オキュラス体験記① 「Horison Venues」 でユーザーと交流したら光と闇がみえちゃった
こんにちは!メタヨミ研究所のタカヤマです。
通常業務であるPRのお仕事と、メタバースの動向調査に勤しむ日々を送っております。
今回はオキュラスクエストで使えるMeta社のソーシャル系アプリ「Horizon Venus」の中で、オキュラスユーザーと交流した体験をお伝えします!
メタバース空間で、アバターを通して人と会うのはどういう感覚なのか?
現実・オンライン上・メタバース上での人とのコミュニケーションは何が違うのか?
などなど、タカヤマの体験を基にお話ししたいと思います。
①Meta社開発のメタバース「Horizon(ホライゾン)」シリーズ
2019年9月、当時はまだFacebookだったMetaが独自のVR空間「Facebook Horizon」を開発していることを発表しました。(https://jp.techcrunch.com/2019/09/30/2019-09-25-facebook-horizon/)
スティーブン・スピルバーグ監督の「レディ・プレイヤー1」でいう仮想空間「Oasis」のFacebook版のようなもので、「近代版セカンドライフ」とも呼ばれていました
2020年初めに非公式ベータ版でプレイすることができるようになり、2021年10月に名称を変更、現在の「Horison Worlds」という名前になります。
同年12月からは、招待制だったのを開放し、アメリカとカナダで18歳以上向けに一般配信を開始しました。(現時点でのこの二カ国以外の配信はまだ発表されていませんが、配信地域拡大はそう遠くないでしょう。)
Horizonには他にもメタバース空間があり、日本国内で使えるのは
・メタバース上で会議ができる「Horizon Workrooms」
・メタバース上で開催されるイベントに参加できる「Horizon Venues」
があります。
今後Meta社からリリースされる新しいメタバースサービスも、Horizonという名前がつきそうですよね。。。次のサービスは何になるのか、今から発表が待ち遠しいです。
②イベント観戦とユーザー交流が可能!「Horizon Venues」
日本で使えるHorizonシリーズの一つ、「Horizon Venues」をまずはトライ。
有名アーティストのライブやスポーツの試合、トークショーなど様々なイベントがメタバース空間で開催されます。
観覧席では他のHorizon Venuesに訪れたユーザーとアバターを介してお話ししたり、Facebookのように友達申請したり、写真を撮ったりすることもできます。
※写真はアプリ内での撮影・保存はできますが、オキュラスのヘッドセット本体に移行したり、スマホやパソコンなどの他のデバイスに持ち出すこともできません。。。
かなり慎重ですね。
メタバース空間でイベントを楽しみながら、SNSのように他のユーザーとも繋がり、交流もできるプラットフォームになっているのです。
タカヤマも早速アバターを作成し、音楽ディストリビューションサービス「FRIENDSHIP.」のイベント”Always On: SOUNDSCAPE by FRIENDSHIP.”に参加してきました。
③いざ、イベント会場へ!
イベントが始まるまで会場をうろうろしていたら、
アメリカ・カリフォルニア州在住のイギリス人男性に声をかけてもらいました。
なんでもX Japanが好きで、アバターの名前にもしているんだとか。
彼から歩き回り、目線の変更、ジャンプ、ハンドサイン、写真の撮り方など、リモコンの基本的な操作方法を教わりました。
ハンドサインで手から絵文字が出たり、グータッチするとリモコンがバイブで揺れたりと、リアルとデジタルの融合を実感する機能も。
ただイベントを見るだけでなく、このように他のユーザーとの交流方法もユニークだと思いました。
イベントが始まるまで少しお話したのですが、本当に対面でお話している感覚でした。
少し距離を置けばちゃんと声が遠くから聞こえ、近づくと大きくなり、オンライン上で会話していることを忘れてしまうほど。
またこんな面白い情報を教えてくれましたよ。
「去年のクリスマス、例年ゲーム機を買ってあげる家庭が多いんだけど、なぜか市場に出回らない、品切れ状態が続いたらしい。
その代わりにオキュラスなどのVRヘッドセットを買う人が増えて、今アメリカではオキュラスの売上が急激に上がっているんだ。」
確かに半導体などの部品不足でゲームが品薄になっている、という報道がクリスマスの時期にあったことを思い出しました。
価格もゲーム機と変わらないかヘッドセットのほうが安いですし、今世の中で話題の機器なので、欲しい人がかなり多かったことは想像に固くありません。
イベントはというと…
開始時間を勘違いして2時間前にスタンバイしていたので全く始まらず、結局離脱してしまいました。
次こそはちゃんと時間を調べて見に行くぞ…!!!
④身近で見てしまった「メタバースいじめ」
イベント会場から出ると、少し開けた場所でアバター同士が侮辱的な言葉を投げかけたり、暴言を吐いていました。
言われていたアバターはその場から去り、数秒後アプリからも退避しました。
SNSでも度々問題になっているような「いじめ」の現場を、早速メタバース上で目の当たりにしてしまいました。
メタバースだと顔の表情や声、身振り手振りが現実世界の自分の動作とシンクロするので、顔も見えない、声も聞こえない、基本はテキストのみのSNSとは違うでしょう。
しかし言ってしまえばアバターも「リアル」ではありません。現実世界の相手の存在とアバターとを切り離してしまえば、たちまちそのアバターは「モノ」になります。
そうなると、そのモノに対して心無い言葉や残酷な言葉で相手を罪悪感なく傷つけてしまうかもしれません。
実際にアメリカでは、アバター同士のいじめやセクハラの実例もあります。
Horizon Worldsでは、利用制限できる年齢を18歳以上に引き上げるなど、若年層のメタバースによる被害を最小限にするための取り組みを積極的に行っています。
最近ではセクハラ回避のためアバターに境界線を設け、接近したり触れたりできないような機能を追加しました。
誰もが快適に、ストレス無く、楽しく使えるように設計していますが、0になることは非常に難しいでしょう。
一人ひとりがモラルと優しさを持てるメタバースになってほしいなと祈らずにはいられません。
⑤まとめ
現実世界とあまり変わらない対人コミュニケーションと、デジタル空間だからこそ使える機能(ポーズを取ると絵文字が出たり、空中でオブジェを出したり)を同時にできるところがメタバースのソーシャルアプリのすごいところだと実感しました。
しかし「アバターの向こうにいるのは人」ということを忘れると、メタバース空間も脅威の場になってしまう危険性もあることに気付かされました。
今後メタバースは多くの人が使うプラットフォームとなり、様々な価値観を持つ人が集うようになるでしょう。
それに伴いリスク回避や危機管理として、規制が厳しくなったり、今まで出来たことができなくなることも増える可能性も大いにあります。
現実世界の延長線上だと意識することが大切なのかもしれません。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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