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【新宿さんぽ その4】玉川上水、ご存知でした?

様々な顔を持つ街、新宿。
そんな新宿をすこしゆっくり歩いてみると、ひと昔前の様子を感じることができました。

土木関係のお仕事をしている友人さんに案内してもらいながら、代々木方面から新宿駅の南側へ歩いてきました。
踏切を渡るときは、ついつい電車の写真を撮りたくなりますね。
つづいては、玉川上水にまつわる散歩です。
玉川上水、名前は聞いたことがありますが、実はあまり詳しくは知りません。
このさんぽを通じて玉川上水について教えてもらい、すごく興味が湧きました。

↓前回の新宿さんぽ その3はこちらで↓


甲州街道の裏を通る一本の道。

代々木方面から、新宿駅南側の甲州街道へ向かって歩いてきました。
その甲州街道のちょっと手前に、一本の道があります。

この道の植え込みには葵橋の親柱らしき石碑があります。

マクドナルドが角にある道です。
この道の植え込みに、何かあります。
「葵橋」と書かれています。ここに橋が架かっていたことを示しています。
実はこの道が、かつての玉川上水です。

標識には「14t」とあります。これがあるということは、道路の基礎が薄いために重量制限がされている、いわゆる暗渠ということがわかるんだそうです。
この道の下に玉川上水が流れると同時に、京王線が走っているんです。


ビルの表側は甲州街道。この道は玉川上水と京王線が走っていたので、建物も背中を向けているような雰囲気があります。

この道、歩道も広いし歩きやすい道なのですが、なんとなく裏通りっぽい雰囲気がありますね。
もともと玉川上水と京王線が並んで走っていた場所ですので、建物はこの通り側に裏側が面するように建っているということなんですね。道の雰囲気って、こういうことも影響するのですね。


こちらは千駄ヶ谷橋。

新宿駅の近くなのに千駄ヶ谷?この橋の名前は、ここを通る街道の行き先を名前にしているのですね。この通りは、その3で登場した踏切につながる青山街道です。
青山街道に面した建物は、この街道に表を向けていて、そんなに大きな道でもないのにどこか賑わいを感じるものです。


公園にも利用されています。

歩いていくと、公園として利用されている場所もありました。
道が拡張しただけのような簡素な広場。その理由は、ここが暗渠だということなのですね。
時計塔がありますが、その脚元を支える基礎が地上にあります。こういう作りは、地下に十分な基礎を作れないと使われる方法なんだそうです。


玉川上水を思い浮かべる

文化学園前にある玉川上水のモニュメント

文化学園大学の前に出ました。
ここは歩道が広いなと前から思っていました。
ここには桜並木が続き、川沿いを歩いているような風情があります。
この煉瓦造りのモニュメントは、明治期に地下にあった暗渠を再現しているものだそうです。玉川上水にかかる橋のようにも見えますね。
玉川上水を意識して歩いてみると、この景色も今までとは違った印象で写ります。


甲州街道から分かれ、玉川上水は続く。

玉川上水は、1653年に江戸幕府により築かれました。羽村から四谷まで、全長42.74kmの水路です。武蔵野台地を尾根筋を選んで通っているというのも驚きです。そのおかげで、江戸市中の飲料水としてのみでなく、その流域の農業用水としても利用されてきました。淀橋浄水場にも供給されていたんですね。

甲州街道から斜めに続く道へ入りました。上水沿いには桜が多く植えられていたそうで、その名残がこの道にも残っています。
そういえば、桜上水という駅もありますね。


天神様と箒銀杏

天神橋跡。この近くに天神社があったのでしょう。

玉川上水沿いに歩いていくと、天神橋跡と記された石碑に出会いました。
この近くに天神社があるのですね。どこにあるのでしょう。

その答えは、すぐ近くにありました。


マンションの脇に立つ箒銀杏

天神橋跡から甲州街道へ顔を出してみると、ここに立派な銀杏がありました。
その下には小さな鳥居があり、額束には「天満宮」と記されていますね。
ここがその天神社なのですね。


箒銀杏の説明板。天神様と天神橋のことも書かれています。

この銀杏は、箒銀杏を呼ばれているのだそうです。
ここに天神社と天神橋のことも書かれていました。

この場所は、天神様の境内として江戸時代の地誌でも確認することができます。明治三十三年(1900)に代々木八幡宮に合祀されますが、今も根元には天神様の小詞があります。長年にわたり地元である代々木新町町会の会員により、維持・管理されています。
この近くを流れていた玉川上水に築かれた橋は、その名にちなんで天神橋と名付けられました。

「箒銀杏」渋谷区教育委員会 一部抜粋

玉川上水、天神橋、そして天神様。
3つがつながりましたね。うれしい気持ちです。


玉川上水旧水道緑道を歩く

玉川上水旧水道緑道。人通りも少なく静かです。

玉川上水を歩いてきました。最後は玉川上水旧水道緑道へ。
青空の下で人通りもすくなく、のんびりと談笑しながら歩いてました。
静かなのですが、どこからともなく電車の音がします。
緑道の植え込みの中に隠されるように、京王線の排気口がありました。
この下には京王線と玉川上水が走っているのですね。


緑道を歩き、西参道にたどり着きました。

緑道を歩き、西参道にたどり着きました。
この玉川上水緑道は、さらにこの先で初台、幡ヶ谷、代田橋へと続きます。

ん、代田橋?
橋という言葉に敏感になってしまいますね(笑)

調べてみると、甲州街道が玉川上水を渡る橋が代田橋だったのだそうです。
今は暗渠となり、橋は存在しないようで残念です。
しかし、このように名前が残っていることは良いことですね。
昔を思い浮かべることができます。

今昔マップで調べてみました。

代田橋が気になって、今昔マップで調べてみました。
真ん中に「代田橋」と記されています。
ここで甲州街道がすこし曲がって、玉川上水と交差しているのがわかりますね。ここが代田橋だったのでしょう。
今は玉川上水は暗渠になっているため、橋は無さそうです。

新宿さんぽ その5ではいよいよ西新宿へ。

新宿中央公園へたどり着きました。

長々とおつきあいいただきありがとうございます(もうすこしです!)。
新宿さんぽ その5では当院のある西新宿エリアを歩きます。
ここにもいままで気づかなかった発見がたくさんありました。
淀橋浄水場や十二社池を巡ります。

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