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「人間関係資質が上位にないとき、どうすればいいんですか?」

先日、企業様の役員・幹部によるチームビルディングとして、ストレングスファインダーをつかったワークショップをおこないました。
そこで終了後に参加者に聞かれた質問です。

その方は実行力、思考系資質が上位資質の中心の上位資質でした。
仕事はバリバリされそうな感じでしたが、マネージャーとしてそれでいいのかという思いもあったのかもしれません。


弱みを「補完」する

下位資質はそれ自体では弱みではありませんが、
その資質を使うことを求められたとき、弱みになってしまうことがあります。
今回のテーマは、「弱みの補完」ということになります。

「弱みの補完」の方法は、
「上位の資質で補う」か、「他の得意な人に補ってもらう」の2つです。
後段については、このケースでは人間関係資質上位の人にサポートしてもらう。具体的に言うと、調整役になってもらうとか、自分が無自覚に実行力資質を振り回してないかフィードバックしてもらうという方法があります。

自分の上位資質で補う場合は、それぞれの特性を上手く使う方法を考えます。
例えば、

「学習欲」を上位に持つ人なら、相手に関心を持ち、どんな人か興味の赴くままに話を聞くと、相手は自分に関心を持ってくれていると嬉しくなって、相手に好意を抱きます。
またスキルで補う方法もあります。
部下との良好なコミュニケーションを作り出すためのスキルとしてコーチングを学ぶというのも良いと思います。

「収集心」が上位の場合も同様で、
相手の話を多面的に聞き、データベースを作ることで話題を見つけていく、得意な仕事をアサインするということもできますし、データを取ろうと常に見ておくことで、部下は「ちゃんと自分のことを見ていてくれる」と感じることができます。
部下とのコミュニケーションに関する情報をネットや本から集め、それを使ってみるというのもOK。

また実行力系資質の「達成欲」が上位だとしたら、
部下に毎日声をかけることをタスクにして、マメに声をかける。
本人としてはタスクですが、部下からすると、「ちゃんと気にかけてくれる上司」という印象を与えます。

本質は人間関係資質のように相手を思いやる資質ではありませんが、
表に出る行動は同じなので、部下に与える影響もそれに近いものになります。

ここは私見ですが、
そもそも部下は「思いやりのある優しい上司」を求めているのではなく、
「普段から自分の仕事を見ていてくれて、気にかけてくれる上司」
「的確なフィードバックをくれる上司」
「相談したことにきちんと対応してくれる上司」
を求めています。
それらの行動を、自分の上位資質でおこなっていけばいいのです。


4領域の分類にこだわらない

加えて言うと、34資質を分類する資質はギャラップが便宜上分類したもので、それぞれの一面にしか使えないわけではありません。

「共感性」は人間関係資質ですが、
「相手のために」と思うと行動できる実行力の源になります。

「学習欲」は思考系資質ですが、
「面白そう」「知りたい」と思うと、初めての場にも飛び込んでいき、その情報を持っている人に話を聞きに行く実行力や影響力のような使い方ができます。

「社交性」は影響力の資質ですが、
自分のわからないこと、考えたいアイデアはそれを持っている人のところに聞きに行き、その人を自分のデータベースにしてしまう思考系的な使い方もできます。

「信念」は実行力の資質ですが、
「相手を守りたい」という強い思いで人と関わる源になります。

「実行力」だから、「思考力」だからと囚われるのではなく、
自分の持っている道具をどう使うと効果的かを考えましょう。



(注意)
・「ストレングスファインダー」及びその資質名は、ギャラップ社に権利があります。
・資質は単独で現れるのではなく、他の資質と影響し合って出現します。同じ資質を上位に持っていても、他の資質との関係性で違った出方をする場合が通常です。ここでは資質単体での説明をしています。
・ここで書かれる内容は私の知識・経験に基づくものであり、ギャラップ社の公式見解ではありません。


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