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入浴中の死亡事故は、交通事故死より多い!?①ヒートショック編

こんにちは♨️
温泉アドバイザーのしんゆ〜♨です。

これから温泉アドバイザーとして、温泉についての記事をたくさん書いていきたいと思っています。
温泉というテーマを扱う上でまず最初にお伝えしたいのは、入浴は、一歩間違えれば重大な事故に繋がる危険性もある行為だということです。

実は、入浴中の事故による死亡者は、交通事故による死亡者より多いというデータがあります。
令和3年の厚生労働省人口動態統計によると、高齢者の不慮の事故による死亡者のうち、入浴中の浴槽内での死亡者数は4,750人で、交通事故死亡者数2,150人の2倍以上となっています。
資料:消費者庁「無理せず対策 高齢者の不慮の事故」(令和4年12月)

しかし、だからといってお風呂を怖がる必要はありません。正しい入浴法を知っておけば、事故のリスクを大きく減らすことができます。

この記事では、入浴中に起きることが多い事故と、その予防法を紹介していきます。

温度差に注意!ヒートショック⚡

入浴中の死亡事故の原因で最も多いと言われているのが、「ヒートショック」という現象です。

急な温度変化によって血圧が急激に変動することで、心筋梗塞や脳血管障害、意識障害などの健康被害が起きることをヒートショックと呼びます。

ヒートショック→心筋梗塞・脳血管障害・意識消失→お風呂の中で動けなくなり沈む→溺死
というのが典型的なパターンです。

一般的には、冬の冷え込んだ脱衣所や浴室から、いきなり熱いお湯に入ることで起きる場合が多いため、寒い時期には特に注意が必要です。

しかし、夏でも油断はできません。炎天下の屋外からキンキンに冷房の効いた部屋、そしてお風呂の熱いお湯といった、急激な温度変化の繰り返しは身体にかなりの負担がかかります。また、逆に暑い中で急に冷水を浴びることで、ヒートショックが起きる可能性もあります。そして、夏はビールが美味しい季節ですが、アルコールを摂取すると血圧が下がりやすくなるため、その状態で入浴すると、血圧が急激に変動して、ヒートショックのリスクが高まります。

また、入浴中の事故は圧倒的に高齢者が多いですが、もちろん若年層でも起こり得ます。
僕の知っている症例で、20代の男性が、夏にシャワーを浴びていてヒートショックに陥り、意識消失まで至った例もあります。

ヒートショックを防ぐには?

さて、ここまでさんざん脅すようなお話をしてきましたが、もちろん僕が言いたいのは、「お風呂って怖いぞ」ということではありません。
「正しい入浴法を知って、安全にお風呂を楽しみましょう」ということです。
ヒートショックを防ぐために有効な対策を5つ紹介します。

(1)入浴前に脱衣所や浴室を暖める。
温度差が大きいほどヒートショックのリスクは高くなります。
脱衣所や浴室を暖めることで、お風呂のお湯との温度差を小さくします。
自宅のお風呂であれば、脱衣所に小型のヒーター等を設置したり、扉を開け放して他の部屋から暖かい空気を取り入れたりといった方法があります。
また、浴室に入る前に、しばらくシャワーからお湯を出しっ放しにしておくことで、浴室を暖めることができます。

(2)お湯の温度は41度以下にする。
(1)と同じく、温度差を小さくするためです。
また、湯温が42度以上だと、熱過ぎて身体が緊張するため、一時的に血圧が上がり、ヒートショックのリスクも高くなります。

(3)かけ湯を念入りに。
お湯に入る前に、必ずかけ湯をしましょう。
足先や手先など、心臓から遠い箇所から徐々にお湯に慣らしていきます。いきなり肩や胸、頭からかけたりするのは非常に危険です⚠️絶対にやめましょう。
入る前の時点で、身体が「もうお湯に入っている」と錯覚するぐらい徹底的にかけ湯をするイメージです。温泉ソムリエ協会では、最低26(フロ)回以上のかけ湯が推奨されています。

(4)足浴→半身浴→肩までと、少しずつ浸かっていく。
かけ湯を念入りにしたからこれで安心と、一気にお湯に飛び込んでは意味がありません。
入るときも、心臓から遠い所から慣らしていきます。理想を言えば、足浴・半身浴に5分かけたいところです。
冬の寒いとき、一刻も早く全身浸かりたい気持ちは痛いほど分かりますが、命を守るためです。

(5)食後すぐや、飲酒後の入浴は避ける。
高齢者の場合は特に、食後は血圧が下がりやすくなります。また、食後すぐの入浴は消化にも良くありません。
そして、上にも書いた通り、泥酔状態での入浴は大変危険です。お酒はお風呂から上がってからにしましょう。

以上がヒートショックを防ぐために大切なポイントです。面倒くさいと思うかもしれませんが、慣れれば当たり前になります。
ぜひ身の回りの大切な人にも伝えてあげてください。

おわりに

いかがだったでしょうか?
今回は、安全に入浴するため、ヒートショックとその予防についてお話しました。
次回は浴室内熱中症についてお話します。
ぜひご覧ください。


最後までお読み頂きありがとうございました!
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