湯けむりの向こうにある、森と海といのちの循環|海地獄 五代目 千壽智明

約1,200年前の鶴見岳爆発により発生したと言われている海地獄。青い海のような温泉だまりである海地獄は、創業から111年続く国指定名勝として有名な別府の観光の要になっています。そんな「地獄」と呼ばれる地で生まれ育った五代目・千壽智明氏は、ここを庭として駆け回り育っていきます。彼にとっては当たり前だった風景のこの場所を、2017年お父様の突然の他界により、五代目社長として承継することとなります。

地獄を観光地として再解釈したひいおじいさまの存在、森を守りたかったおばあさまの存在、そしてそれを愛し大きくしてきたお父様の存在。脈々とした流れを受け継ぎ、彼が辿り着いた答えは、海地獄が持つ本来の魅力に今一度目を向けることでした。雨は降り、森が受け止め、大地から熱とミネラルを受け取り湧出してくる温泉・地獄は、まるで命の循環であることを教えてくれます。

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