太ることに対する言い訳
私は子どもの頃は毎日下痢ばかりしていて、少しも太れずガリガリだった。近くの人に「小学校に入ったら、給食があるからきっと太れるよ」と言われたと、母は怒っていたことがある。
この状態は20代から30代まで続き、毎日胃腸の調子が悪かった。この頃の理想の女性は、ルノアールの描くふくよかな女性だった。ふわっとやわらかくて優しそうではないか?
現在はずいぶん調子も良くなり、お腹を壊す回数が減った。すると、どうだろう。どんどん太りだしたのである。
もはやガリガリだった面影はない。7号サイズの服なんて、とうに再生ゴミに出してしまった。ガリガリをあっと言う間に脱出したと思ったら、小太りのおばちゃんになっている。
特に認知症だった義母が他界してから、ほっとしたのか、大幅に体重が増えている。しばらくぶりに会う人には必ず「太ったね!」と言われる始末である。
もっとも実母も妹も肥満体なので、肥満遺伝子が発動しただけかもしれないし、50代になり更年期だから新陳代謝が落ちただけなのだろう。当然の結果かもしれない。
しかしだ。痩せているときは、年に3回は風邪を引いて寝込んでいたが、ここ数年風邪もひかない。したがって、仕事を病欠することもない。もちろん、病院に行くこともないのだ。
子どもの頃はぜんそくと言われたこともあるほど、病院ばかり言っていたし、太る前もいろいろ病院に行くことはあった。
病は気からというが、これは本当だと思う。まず結婚して、両親の束縛から離れてほっとした。義祖母と義母が亡くなり、イライラすることがなくなった。私は、結構神経を使っていたのだ。神経を使えば太らずに済むが、病気がちだったのである。
もちろん、一番良いのは、太らずに病気にもならない暮らしである。ルノワールの女性の絵が潜在意識に染み込んで今の体型になったのかもしれないけれど。
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