての「春の夢」は、家族のいたあの頃に戻りたい、再び家族を持ちたいということなのでしょう
「春の夢」の初期の頃、エドガーが「ブランカ…… きみはぼくの 春の夢だ――」と語っていて、このシーンだけでは、どこがどう「春の夢」なのかさっぱり理解できないのですが、ゆくゆくそういうことになるんでしょうね
ブランカは髪もくるくるしてるし、白髪になったらメリーベルと似てないこともないし、弟(妹)に執着してるという共通項があるし、エドガーのお相手にはぴったりなのかなと思います。
ブランカのほうがずっと善人ですけどね(笑)