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フルタイムで働く親が、突然わが子の不登校に直面したとき

フルタイムで働く親で、わが子が「学校に行きたくない」と言い出したら・・・。
そこから日常は一変するんです。

私自身、正規職員として働きながら、わが子の不登校に向き合った日々が何年もありました。
当時は「子どもが大事」だと頭では分かっていても、目の前には仕事がある。
子どもが学校に行きたくないといっているけど、
大事な会議やアポが詰まっている中で、「どうしよう、今日は会社を休めない…」と仕事のことで頭はいっぱいです。

ある日、私が先に出勤した後、息子は夫を会社へ行かせまいと、裸足のまま駅まで追いかけてきたことがありました。
でも、私たちは仕事を休むわけにはいかず、職場へ向かうしかありませんでした。

他にも壮絶な思い出はたくさんあります。
今、私は当時の辛さを共有できる仲間に出会えてとても救われています。
同じように苦しんでいる親同士で繋がりあいながら少しでも助けになれたら嬉しい、と心から思っています。


仕事と不登校の狭間で

フルタイムで働くということは、責任のある仕事を任され、簡単には休めない立場の方が多いでしょう。
「その分、報酬ももらっているのだから…」と思われることもあります。
でも、家事や育児もすべてワンオペでこなしている母親も多く、もうギリギリです。

「不登校の情報を集めるためにセミナーに行こう」なんて余裕はありません。
土日は、子どもと遊ぶ時間、病院に行く時間、家の掃除をする時間。
特に子どもが不登校になると『子どもを自然に触れさせた方が良い』などとアドバイスされることも多く、土日は家族で山や川や海などに出かけることも。

とにかく毎日やることいっぱいで忙しいんです。
ネットで情報を探す時間さえなく、繋がりを作る時間も心の余裕もないのです。

仕事を調整することの罪悪感

会社の理解があり、朝少しゆっくり出社したり、夕方早く帰らせてもらえたとしても、
「同僚に迷惑をかけているのでは…」という罪悪感がつきまといます。
その結果、せっかく仕事の時間を調整できたのに、やめてしまう親も少なくありません。

また、自分自身が部下や同僚から相談を受け時間調整をしたりマネジメントする立場であり『自分は休めない状況だ』という方も多いです。

一方、パートや時短勤務なら、自分の仕事を正規職員に担ってもらって時間の融通をきかせてもらうことができるかもしれない。
これは罪悪感をあまり伴わず、単純にとてもありがたいです。

ただ、それが叶わない人にとっては、時間を調整してもらうだけでは実際のところ厳しい状況のままなのです。

企業へのお願い

不登校の子どもを持つ親は、仕事をしながらも、常に子どものことが頭の片隅にあります。
そして、心も身体も限界ギリギリの状態になってしまうことも。

仕事に集中できず、パフォーマンスが落ちることもあるでしょう。
中には、うつ状態にまで追い込まれてしまう方もいます。

在宅勤務はとてもありがたいのですが、オンライン中に子どもがちょっかいを出してきたりなど、子どもが家にいる中での在宅仕事も大変です。
特に不登校の子どもは精神が不安定であるケースが多く、暴れたり癇癪を起こしたり、家の中は壮絶なのです。

企業としても、優秀な人材を失うのは痛手のはず。
だからこそ、「介護休暇」のように、一定期間の休暇制度が整えば、
親子ともに一息つき、冷静に考える時間が持てると感じています。

最後に 今、苦しんでいる親たちへ

親同士で今の状況を共有するだけで、本当に心が救われます。
私はNPO法人優タウンという団体で、金曜日の夜に働く親のおしゃべり会『夜Cafe』を主宰しています。
金曜日の夜に親が癒されながら、不登校の情報収集などして、土日を楽しく過ごしてもらえたらいいなと思います。
もしよかったら、気軽に遊びにいらしてくださいませ。


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小沼陽子 / 優タウン
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