【観劇感想】東映ムビ×ステ 舞台「邪魚隊/ジャッコタイ」
サンシャイン劇場にて、舞台「邪魚隊/ジャッコタイ」を観劇させて頂きました。
ムビ×ステは映画と舞台が連動した東映の企画。今作は舞台を観る前に映画を見ようかと思いましたが、わたしは映像などで見る虫の表現があまり得意ではなかったので申し訳ながら友人から概要を聞く程度で舞台に足を運びました。
結果的に全てのストーリーを知っている訳ではなくとも話にはついていけましたし、メンバーの説明やキャラ付けも分かりやすく、非常に助かりました。ただ映画を見た方が良さを感じられたんだろうな、というようなシーンもあったのでそこはちょっぴり後悔しています。疾走感と爽快感に溢れた2時間10分でした。
終演後、この作品を見た時と似たような感覚になったことがあるな??と思い返してみて、「ヒーローショーだ!」と気づきました。
わたしは今シーズンのプリキュアを熱心に鑑賞中なので、どことなく日曜の朝の雰囲気も感じたり。(同じ東映ですし)
大人向けのヒーローショー、というのが1番自分の中でしっくり来た表現です。大人向け、と付けたのは、ただ楽しかったー!だけで終わらせられないようなちょっとした歪みが胸の中に残っていたところ。
善と悪がはっきり別れているようで、でも曖昧なところ。沢山笑えるシーンがあって元気になれる作品なのですが、そこで笑い飛ばせない自分の中の仄暗い気持ちも見えてくるような。なんだろう、ギャグとバトルとシリアスの塩梅が絶妙で、これひとつ外れたら物語の印象が180度変わってしまうのではないか?ってくらいのバランスの上に成り立った構成だったと思います。ぶっ飛んだ設定なのですが、絶妙に自分と切り離せない感じがすごく心に残りました。
自責の念が強いスルメの気持ちも痛いほど伝わってきたりして、特に感情移入しました。『野球』ぶりの橋本祥平さんでしたが、苦しみの演技で客席までその痛みを伝えるのが巧みな方だと感じます。佐藤流司さんは昨年の『いとしの儚』ぶりで、本当に圧倒的な華と「熱」を持ったお芝居をされる方という印象です。儚の時と衣装も似ていて同じ和のテイスト、といった感じでしたが当たり前以上に別のキャラクターになっていて。さすがの一言でした。邪魚隊の阿久津仁愛さん、小柳心さん、廣瀬智紀さんはいずれも他の舞台で拝見したことがありましたが、それぞれの強みが十二分に活きた役どころながら新しい印象があったりして。楽しみながら拝見させていただきました。
歌は思っていたよりポップな曲も多かったり、ラップも入ったりして、耳馴染みがよく。和田俊輔さんの音楽、さすがです。ムビ×ステと冠しているからか紗幕など映像の演出が多用されているように感じましたが、ほとんどの曲が映像で歌詞が出ていたのでなるだけ歌詞を知りたいタイプの観客としてはとっても助かりました。オープニングの曲も役紹介と兼ねている部分もあって、キャラクターがひとりひとり立っている分短いパートで性格や関係性を掴みやすかったです。またテコナ様の歌う曲が歌詞も曲調も、そして歌唱力も相まって一気に惹き込まれました。りんがりんがしゃがりんが。
ネタバレを避けたらぼんやりとした感想になってしまいましたが、老若男女問わず楽しく見ることができる作品だと思います。日替わりパートも沢山あったので、日によって全然見え方が違うんだろうな。
地方も回るみたいなので、ぜひ。
運動量の非常に多い作品かと思いますが、皆様が無事に最後まで駆け抜けられますように!
そして、私事ですが観劇noteを初めてはや2ヶ月弱。この記事で10本目を書き切ることができました。物事が続かないわたしとしては記録的な数字です。これからも自分の思考整理と記録を兼ねて、のんびり書き綴ろうと思います。引き続きよろしくお願いいたします。