読書記録「耳をすませば」
『82年生まれ、キム・ジヨン』を結構前に読んだので、おなじ作家조남주(チョ・ナムジュ)さんのデビュー短編集と知って、手に取ってみた。第17回文学村小説賞の受賞作でもあるそうで、楽しみに読み始めてみた。
この作品は、三つの視点から物語が進んでいく。
一つ目の視点は、サバン症候群の少年キム・イル一家。失業中の父キム・ミンギュのジャージャー麺の配達バイトに同行しながら、驚くべき特技に気づき、とあるイベントに参加することになる。
二つ目、とあるイベントを主催する、とある伝統市場の乾物屋の社長。イベントの結果があらまあ・・ということになり、人生が変わってしまう。
三つ目、とあるイベントを取材するテレビ制作プロダクションの社長。一家や伝統市場とも密接に絡み、お仕事ドラマも垣間見える。
この三者の視点で、挑戦やトラブルや事故など、物語が進んでいくのだけれど、とてもスリリングで、最期のシーンはあっと息をのみ、スポットライトがパツッと消えてしまう。
後味のいいお話では決してないけれど、社会を切り取る作家の力作と感じる作品でした。
こちらは原語。
いつか、韓国語で読めるようになるのだろうか・・。
こちらは翻訳。
私はこちらを読みました。