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スタートアップの投資検討時に事業計画をどのように見ているか

最近Clubhouseで、ITVの西田さん(@NishidaKosuke)と大和企業投資の仙石さん(@sengoku_sho)と僕(@unokota)で話しています。
3名ともベンチャーキャピタリストになって4年経つこともあり、これまでの経験を振り返るってことが多いです。
今日(2月4日)の朝は「VCが投資時にDDすべきポイントについて意見交換がしたい」ってテーマで話しました。

途中、事業計画のDDの話になったのですが、その時に話した内容+追加補足を要約すると、以下のような感じです
※シリーズA、ミドル・レイターでのファイナンスをイメージしています

●事業計画のDDの流れは3つのステップがある
1事業計画の構造の理解と検証すべきポイントを洗い出す
2検証すべきポイント(KPI)の蓋然性を確認する
3全体感をチェックする(今回のファイナンスが、提出された事業計画でどのような位置づけになるか)

1事業計画の構造の理解と検証すべきポイントを洗い出す
・事業を成長するうえで重要なこと(KPI)は何か×それは既に検証できているか、という視点で、事業計画の全体の構造を理解する
・そのうえで、成長するうえで①重要なこと×②検証できていないことを洗い出す。これが、限られた投資検討の期間でリソースを掛けるべきポイントとなる
・①重要なこと、を知る問いかけ例は、「今後、成長するために最も必要なことは何ですか。もっとも重視しているKPIは何ですか」など
・②検証できていないこと、を知る問いかけ例は、「事業計画において、最もチャレンジングだと思うところはどこですか、難易度が高いと思っていることはなんですか、まだ見えていないところは何ですか」など
・これらにより、検証すべきポイントを明確にする

2検証すべきポイント(KPI)の実現性を確認する
・このフェーズも2つの視点に分かれる
・①現在、KPIがなぜその水準にあるのか×②そのKPIに対して、どのような取り組みをしていくか
・まず①。KPIが、現状でその水準である背景を理解する。例えば:年間の解約率が30%→解約理由の内訳を確認→会社が改善/解決の取り組める解約と、取り組みにくい解約がどの程度の比率なのか
・次に②。例えば:上記のうち、改善/解決の取り組める解約の今後の施策に対する問いかけは、「これまでの取り組みは何ですか」、「その結果どうでしたか」、「今後の取り組みは何ですか」、「その取り組みで改善できると思う理由は何ですか」など
・これらにより、検証すべきポイントの実現性の理解を深めていく

3全体感をチェック(今回のファイナンスが、提出された事業計画でどのような位置づけになるか)
・これまでは、全体から細部に入っていったが、最後にもう1度全体に戻ってくる
・今回のファイナンスで、黒字化まで達成するのか。達成しないのであれば、次のファイナンスをいつまでに実施しなければならないのか
・今回のファイナンスで何を達成して、次のファイナンスはどのようなストーリーで実施するか
・これらにより、今回のファイナンスの位置づけを把握する

こんな感じです。

事業計画

「シード、PreA」編はこちら
https://note.com/onu1984/n/n49ee663d92f9

「シリーズA」編はこちら
https://note.com/onu1984/n/n673d1e264ab3

明日(2月5日)は、「これからのVCの生存戦略について語りたい」です。楽しみです!

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